2018年11月16日、ジャニーズJr.のタレントが多数出演する映画「映画 少年たち」の制作が発表されたが、その「聖地」として俄然脚光を浴びそうなのが、奈良市の旧奈良少年刑務所だ。


レトロなレンガ建築の旧奈良少年刑務所正門(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)

11月23〜25日が最後の一般公開

「映画 少年たち」は1969年に初演されたミュージカル「少年たち」の映画化。これまでジャニーズ事務所の若手メンバーにより何度も上演され、若手スターの登竜門となってきた。今回の映画もSixTONES(ストーンズ)、Snow Man、東京B少年、なにわ男子といったグループのメンバーが出演することが発表されていて、ファンの間で話題を呼んでいる。

映画の舞台は2012年の少年刑務所。ということで、ロケ地に選ばれたのが旧奈良少年刑務所だが、歴史ある趣深い建物でもあるのだ。

刑務所の建物は1908年に建てられた。重厚な赤レンガ建築が特徴で、正門や塀、所内の収容棟など多くの建物が現存。近代国家を目指して明治政府が建設した「明治の五大監獄(千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島)」の中で唯一当時の様相をとどめている。


中央の尖塔も特徴的な庁舎(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)

その価値が認められて2017年2月に重要文化財に指定され、20年には史料館などを併設した国内初の「監獄ホテル」に生まれ変わることが決まっている。

そのリニューアル前の、最後の一般公開が11月23日から25日まで行われる。「奈良赤レンガFESTIVAL」というタイトルで、一般1000円、小中高生500円で事前申し込みの上で見学が可能だ。

すでに映画の情報を聞きつけたジャニーズファンの皆さんも色めき立っている。

日本の建築史、刑法史上でも重要な建物である上、アイドルが汗と涙を流す映画の聖地にもなる旧奈良少年刑務所、映画の公開は19年3月29日の予定だが、しばらく人気を集めそうだ。