REINA UEDA column [good colors] Photo-72-1

写真拡大

お絵かきと散歩が大好きな上田麗奈さんによるフォトコラム「この色、いいな」。上田さんがいろんな場所を訪ね歩き、おもしろい「モノ」や「コト」、そしてお気に入りの「色」を探します。

REINA UEDA column [good colors] Photo-72-2

連載72回目に訪れたのは「ドラード和世陀」。「日本のガウディ」と呼ばれる建築家・梵寿綱(ぼん・じゅこう)が手がけた集合住宅で、多くのアーティストや職人が集い思うままに創り上げた外観からはとても賃貸マンションとは思えない奇抜で型破りな雰囲気が漂っています。

▼▼▼▼▼

今回は、思わずうっとりしてしまう様なラグジュアリーな色に溢れていました。

加えてダークな印象も強く感じたので、遅ればせながら、ハロウィンの雰囲気も少し出せたらいいなぁと思いながら、撮影に臨みました。

魔女のお腹の中に入れるなんて…楽しすぎますね!

上田麗奈

▼▼▼▼▼

◇撮影を終えて

――今回の撮影では「黒」にこだわっていましたね。これまでの連載では、あまり強調してこなかった色だった気がします。

上田:ロケハンの写真を見たときにパッと目についたのは赤で、ポップな外の壁の印象もあって、赤をフィーチャーするか、黄色を着てバランスを取ろうか……と、あれこれ衣装については考えたんですけど、いろんな色に目移りする中で全体を引き締めているのが白と黒かなと感じて。最近の衣装でも白は使ったので、じゃあ今回は黒に振ってみようかと思いました。

――上田さんが「黒」に持っている印象はどんなものですか?

上田:変幻自在な色という印象があります。特に質感に左右されると思っていて、たとえば今日着ていたレースの服だと気が強いイメージになりますし、前回うかがった工房(富田染工芸)にも空間に黒がいっぱいあって、少しけぶった様子を見て「スモーキー」と現場では言っていましたけど、そういう黒にはあったかいイメージも出てきますし。でも基本的には「かっこいい色」ですね。ピュアなホワイトよりもいろいろと経験した玄人感があるというか。私自身、家では白よりも黒の服を着ていたくて、部屋着は黒と茶色とグレーばっかりなんですけど、そういう色が一緒にいてくれたり、身近にあると安心します。

――逆に「白」のイメージは?

上田:白は目が覚める色、眠れない色です。もしも真っ白い部屋にずっといると心がおかしくなるんじゃないかという気がしていて、私にとってはザワっとする緊張感のある色ですね。

――この建物のエントランスには魔女(インドネシアに伝わる「ランダ」という魔女)が牙を剥いているモザイク画がありましたが、進んでいくと口から飲み込まれていくようで、なんとなく艶めかしい印象がありました。

上田:妙に色っぽかったですよね。あれが自分のお家だったら楽しいだろうな……住んでいると自慢したくなりますよね。

――そして突き当りには巨大な手のオブジェがぶら下がっているという……あの大きな手の座り心地はいかがでしたか?

上田:座り心地、実はすごく良かったです。手の形をしていたからちょっと複雑でしたけど(笑)。包み込むようにすごくフィットして、まるで「座ってください」と言っているような形ですよね。 その足元ではモザイクタイルが星みたいにキラキラ光っていて、ぜんぜん脈絡はわからないんですけど綺麗でハッとしました。頭上にはりんご飴みたいなランプが灯っているの面白かったですね。

――1階に入っているアンティークショップではアコーディオンを持ってもらったんですが、小学生の頃に弾いたことがあるとか?

上田:老人ホームに行って、歌を歌ったり楽器を演奏したりしてそこの人たちと交流するという学校の行事があって、その時に練習しました。演奏した曲はよく憶えていなくて、きっとお年寄りに喜んでもらえるような童謡か何かを選んだはずなんですけど、久しぶりに弾いてみると「こんな器用じゃないといけないものをよく練習していたな」と思いました。でも今日持たせていただいたものはその時よりもずっと格好良いもので、さすがアンティークならではの「一点もの感」がすごかったですね。

――最近、アンティークというか何か古いものを買ったり手に入れたりはしましたか?

上田:お洋服をいただきましたね。イベントでご一緒した同業の女性から「お母さんが買ったんだけどサイズが小さくて合わなくて、もし着れそうなら着てみて」と言われて。アンティークとか古着というよりも「お下がり」という感じですね(笑)。(WebNewtype・野口昌保)