「イブラより凄い!」 日本代表と対戦するベネズエラ代表の“要警戒”選手とは
ベネズエラ代表は本日、大分銀行ドームで行われるキリンチャレンジカップ2018で日本代表と対戦する。
彼らは南米唯一の野球王国として有名だが、昨年のU-20ワールドカップで準優勝に輝いた実績が示す通りサッカーのレベルも高い。現在は2022年カタール大会での悲願のワールドカップ初出場を目指し熱心に強化を行っているところだ。
ただ、その前に来年には南米一を決定するコパ・アメリカも開催される。この大会には日本代表も出場予定となっており、もしかしたら今回の試合はその前哨戦となるかもしれない。
そんなベネズエラの警戒すべき選手とは?「イブラより凄いヤツ」の正体も分かるぞ。
サロモン・ロンドン
今夏、武藤嘉紀が所属するニューカッスルに加入したベネズエラ代表のエースストライカー。
「ソロモン王」「野獣」「グラディエーター」などの異名を持ち、その大柄な体躯を活かしたポストワークは迫力十分。PA内でのポジショニングも巧く、いとも簡単にゴールを奪う術を持つ。
20代の前半にマラガで2季連続二桁ゴールを記録し、一時期は欧州中のビッグクラブが獲得を狙ったほど。ただ大事な場面でシュートをふかすなどプレー自体の波が大きく、かつての期待値から考えればキャリアは伸び悩んでいると言える。
それでもその確かな能力と経験値から代表には欠かせない存在だ。
トマス・リンコン
“ベネズエラのレジェンド”、フアン・アランゴの引退後に主将を譲り受けたMF。
文字通り代表チームの中心であり、精神的な支柱であるが、選手としての彼は黒子の一言。目立たないところで常にポジション修正し、全体がスムーズにプレーできるように心掛ける中盤のバランサーだ。
クラブキャリアではブンデスリーガ初のベネズエラ人としてハンブルガーで活躍した後、イタリアのジェノアを経て2017に“絶対王者”ユヴェントスへ。
ユーヴェでは結果を残せず半年で退団することになったものの、移籍先となったユーヴェの宿敵トリノでは、母国と同じえんじ色のチームカラーが肌に合ったのか主力を務めている。
イタリアでは攻撃面でも成長しており、代表とブンデスリーガではただの1ゴールも記録していなかった彼がセリエAでは4ゴールを記録している。
ウィルケル・ファリニェス
ドゥダメル監督が信頼を寄せる20歳の若き守護神。
この世代では世界屈指のGKで、上背はないものの生まれながらの柔軟な体を生かしたセービングと反応は天下一品。またPKを決めたことがあり、足元の技術やフィード能力にも優れている。
彼の名が知られるようになったのは、今から3年前に開催された2015年コパ・アメリカのこと。当時のノエル・サンビセンテ監督が「今後の成長に繋がる」として、まだプロデビュー前だった17歳の彼を招集したのだ。
それから2年後に行われた昨年のU-20ワールドカップでは立派に成長した姿を見せ、ベネズエラの守護神として毎試合のようにスーパーセーブを連発。ラウンド16でPK戦の末に日本を撃破すると、同国にとって快挙に等しい準優勝の立役者となった。
ジョセフ・マルティネス
ロンドン以上に警戒すべき人物として覚えておかなければならないのがこの選手だ。
10代にしてA代表デビューを飾り、セリエAのトリノで活躍したマルティネスは、サッカーファンの間ではそれなりに知られた選手であった。しかし2017年、MLSへ新規参入したアトランタ・ユナイテッドへ移籍して以降の彼は、その頃とはまるで別人である。
かつての彼はスピードやドリブル、運動量を評価されていたものの、サポート役のアタッカーに過ぎなかったが、米国では何かに憑りつかれたかのようにハイペースでゴールを量産しているのだ。
2017年はケガもありながら21試合19ゴールを決めると、その勢いは2018年に入っても止まらず今年はなんと公式戦36試合33ゴール!27試合22ゴールのズラタン・イブラヒモヴィッチ(LAギャラクシー)を大きく上回り、MLS史上初となる30ゴール超えでの得点王を獲得した。
Qolyでは今月、「イブラは何位!「MLS、今年最もユニフォームが売れた人気選手TOP10」」という記事を配信した。そこでは当然のようにイブラヒモヴィッチが1位に輝き、2位にはメキシコの人気選手カルロス・ベラ(LAギャラクシー)が入っていたのだが、あのウェイン・ルーニー(DCユナイテッド)を抑え、3位にランクインしたのが何を隠そうこのマルティネスである。
キャリアは長いがまだ25歳。欧州復帰も囁かれている彼を日本代表の選手たちは止められるだろうか。
最後に、他の選手たちも簡単に紹介しておこう。
GK
ラファエル・ロモ(APOEL)
ウディネーゼに在籍した経験を持つGK。2メートル近い長身で、手の届く範囲のボールを悠々と捕球する姿はドイツ人GKのような頼もしさがある。
DF
ルイス・マゴ(カラボボ)
大型の左サイドバック。今年A代表へ初招集され、先月のUAE戦でセットプレーから初ゴールを記録した。
ベルナルド・アニョル(カラカス)
今回、30歳にして初招集された左サイドバック。マラガで活躍するフアンピは実弟だ。
ナウエル・フェラレシ(ペララダ)
大型のセンターバック。2017年U-20ワールドカップの準優勝メンバーで、大会後にマンチェスター・シティのグループに買われ、現在は同グループに属するジローナのリザーブでプレーする。
ジョン・チャンセジョール(アンジ)
195cmを超す大型のセンターバック。現在はロシア・プレミアリーグのアンジでレギュラーの座を掴んでいる。
ジョルダン・オソリオ(ヴィトーリア・ギマランイス)
ドゥダメル監督の信頼が厚い大型センターバック。日本戦での先発も予想されている。
ロベルト・ロサレス(エスパニョール)
2007年からベネズエラ代表でプレーする最古参で、10年以上欧州の第一線で活躍する右サイドバック。若い頃はドリブラーだったが、欧州で堅実さを身に付けた。
ロナルド・エルナンデス(スタベック)
小柄な右サイドバック。2017年U-20ワールドカップの準優勝メンバーで、同年夏よりかつて小林大悟が所属したノルウェーのスタベックに所属する。
MF
ヤンヘル・エレーラ(ニューヨーク・シティ)
守備的MFでリンコンの後継者候補。各世代の代表に選ばれ、準優勝の快挙を成し遂げた2017年U-20ワールドカップでは主将を務めた。
ジュニオール・モレノ(DCユナイテッド)
潰しのきく守備的MF。父親はアルゼンチン人で元プロサッカー選手、2人の兄弟もサッカー選手である。
アリストテレス・ロメロ(クロトーネ)
大型の守備的MF。昨夏、セリエAのクロトーネと契約を結んだが、今季はまだ1試合も出ていない。
ダルウィン・マチス(ウディネーゼ)
日本戦での先発が予想される小柄なサイドアタッカー。愛称はワンダーボーイで、昨季はスペイン2部で14得点を記録した。
ルイス・ゴンサレス(デポルテス・トリマ)
カリアコの愛称で知られるドリブルが得意な右サイドアタッカー。先週末の国内リーグでゴラッソを決めている。
ジェフェルソン・サバリノ(レアル・ソルトレイク)
機動力とテクニックに優れた攻撃的MF。左サイドでのプレーを得意とする。
セルヒオ・コルドバ(アウクスブルク)
2017年U-20ワールドカップで4ゴールを記録した大型のMF/FW。その活躍が認められ、大会後にブンデスリーガのアウクスブルクへ移籍した。
ジョン・ムリージョ(トンデラ)
スピードとフィニッシュ能力に優れた小柄なアタッカー。若くしてポルトガルの名門ベンフィカと契約を結ぶも、レンタルの日々を送りやや伸び悩み気味だ。
FW
アンドレス・ポンセ(アンジ)
アンダー代表ではエースとしてゴールを量産、15歳の時にはレアル・マドリー、インテルなども獲得へ興味を示したという。プロ入り後は伸び悩んでいたが、今季、ロシア・プレミアリーグのアンジで4ゴールを記録している。