子役から19歳に見られた岡田将生

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 俳優の岡田将生と時任三郎が13日、スペースFS汐留で行われた映画『家族のはなし』親子試写会に出席した。現在29歳の岡田は、自身の幼少時代を演じた子役の田中レイから「19歳に見える」と言われ爆笑するひと幕があった。

 お笑い芸人・鉄拳が2013年に発表したパラパラ漫画が原作の本作は、リンゴ農園を営む父親(時任)と、そんな父をうとましく思う息子(岡田)との不器用な愛情を描く。映画のテーマにちなんで行われた親子試写会の上映後に登壇した岡田は、客席からの大きな拍手を受け、「僕自身、鉄拳さんのパラパラ漫画を読ませてもらって。温かい気持ちになりました。ですから、映画を見終わった方にも温かい気持ちになってほしいなと思っていたので、満足です」と誇らしげな顔を見せた。

 岡田が演じたのは、挫折を繰り返し、常にいらだっている青年・拓也。岡田にとって、自分と重なる部分も多かったといい「20代前半はいろんな壁にぶち当たっていたし、どこにもぶつけられない“いらだち”があって。共感できたので。それを思い出しながら演じさせてもらいました」と振り返る。

 さらに、「反抗期はありましたか?」という司会者からの質問に対して、岡田は「反抗はさせてもらっていました。思春期の頃って素直にありがとうも言えない。おかえりもただいまも言えない。その延長線上に母親としゃべれなくなったこともありましたが、お父さんが間を取り持ってくれた。そこであたしの反抗期は終わりました」とちゃめっ気たっぷりにコメント。その期間も「半年ないくらい」だったという。

 そんな拓也を、包み込むように優しく見守る父親を時任が熱演。岡田は「こんなカッコいいお父さんがいたらね。現場の立ち振る舞いも含めて、時任さんに感化されますし、優しくされるとこちらはいらだってくるというお芝居に自然となっていった。時任さんが役と一緒に穏やかでいてくれたことがうれしかった」としみじみ。時任も「僕も同じで、反抗されればされるほど、見守るタイプの父親にさせてもらったというか。お互いにいい影響を与え合ったという気がしますね」と述懐。そんな二人は、待ち時間に男子フィギュアスケートの羽生結弦選手のテレビ中継を、こたつを囲みながら一緒に見ていたそうで、岡田は「撮影はギスギスしていましたけど、あそこは家族団らんで。すてきな時間でしたね」としみじみ。

 そしてこの日は、NHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」やドラマ「北風と太陽の法廷」で注目を集め、本作でも主人公の幼少期を演じる子役の田中がサプライズ登場。「岡田さんは優しくて、カッコ良くて、大好きです」と語る田中に、岡田は「さっき、何歳に見えるって言ってたっけ?」と促す。それを踏まえ「19歳です」と返答した田中の言葉に、会場は大爆笑。岡田も「まだ高校生役ができるなと思いました」とクスクス笑いが止まらない様子だった。(取材・文:壬生智裕)

映画『家族のはなし』は11月23日よりイオンシネマにて公開