RIP SLYMEのSU(左)と大塚愛(右)

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 SNSやブログなどの発言をきっかけに、毎日どこかで“ネット炎上”が発生している……。巻き込まれている人、煽っている人、見物しているだけの人、どちらにも心の平安はありません。炎上大国となりつつある日本の現状を憂慮し、できるだけ炎上を供養したいという思いです。微力ながら、鎮魂のために何かご提案できましたら幸いです。 (コラムニスト・辛酸なめ子) ※今回は辛酸なめ子さんへのインタビューになります。

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 10月末にヒップホップグループの『RIP SLYME(リップスライム)』が活動休止とホームページの閉鎖を発表した。『楽園ベイべー』や『熱帯夜』など数々のヒット曲を飛ばした人気グループだけに、衝撃は大きい。

 歌手の大塚愛(36)を妻にもちながら、‘17年4月にモデルの江夏詩織(23)との不倫疑惑を写真週刊誌で報じられたメンバーのSU (44)は、11月3日にインスタグラムを更新し《全ての責任は私大槻一人 suにあります》と謝罪。この不倫騒動以降、表立った活動のなかったRIP SLYMEだが、1年半も経っての活動休止にファンも驚きを隠せなかったようだ。しかし、この投稿内容が“火種”となり、炎上が発生してしまったという。コラムニストの辛酸なめ子さんに話を聞いた。

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――SUさんの投稿が炎上しているみたいですね。

辛酸「全ての責任は自分にある、としながらも、読み進めていくと《毎日を丁寧に失楽園ベイベーにならぬよう日々精進を重ねて参ります》といった、あまり反省していないんじゃないかと思われるような文言もあり、炎上してしまいましたね」

――「内容がふざけている」「言葉が軽い」といった意見の書き込みもあったそうです。一方、ファンはSUさんのメッセージをどのように受け取っているのでしょうか?

辛酸「ファンの方に向けても《ファンの皆様 モヤモヤとウズウズとニクニクシサと申し訳ありませんでした》といった、言葉の意味のわかりづらいメッセージを発しています。でも、SUさんは作詞もされているということもあり、詩人的なところがあるのかもしれません。

 われわれ部外者にとっては、ちょっとどうなんだろう……という内容でも、ファンの中では“SUさんらしい”と、ちゃんと意味が通じている可能性もあります」

残されたメンバーが気の毒

――謝罪とともにアップされた写真についても賛否ありましたよね。

辛酸「謝罪文とともにインスタグラムに載せられた写真は5人で遊園地で楽しそうにしているという写真ですよね。これに対しても、“こんな写真は不謹慎ではないか”という声もありましたが、ファンによる書き込みのなかには、“こういう姿を見れて嬉しい”といった好意的な声が多かった印象を受けました」

―――にしても、不倫疑惑から1年半経っての活動休止ということですが。

辛酸「ちょっと前にASKAさんが復活コンサートを開いていましたけど、それに対してはほとんど非難の声もなく、ネット上では“絶賛”や“ファン感涙”といった言葉が並んでいました。音楽業界ではクスリをやってもファンは温かく迎えてくれるんだなと思いましたね。

 不倫といえば、『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音さんも復活を果たしています。クスリや不倫も全然ダメージにならないアーティスト業界において、SUさんはなぜ1年半以上もお休みした上に活動休止になってしまうんだろうと、不思議に思ってしまいます。

 ネットニュースによると大塚愛さんか江夏さんの背後に大物がいるという噂もありますし、ある意味、この一件は音楽業界の力関係を表しているかもしれません。ただ、大塚さんが一番心労があると察せられます。インスタグラムを最近更新しましたが、病院を回ってぜんそくと診断されたという内容でした。咳はストレスも要因となって症状が悪化するといいますから……」

ーーメンバーのPESさんは11月1日にTwitterで今回の活動休止をニュースで知ったとしたうえで、《わたしは随分前から何も出来ない立場なので謝ることしか出来ません。申し訳ありませんでした》とツイートしています。

辛酸「そうですね。このツイートからは、PESさんがすごく苦しい、弱い立場に置かれているということがわかります。今後、RIP SLYMEさんの音楽が聞けなくなるというのも残念なのですが何より、残されたメンバーが気の毒ですよね。生活はどうなるんだろうかというのが心配です。

 かたや、メンバーのILMARIさんの奥さんである“エビちゃん”こと蛯原友里さんは『ハーバルセラピスト』というメディカルハーブについての資格も取得した上で、本も出されています。何が起きるかわからない自由業のなかで、先見の明を持たれているというがわかりますね」

ーー今後は蛯原さんが家計を支えるという場面も出てくるのかもしれませんね。SUさんと不倫疑惑を報じられた江夏さんは、RIP SLYMEの公式ホームページが閉鎖された日の翌日に化粧品をPRするような写真をインスタに投稿し、それも炎上してしまいました。なかには《不倫女》や《リップのファンに謝罪してもらってもいいですか?》といった辛辣なコメントも書き込まれています。

辛酸「当時、《数ある趣味の中で今一番夢中なのがスライム作り》という江夏さんの過去の発言が、“匂わせなのでは?”ということで、Twitterで急速にリツイートされ、ネットニュースにもなりました。確かに“趣味はスライム作り”というのも、なかなか聞かない話ではありますが、どうなんでしょう……。

 最近のTwitterのつぶやきからも、

 《欲しい色のリップがどこにも売ってない。オレンジとレッドとブラウンとベージュを全部混ぜたような絶妙な色のリップを探しているんです。私。》(10月10日)

 といった、“リップ発言”も見受けられます。わざとなのか無意識なのかはわかりませんが、性格的にタフな方なのかもしれません」


――確かに。1つのツイートで“リップ”という言葉を2度出すあたりも意味深ですね……。

辛酸「また、Twitterには道端でスイカを食べている動画もアップ(10月12日)されているのですが、“私はかわいいから何をやっても許される”といった感じで食べているのが印象的でした。しかも、なぜか挑戦的な目で通行人を見ながらでしたので、気の強さもなかなかのものなのかもしれません」

ーーSUさんも、報道される前は江夏さんを“友達”ということで自身のラジオ番組にゲスト出演させたり、歌詞中に“しおり”というワードを入れてみたりと、かなり挑戦的な行動に出られていましたね。

辛酸「SUさんは目つきもエロいですし、ものすごい恋愛体質な方なのかもしれません。でも、大塚さんも十分お綺麗なのに、22歳も年下の若い女性に手を出してしまったというのは残念ですね。

 RIP SLYMEファンによる botアカウントをさかのぼってみると、

《内面の色気を磨くにはまず、ほうれい線を気にしないことです(キッパリ)! 笑った回数が多い、すなわち充実した毎日を過ごしてきた証拠なんですから! ――SU》

 というSUさんの発言をまとめたツイートが。それほどほうれい線を肯定していた人なら若い女にいかずに、奥さんを大事にするべきじゃないかな、と思ってしまいました。だいぶ昔の発言なのでしょうが、気になってしまいましたね」

ーー今回の炎上騒動、解決する方法はあるのでしょうか?

辛酸「大塚さんもアーテイストですが、江夏さんも『lovefilm』というバンドを組まれているので、いっそのこと、関係者全員で音楽フェスを開いてみるというのはどうでしょうか。過去にSUさんと交際報道のあった木村カエラさんも参加していただいたら、さらに豪華なものになりそうです。

 話題にもなりますし、炎上を煽っている人たちも“本人たちが楽しそうにしているなら何も言えない”となるのではないでしょうか? お互いの関係を見直すきっかけにもなるかもしれません。例えば江夏さんが大塚さんの歌声を聴いてリスペクトするようになったり。音楽が解決してくれるのを信じたいですね」

辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。
東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)、『ヌルラン』(太田出版)など。