クオバディス・ジャパン セールス&マーケティンググループ チーフの増田良之さん。手に持っているのは、新色のスモーキーカラーが加わった、合皮カバー「ソーホー」

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今年も残すところ2カ月を切り、文具店の店頭に2019年の手帳が並ぶ季節がやってきた。だが、現在はスマートフォンの普及により、紙の手帳を使わなくてもスケジュール管理できる時代。そんな中、手帳メーカーの社員はどのように手帳を使っているのだろうか。フランス生まれの手帳メーカー、クオバディスの日本支社 クオバディス・ジャパンの増田良之さんと、森野あかねさんに聞いた。

【写真を見る】クオバディス・ジャパン社員の手帳を公開!写真はバーチカルフォーマットでタスク管理をしている、営業事務の女性の手帳

まずはじめに、クオバディスの手帳の特長を紹介しておこう。同社の手帳で最も代表的なフォーマットといえば、見開きページの横軸に1週間の日付が、縦軸に時間が印刷された、週間バーチカルだ。クオバディスの創業者・Dr.ベルトラミが、バーチカルの先駆けとなるフォーマットを考案したのは、今から60年以上前に遡る。

フォーマット、形、カバーの色・素材、どれをとっても多彩で、自分に合った手帳を選べるのも魅力の1つ。さらに、フランスならではのデザイン性や、品質の高さも多くのファンを魅了し続けている。特に、160年以上の歴史を持つグループブランド「クレールフォンテーヌ」の最高級紙を使用していることから、紙質の良さには定評があり、SNSには「神紙質」と感激する声も寄せられているという。

■ クオバディス・ジャパン社員の手帳をチェック!

今回、社員の方々が実際に使用している手帳を、数種類見せてもらった。バーチカルフォーマットを最もオーソドックスに使用していたのは、営業の50代男性だ。時間軸に沿ってその日の予定が、ノートの部分にToDoが記されている。手帳の形は、正方形が特徴的な「エグゼクティブノート」。職種柄、手帳は持ち歩いて使用しているという。

一方、バーチカルの時間軸を無視し、ToDoリストとして使用している営業事務の30代女性も。「机に手帳を開いたまま仕事をしたい」という理由から、リングタイプの「タイム&ライフ」をチョイス。週をまたぐ業務は付箋に記入し、翌週のページに貼り直す、という使い方をしている点も特徴的だ。

他にも、マンスリーとデイリーフォーマットの2冊を用途によって使い分けている物流担当の20代女性や、マンスリーフォーマットの手帳を主にプロジェクト管理表として活用しているマーケティング・PR担当の30代女性など、職種によって選ぶ手帳、使い方は実にさまざま。

また、マーケティングやECサイトの販促を担当している30代女性は、近年人気が急上昇している「バレットジャーナル」(スケジュール、ToDo、日記など記録したいことを自由に書き込む手帳術。記号を活用した箇条書き形式が1つの特徴)向けの商品「ライフジャーナル」を使用し、ToDo管理を行っていた。

さらに印象的だったのが、職種にもよるものの、社員の多くは手帳を会社に置いたままにしていて、持ち運ばないという点だ。ちなみにフランスでも“置き手帳”として使う人が多く、大判タイプが主流とのこと。また、同社では仕事のスケジュール管理はファイルで共有しているため「スケジュール管理というよりは、ToDoリストを可視化するために手帳を使っている人が多いです」と森野さん。ちなみにプライベートのスケジュール管理は、「スマホメインの人が多いのでは」と話す。

■ スマホ時代の手帳、キーワードは“パーソナライズ”

時代の流れに合わせ、手帳も進化を遂げている。なかでも画期的なのが、フランスの本社で2017年12月にスタートした、自分好みに手帳をカスタマイズできるサービス「Quo Vadis Factory」だ。豊富なバリエーションの中から、バーチカルをはじめとしたフォーマットを選べるのはもちろんのこと、時間軸を自由に設定したり、あらかじめ誕生日を印刷したりできる。世界に1つだけ、オンリーワンの手帳が完成するというわけだ。今後は日本からも注文できるようになる予定だという。

前出の「バレットジャーナル」もトレンドの1つで、近ごろはSNSに自分のノートをアップする人も多く見受けられる。クオバディスから販売されている「ライフジャーナル」は、インデックスページとページ番号のみが印刷された「ドット」と、フォーマットが印刷されている「インフィニット」の2種類。品質の高さと、フランスらしいデザインが評判だ。

その他、システム手帳も注目のアイテムとのこと。同社では、機能的かつおしゃれなシステム手帳カバー「クラブ Lジップカバー」を販売しており、好評を博している。同商品は、その名の通りL字形のジッパーが特長。

物をたくさん挟んで厚みが出ても開閉しやすく、閉じた状態でボールペンの抜き差しもしやすい。増田さんは「非常に理にかなった商品です」と胸を張る。素材は、豊富なカラーバリエーションで人気の「クラブ」を使用し、コーラルピンク、マロン、ネイビーの3色を展開。

■ シンプルに「かっこよさ」で手帳を選ぶのもアリ

最後に、手帳を選ぶ際のポイントを聞いてみた。森野さんは「例えば、生活の中心が仕事だった時はバーチカル。結婚して子育てをしている時は、家族の予定も把握しやすいマンスリーなど、その時々のライフスタイルに合わせて選ぶのが1つのコツだと思います」とのこと。

一方、増田さんは「ビジネスのシーンで腕時計をチラッと見るのと、スマホを取り出して時間を確認するのだったら、時計を見た方がかっこいいじゃないですか。手帳もそれと一緒だと思います。たくさんあるバリエーションの中から、自分が1番かっこいいと思う形と色を選んでいただけたら」と、見た目の印象を主軸に置いた選び方を紹介してくれた。

スマートフォンが普及している現代だからこそ、自分にぴったりな一冊と使い方を見つけて、手帳のある生活を楽しんでみてはいかがだろうか。(東京ウォーカー(全国版)・水梨かおる)