話題作から名作まで! 映画ファンから評価の高いおすすめの人気青春映画、洋画・邦画計15作品をご紹介。

シング・ストリート 未来へのうた』(2016)

時は1985年、大不況のダブリン。14歳ですでに人生に何の楽しみもない主人公コナーが、モデルを目指すラフィナと出逢い、一目惚れをする。その時にふと口走ったせいでバンドを結成することになるが、そこから映画は彼の人生とともに劇的にエネルギッシュになっていく。

監督は『はじまりのうた』のジョン・カーニー。80年代を彩る名曲の数々を散りばめ、青春をひた走る少年たちの熱気を伝える。マルーン5のアダム・レヴィーンが提供した楽曲が印象的。

『ウォールフラワー』(2012)

小説家志望のチャーリーは、高校ではカーストの最下位に位置づけられている。ひっそりと息をひそめて日々をやりすごしていた彼が、美男で陽気なパトリック、美しく奔放なサム兄妹と出逢い、地味な高校生活は一変する。そうして彼は友情と恋という青春の醍醐味を経験していくのだが……。

主人公を演じるのは、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のローガン・ラーマン。兄妹の兄役をエズラ・ミラー、妹役をエマ・ワトソンがそれぞれ好演している。監督を原作者であるスティーブン・チョボスキー自らが務め、ジュブナイル小説の世界観がそのまま青春映画に活かされている。

『スタンド・バイ・ミー』(1986)

作家となった主人公がふと少年時代を回想する。4人の少年たちが「死体」探しの旅に出た夏の記憶。颯爽と線路を渡り、ヒルがいる沼を駆け抜け、森で野宿する。しかし大人になってしまった今、それはもう二度とかえってこないのだった。

若き日のリヴァー・フェニックスの凛々しさ、そして誰もが一度は聴いたことのある主題歌「Stand By Me」。ホラー小説の名手スティーヴン・キングの原作を基に、監督のロブ・ライナーが温かな筆致で、少年たちの一夏の冒険を描く。どの世代の映画ファンの心にも届く青春映画の代表作。

『あの頃ペニー・レインと』(2000)

物語は、監督のキャメロン・クロウの実体験が基になっており、主人公のウィリアムが15歳の時、ローリング・ストーン誌の記者に突然抜擢され、人気バンドの同行取材をすることになる。音楽ライターをめざす純粋な少年の初々しい初恋と成長を描く。

第58回ゴールデン・グローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)と第73回アカデミー賞脚本賞を受賞。ツアー中のバスでエルトン・ジョンの名曲「Tiny Dancer」を熱唱するシーンは忘れがたく印象に残る。「音楽と青春」ならまずはこの一本だろう。

『レディ・バード』(2017)

主人公は、田舎のカトリック系高校から大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン、自称“レディ・バード”。友達に彼氏や家族、そして自分の将来。悩める17歳の高校生活最後の一年のリアルが活写される。

監督・脚本は、『フランシス・ハ』や『20センチュリー・ウーマン』でも各映画賞に多数ノミネートされ、多彩な才能を発揮するグレタ・ガーウィグ。本作では自伝的要素を織り込んだオリジナル脚本で念願の単独監督デビューを果たし、本年度ゴールデン・グローブ賞作品賞(ミュージカル/コメディ部門)を受賞。レディ・バード役を演じたシアーシャ・ローナンは同賞で主演女優賞を受賞した。

『スウィート17モンスター』(2016)

17歳のネイディーンはまだキスも未経験。兄はリア充なのに、彼女はイケてない毎日の連続。母親は兄の味方しかしない。信じていた親友のクリスタも兄と恋仲になってしまう始末。典型的なこじらせ女子をちょっぴり悲しくもチャーミングに描く青春映画。

主人公ネイディーンを演じるのは、コーエン兄弟の『トゥルー・グリット』で勇ましいガーリーっぷりを発揮したヘイリー・スタインフェルド。親友役には、M・ナイト・シャマランの『スプリット』に出演したヘイリー・ル・リチャードソンと注目の若手が共演している。

『ウォーターボーイズ』(2001)

なんとなく日常をすごす男子高校生たちが、ひょんなことからシンクロナイズドスイミングを文化祭で披露することになり、意外な情熱をそそぐように。彼らの奮闘と友情を青春映画の名手・矢口史靖がユーモアたっぷりに描き切る。

今を輝く妻夫木聡と玉木宏のみずみずしい演技は必見。誰もがハッピーになる青春コメディ映画の代表作。

『時をかける少女』(2006)

筒井康隆の名作「時をかける少女」を、様々なリメイクを経て新たな構想で製作した、細田守監督によるアニメーション作品。主人公は自転車事故をきっかけに“タイムリープ”能力を得る。欲望のままに過去を変えてしまうことで巻き起こる騒動を通して、人間として少女が成長していく。

本作は第30回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。未熟な少女が青春時代に様々な経験を経て成長していく……。ファンタジー作品でありながら共感の声が多く上がる名作。

『ピンポン』(2002)

卓球で世界の頂点を目指す星野と幼馴染みの月本との友情が卓球を中心に描かれる。窪塚洋介と井浦新(ARATA)がそれぞれのキャラクターを好演し、多くの女性観客たちの心を鷲掴みにした。

監督の曽利文彦は本作が監督デビュー作で、松本大洋の原作の世界観を見事に実写化。近年の「マンガ実写化ラッシュ」の火付け役的作品となった。脚本はヒットメーカー・宮藤官九郎が担当している。

『バクマン。』(2015)

漫画家としての成功を夢見て奮闘する2人の高校生の姿を描いた大ヒット作。サカナクションの「新宝島」、日本映画を代表する新鋭・大根仁のテンポのよい演出、センスあるカメラワーク、それにヒット漫画を原作とした万人受けするストーリー。プロデュースを担当した川村元気の戦略もあり、本作は大ヒットを記録。

そうした制作側の努力を背景として、佐藤健、神木隆之介、染谷将太、小松菜奈ら若手の演技の魅力が十二分に引き出されている。実写化ラッシュ中でもひと際注目すべき作品となった。

『セトウツミ』(2016)

高校二年生の内海想と瀬戸小吉のだらだらとした放課後。この二人の“くだらなさ”はみていて全く飽きない。それを旬の俳優である池松壮亮と菅田将暉がダブル主演で演じるのだから尚更。

監督である大森立嗣の確かな演出力が、等身大の青春の魅力を教えてくれる最良の一本。

『心が叫びたがってるんだ。』(2017)

『君に届け』、『近キョリ恋愛』の熊澤尚人が描く青春映画の魅力は格別。恋愛映画の名手が描く青春はちょっぴりもの哀しいが、でもだからこそ観客の心の奥にまで届いていく力がある。

中島健人と芳根京子の初々しくみずみずしい共演だけでもみる価値はある。本作をみれば、どんな人でもたちまちにして恋愛・青春映画のとりことなってしまうはず。

『青い春』(2001)

『ピンポン』の原作者・松本大洋の短編集『青い春』を名匠・豊田利晃が実写化。閉塞感漂う高校生活の中で、主人公たち不良グループは校舎の屋上に集まり、とあるゲームに興ずる。

閉塞した空間の中で紡がれる数々のエピソードが、生々しくも繊細な青春のカタチを見せてくれる一本。若い頃の松田龍平、新井浩文の演技に注目。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)

朝井リョウのデビュー小説を吉田大八が映画化した本作は、口コミにより瞬く間に大ヒット・ロングラン上映作品となった。原作では、5人の同級生の心理を中心に描き、男子バレーボール部キャプテン・桐島のキャラクターが次第に浮かび上がる5つのオムニバス形式になっているが、映画はその再構築を試みている。

第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞を受賞。橋本愛は新人俳優賞を見事受賞した。

『ちはやふる 上の句』(2016)

末次由紀の大ヒットコミックを広瀬すず主演で実写映画化。競技かるたに打ち込む高校生たちの戦いを全3部作で描く。

主人公・千早を演じる広瀬すずのほか、松岡茉優、野村周平、新田真剣佑(真剣佑)、上白石萌音ら、若手俳優陣の熱演がみどころ。監督は『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の小泉徳宏。

【文/チャーリー】

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