未熟でも未完成でも、ありのままの自分でいい。石原夏織をきらめかせる魔法の言葉
艶のある黒髪に透き通るような白い肌。赤いリップとワンピースをまとった彼女は、一見するとクールな美少女。だがインタビューが始まると、愛すべきポンコツさも顔を出す。
石原夏織、25歳。今年3月のデビュー直前までは、不安でいっぱいだった。しかしファンからの言葉がネガティブな気持ちを吹き飛ばしてくれた。「ありのままの自分でいいんだ」――そう思えるようになってからは、迷うことなく前に向かって進むことができたという。1stアルバム『Sunny Spot』は、自信を手にした彼女の魅力に満ち溢れている。
スタイリスト/菊地文子 ヘアメイク/Haggy
やさしく温かく見守ってくれる、ファンの存在に感謝
- 3月のデビュー時にインタビューさせてもらったとき、直前まで不安もあったとおっしゃっていましたね。
- 「大丈夫かな!?」っていう不安はいっぱいあったんですけど、デビューさせていただいて、CDのお渡し会とかでファンの方とすごく近い距離でお話する機会が多くなって。みなさんの声を聞いたり、喜んでくださっている姿を見ると、デビューしてよかったな、私がやってることは間違ってないんだなっていう自信になりました。
- ファンの方にどのような言葉をかけてもらったんですか?
- よく言われるのが「夏織ちゃんには、まっすぐそのまま頑張ってほしい」って。まだまだ未熟だし、未完成の私だけど、今の自分のまま、自信を持って前に進んでいこうっていう気持ちを、ファンのみなさんのおかげで持てるようになりました。だから今は素直に楽しいです。
- (編集部)先日、バースデーイベントに伺ったんですけど、石原さんのファンの方は、温かい方が多いですよね。
- そうですね、ホントに。自慢できるような、すごく素敵なファンの方が多くて。友だちみたいな感じというか。でも毎日会えるわけじゃないし、不思議な関係です。
- ファンの方と接するときに大事にしていることはありますか?
- 限られた時間の中で、どれだけみんなと思い出を作って共有していけるかが、自分の課題です。あと、ファンの方の前に立つときは全力で、何も飾ることなくありのままの姿でやって、それを気に入ってもらえたらいいなって。
こんなにやっちゃって大丈夫!?って思うときもありますけど、みなさん親みたいな感じで、やさしく温かく見守ってくださっているので。「間違っちゃった!」って焦りながら客席を見ると、「うんうん」ってニコニコしてくれてたりとか(笑)。本当にありがたいなと思います。 - 類は友を呼ぶ、じゃないですけど、そういうファンが多いのは、石原さんの人柄ゆえだと思います。
- わぁ! そうだとうれしいです。
校歌は全力、休み時間は鬼ごっこ。中学時代の思い出
- 以前のインタビューのときに、石原さんはポンコツキャラだというのを少し聞いたのですが……。
- そうですね、わりと……(笑)。普通にしてるだけなのに、友だちが笑いころげて「もうやめてよ!」って言われるんです。自覚はなかったんですけど、きっと何かしてたんだと思います。
- そんな反応をされても自覚はなかったんですね(笑)。
- このお仕事するまで、本当に自覚なかったんですよ。「なんでだろう?」くらいに思ってました。友だちは面倒見のいい、お姉ちゃん気質の子が多かったかもしれません。「お世話してあげるよ」みたいな(笑)。ありがたかったです。
- 友だちとは、どういうふうに過ごすことが多かったですか?
- んー、中学は女子校だったので、休み時間もけっこう激しめでしたね。走り回ったり、鬼ごっこしたりとか。ポケットとか靴の中にホッカイロを隠して逃げて、つかまえてホッカイロを取ったら勝ち、みたいな遊びをしていました。
- ずいぶん独特な……(笑)。
- ふふふ。わりと活発に遊んでましたね。そんな感じだったので、高校生になってから共学の女の子を見て「はっ! 世間の女の子は、こんなにおとなしいんだ!?」ってびっくりしました(笑)。
- 女子校出身者あるあるですね(笑)。放課後や休日は、どんなところへ遊びに行っていましたか?
- 中学高校と進む途中でだんだん体力がなくなってきて、外で遊ぶのがしんどくなってからは(笑)、ひたすらカラオケに行ってました。室内にこもろうって。
- そんな理由で(笑)。どんな曲を歌っていたんでしょう?
- Mr.Childrenさんとかモーニング娘。さんとか。アニメソングを歌ったりも。
- 当時から、歌の上手さで注目を集めていたのでは?
- そんなことなかったです。校歌とか合唱は、みんなが恥ずかしがってる中、力一杯に全力で歌ってたので、「えらいね」って褒められたりしてたんですけど。
- 中高の友だちと、今も遊ぶことはありますか?
- あります! でもみんな、すっかり老け込んじゃって……落ち着き始めちゃったので、カフェに行きます。
- 25歳になって鬼ごっこをしてると言われても驚きますが(笑)。
- でもたまにしたくなりません!?「缶蹴りしたい!」って言うんですけど、3〜4人いるとひとりは「いやちょっとしんどいわ」って言う子がいて(笑)。結局カフェに行くことになるんです。私は今でもやりたいです!!
厳しい練習が苦にならないほど、ダンスが大好き!
- そんな一面がありながら、MVやライブでのダンスは本格的でカッコいいですよね。2ndシングル『Ray Rule』MVのメイキング映像を拝見したら、難しいダンスシーンも1発OKで。
- わぁ、見てくださったんですね! ありがとうございますっ!
- ポンコツな部分がゼロじゃないですか。仕事のオンとオフがはっきりしているんでしょうか?
- よく聞かれるんですけど、あんまり意識してないです。「本番が始まるから、やらなきゃーうふふ」って感じで(笑)、曲が始まると自然に集中できるんですよね。「さぁ、切り替えなきゃ!!(キリッ)」みたいなのは全然ないです。
- オンとオフのスイッチが切り替わるというのはなく、ずっと今の感じ……?
- ずっとオンでもあり、オフでもあるというか(笑)。でも眠くなったときには、急にオフっちゃいます。まわりの会話が聞こえなくなるんです。さっきまであんなに笑ってたのに、返事が聞こえなくなったと思ったらもう寝てる!みたいな。よく驚かれます(笑)。
- ダンスはもともと習っていたんですか?
- そうです。ジャズ、ヒップホップ、タップの習い事に通っていました。3歳から9歳くらいまで。小さい頃にやってた経験が体に染み付いているみたいで、しばらくやってなかったけど、すぐに感覚を取り戻せたんです。
- 覚えるのはやっぱり早いほうですか?
- 早いほうだと思います。他の方と一緒にやることがあんまりないから、わからないですけど。「覚えられなくて大変」って苦労をしたことは、あんまりないかな?
- MVのメイキング映像や普段の石原さんの言動からあまり感じられないけど、あれだけのカッコいい姿の裏にはとてつもない努力があると思うんです。
- 海外のアーティストの方のMVとか、カッコいいなぁと思う憧れの人のダンス動画を見てるんですが、今の自分の実力不足が明確なので、練習しています。でもその練習も、好きこそものの上手なれというか、遊びの延長みたいな感じです。
- いつも笑顔のイメージがありますが、落ち込んだりとか、ネガティブになることもありますか?
- ありますよー。でも最近は失敗しても、「それを超えられる機会が来るだろう」って考えるようになりました。それにケンカして怒ったりしても、寝たらケロッと忘れるタイプなので。起きたら「あ、切り替えよ!」って。
- ケンカ!? 石原さんがケンカする姿が想像できないんですが。
- あ、お兄ちゃんとです(笑)。普段は仲良しなんですけど、余計な一言を言って、そこからヒートアップして、4時間くらいケンカしたこともあります(笑)。お兄ちゃんは3つ上なんですけど、頭がよくて、論理的に攻めてくるんですよ。だから戦うのがけっこう大変で「ふぇーっ!!」ってなっちゃう。ふて寝します(笑)。
- (笑)。お兄さんは、今の活動を応援してくれていますか?
- はい! ライブイベントにも来てくれます。でも感想は辛口かもしれない。やっぱり、親族は厳しいですね(笑)。
まさかの大雨が…ジャケット写真の撮影当日に起こった奇跡
- では、11月14日にリリースされる1stアルバム『Sunny Spot』について伺っていきます。デビューから8ヶ月でアルバムを出すというスピーディな展開ですが、最初に聞いたときはどう思いましたか?
- とってもびっくりしました。でも、うれしい気持ちが勝りました。早くみんなに届けたいなって。
- アルバムのコンセプトを教えてください。
- 『Sunny Spot』というタイトルどおり、このアルバムを聴いてくださる方の空間が陽のあたる場所のようになったらいいなって。「陽のあたる場所」がテーマです。
- その言葉は石原さんから?
- 私自身というよりは、スタッフさんが考えてくださいました。私、晴れてる日とか太陽がすごく好きなんです。そういうことをいろんなところで話してたら、ファンのみなさんから「夏織ちゃんは太陽が似合うよね」って言っていただくことが増えて。それを見ていたスタッフさんから、「やっぱり夏織ちゃんといえば太陽だよね」と。じゃあせっかくのアルバムだから「Sunny」をつけようっていう話になったんです。
- ジャケット写真では、傘を差して、陽だまりの場所を探す姿を表現したそうですね。撮影で印象的な出来事はありましたか?
- 撮影当日が、けっこうな大雨で。「これでもか」っていうくらい降っちゃって、撮影の順番を変えて室内の写真から撮ることになったんですが、外で傘を持つときにはぴたっと雨がやんだんです。「さっきまでの大雨は、何だったんだろう」っていうくらい、見事に晴れました。
- そんなミラクルが。
- 天気を操っちゃいました(笑)。ちなみに私のまわりにある傘は、棒でつないだり上から吊るしたりしています。傘にこんなに囲まれたことがなかったので、撮影中は面白いなぁと思っていたんですけど、できあがった写真を見て「すごくいいジャケットになるー!」って確信しました。
レコーディング期間の中でレベルアップしていく感覚
- 今回のレコーディングは、長い期間をかけて少しずつ録っていったそうですね。
- 3ヶ月くらいかけて、1曲ごとにディレクションを受けながら丁寧に録っていただきました。レコーディング期間の中でレベルアップしていくような感覚もあり、充実した時間でした。
- 『Sunny You』はデビュー曲『Blooming Flower』と同じ、中村彼方さんの作詞ですね。
- この曲は憧れの人を太陽に見立てている歌詞で、憧れの人に引き寄せられていったり、その人と出会ったことで自分自身も変わろうとする気持ちを描いています。曲調がストレートなのもあって、何も迷わず、自分の感情をまっすぐ伝えるように意識して歌いました。
- 憧れの人は、誰かを思い浮かべながら?
- この曲を聴く方がそれぞれに憧れの人を思い浮かべてもらえるように、実際の対象は置きませんでした。自分に憧れの人がいたとして、そのときに感じる気持ちを思い浮かべながらです。
- アニメ『怪獣娘(黒)〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』(11月23日より期間限定上映)のエンディングテーマに決定していますが、どのようなお気持ちでしょうか?
- アニメの顔になるということで、スタッフのみなさんとものすごく相談して決めていったので、ブレることはないだろうっていう不思議な自信があって。不安になることはなかったです。
- (編集部)そのアニメのイベントで赤いワンピースを着てらしたのが可愛くて、きょうは赤色の衣装をお願いしたんですけど。
- そうだったんですね! 『怪獣娘』のときは、たまたまアフレコであの服を着て行ったら「キャラにぴったりすぎる」って言われて(笑)。じゃあせっかくならイベントでも着ようかなと。
- 石原さんには青のイメージがありますけど、赤いお洋服を着てみてどうですか?
- じつは赤い洋服が一番好きです。なかなか着るタイミングがなかったので、こうして着ることができて、素直にうれしいです。個人的には、赤が似合うと思うんですよー。あはははっ(照)。
自分の中になかった“可愛い”引き出しへの挑戦
- 収録曲について、難しいと思うのですが、お気に入りの楽曲を選んでいただけますか?
- お気に入りの楽曲……うわー、難しいなぁ。どれも違うし、お気に入りがいっぱい!!(笑)じゃあ1曲は、自分の中になかった引き出しということで、『Orange Note』。この曲はアルバムの中で唯一の恋心を歌った曲です。なかなかの可愛さに戸惑うっていう(笑)。
- 戸惑いましたか(笑)。
- 今までは、まっすぐな曲かダンス系のカッコいい曲が多くて、キュンキュンするような曲は難しいですね。曲もハネたりしてるので、リズムに乗りつつ切ない気持ちやドキドキしている様子を、どうやって表現したらいいんだろうって悩みました。レコーディングのときは編曲のkzさんにいっぱいアドバイスをいただきました。
- kzさんからのアドバイスとは?
- 普通だったらビブラートをかけたりして収めるところを、語尾をきゅいんって上げるようにしゃくってみて、とか。それが難しくて。
- ちょっと恥ずかしい、みたいな気持ちもあったり?
- そうなんですよ!! 私にできるかな!?って、ずっと迷いながら録ってました。でも完成したものを聴いたらとても可愛らしく仕上がっていて、うれしかったです。
- ほかにお気に入りの楽曲というと?
- んー……『雨模様リグレット』かな。この曲は1stシングルの候補のひとつだったんです。そのときにお願いしていたのは「カッコいいダンス曲」だったので、メロディは一緒なんだけど、もともとのテンポやアレンジは今と全然違うんですね。ずっと歌いたかった曲だったので、ついにアルバムに入れることができました!
歌いながらアニメ『あの夏で待ってる』の思い出が蘇った
- アルバム全体を通して、とくに思い入れのある曲はありますか?
- 『empathy』はそうですね。編曲してくださったI’ve Soundの高瀬(一矢)さんが、私としてもすごく思い入れのあるアニメ『あの夏で待ってる』のオープニング曲を編曲されていて、大好きだったんです。だからいつかご縁があったら、自分の曲も書いてもらったり、編曲してもらったりしたいなぁって思っていたのが、こうして実現できて。
そういった意味で、この曲は新曲ではあるけど、昔からの思い出が蘇るというか。歌っていて、うれしい気持ちと切ない気持ちがこみ上げてくるんです。この曲を歌えることが自分のものになるっていうのが、本当に幸せだなって。 - お互いを思い合っているような歌詞も素敵ですね。
- 松井五郎さんが詞を書いてくださいました。離れた場所にいるけれど、お互いを思い合っていて、いつでもつながってるよっていうメッセージが込められています。すごく切なくて、でも温かみがあるというか。愛おしさに溢れているんですよね。
- では最後に、年末ライブのお話を。アルバム曲を披露できるライブ、楽しみですね。
- 楽しみです!! 初披露の曲ばかりなので、どんなふうになるのか具体的に想像できない部分は多いんですけど、でもやっぱり、ずっと心待ちにしてくださったファンの方の前で、やっと歌えるので。
自分の力を全部出し切って、「いいファーストライブだった」って思っていただけるように頑張ります。ファンのみなさんにも全力でぶつかってきてもらえたら、相乗効果で上に上にのぼっていけるんじゃないかな。遠慮せず、全力で楽しんでくださいね!
- 石原夏織(いしはら・かおり)
- 1993年8月6日生まれ。千葉県出身。A型。2010年、声優デビュー。2013年に第7回声優アワード新人女優賞を受賞。主な出演作に『色づく世界の明日から』(月白瞳美)、『マギ』(アラジン)、『小林さんちのメイドラゴン』(真ケ土翔太)、『変態王子と笑わない猫。』(小豆 梓)など。2018年3月にデビュー。1stライブ『Sunny Spot Story』は2018年12月29日に大宮ソニックシティにて開催予定。
CD情報
- 1stアルバム『Sunny Spot』
- 11月14日(水)リリース!
左からCD+BD盤、CD+DVD盤、通常盤。
【CD+BD盤】
3800円+税
【CD+DVD盤】
3600円+税
【通常盤】
2800円+税
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、石原夏織さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\『Sunny Spot』11/14リリース!/#石原夏織 サイン入りポラを3名様にプレゼント!
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2018年11月13日
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は11/19(月)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/Apv9SyNrMA pic.twitter.com/eaN2P27gzK- 受付期間
- 2018年11月13日(火)12:00〜11月19日(月)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/11月20日(火)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから11月20日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき11月23日(金・祝)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
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