会談する文大統領(右)とペンス副大統領=15日、シンガポール(聯合ニュース)
【シンガポール聯合ニュース】韓国文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議のため訪れているシンガポールで米国のペンス副大統領と会談した。

 韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は現地で行った記者会見で、ペンス副大統領が文大統領に対し「北朝鮮側ともう少し緊密に意思疎通し、対話してほしい」と求めたと明らかにした。

 ペンス副大統領の発言は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との対話を強化し、朝米(米朝)の2回目の首脳会談などを後押ししてほしいとの意味に受け止められる。これを受け、南北首脳が合意した金委員長の年内の韓国訪問が実現する可能性が高まったとの見方も出ている。

 文大統領はペンス副大統領に対し、朝米交渉の過程で双方と緊密に意思疎通を図り、非核化と朝米対話を加速させるため今後も積極的な役割を果たしていくと応じた。

 35分ほど行われた会談で、対北朝鮮制裁や朝鮮戦争の終戦宣言に関する話は出なかったという。金報道官は「双方は2回目の朝米首脳会談とこれに向けた実務交渉などについて、具体的かつ実務的に話し合った」と伝えた。ただ、朝米首脳会談の時期や開催地などの詳細には踏み込まなかったとしている。

 金報道官はあわせて、文大統領とペンス副大統領が「韓米間の確固たる信頼を基に朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和を目指して緊密に協力することで一致した」と説明。南北関係と非核化、朝米対話を好循環で進展させていくことで認識を同じくしたと伝えた。

 双方はまた、65周年を迎えた堅固な韓米同盟が恒久的な平和を築く中核的な原動力になると評価し、一段と偉大な同盟に発展させていくことで一致した。