発表会見での(左から)フロイド・メイウェザー、榊原信行RIZIN実行委員長、那須川天心(撮影・西海健太郎)

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 ボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザーJr.(41=米国)が7日(日本時間8日)、格闘技イベント「RIZIN.14」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)で予定されていた那須川天心(20=TARGET/Cygames)戦をキャンセルする意向を表明した。自身のインスタグラムに「対戦に同意していない」とする長文を投稿。夢のビッグマッチが中止となる可能性が高まっている。

 発表会見からわずか3日。RIZINの榊原信行実行委員長が「平成最後の異種格闘技戦。平成最後の大みそかを彩る大決戦」とぶち上げた夢のビッグマッチはSNSによる一方的な発表によって消滅の危機に陥った。

 主役であるメイウェザーが2200万人ものフォロワーを持つ自身のインスタに長文を投稿。「私は那須川天心との公式戦に一度も同意していないことをはっきりさせておきたい」と主張。「オファーされたのは3ラウンド9分のエキシビション。エンターテインメント目的の“特別試合”だった」と暴露し「公式戦として実施する意図はない」とキャンセルの意向を表明。発表会見後に投稿されたRIZINの文字が入ったグローブを着けた自身の画像も削除した。

 ただ、5日に都内で行われた会見では笑顔で前向きな発言を繰り返していただけに「発表会見は全くの不意打ちだった」とする主張には違和感が残る。未定とされたルールや契約ウエートに関してもメイウェザー自身が「私のチームとRIZINが、いいアイデアを持って調整してくれると信じている」と発言しており、その時点でボクシングの公式戦ではないことは双方が理解していたはずだ。

 “金の亡者”と呼ばれるメイウェザーは15年5月のパッキャオ戦や、300億円以上稼いだとされる昨年8月のマクレガー戦でも交渉過程でトラブルが絶えず、紆余(うよ)曲折の末の実現だった。SNSで身勝手な主張を繰り広げるのは交渉の常とう手段とも言える。

 RIZIN側は「真意を確認中。事実関係が分かり次第お知らせする」としており、近く榊原実行委員長が渡米するとの情報もある。交渉が決裂すれば、大みそかイベントの最大の“目玉”を失うことになる。

 【メイウェザーの発言要旨】何よりもまず、私は那須川天心との公式戦に一度も同意していないことを明確にしておきたい。今回、日本へ訪れるまで彼のことは聞いたことがなかった。最終的にRIZINが選んだ相手と3分3ラウンド計9分のエキシビションをするよう求められました。最初に聞かされていたのは、非常にファイトマネーが高額であり、一部の裕福な観客のためのエキシビションで、公式戦として表現されることも、世界的に放映されることもないエンターテインメント目的の“特別な試合”ということでした。会見場に到着すると話が変わっていた。すぐにやめるべきでした。会見で発表された誤った情報についてファンに心から謝罪したい。

 ▽5日の会見VTR 六本木ヒルズクラブで行われ、メイウェザーは「大みそかのRIZINという特別な場所で戦えることをうれしく思う」とあいさつ。RIZINとの関係性について「これがスタート」とし、「私自身もたくさん参戦していくような展開を考えている」と発言した。一方で公式戦ではないことを意識してか「エンターテインメント」「スペシャルバウト」という言葉も使った。対戦相手として発表された那須川については「体を見ればハードワークしているのは分かる。若さが力なら彼に分があるかもしれないが、経験則では私が上」と話していた。

 【過去のトラブル】

 ☆暴力 複数の内縁の妻らへの暴行で02年と04年に有罪判決を受け、11年12月には禁固90日の判決。12年6〜8月に収監された。