フロイド・メイウェザーJr(写真はインスタグラムから)

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2018年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催される格闘技イベント「RIZIN14」に出場を予定していたボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーJr(米国)が、11月7日(日本時間8日)に、自身のインスタグラムを更新し、試合を行わないことを表明した。

インスタグラムによると「先日アナウンスされた12月31日のイベントについてだが、まずはっきりさせておきたいのは、フロイド・メイウェザーは那須川天心との公式戦に決して同意していないということだ」と、RIZINと合意を結んでいないことを明かした。

メイウェザーの声明は世界中で波紋を呼び、世界各国で一斉に試合中止が報道された。RIZINとの契約内容は明らかにされていないが、メイウェザーは「会見場に到着したら話が脱線していた」と書き込んでおり、契約内容を巡って認識の相違があったとみられる。

高額ファイトマネー用意できず

過去には、K-1がボクシングのヘビー級統一王者マイク・タイソン(米国)の参戦を計画し、本格的に交渉したことがあった。2003年大みそかに開催を予定していた異種格闘技イベントで、タイソンVSボブ・サップ(米国)戦を計画していた。

K-1は2003年8月に米ラスベガスで行われた「K-1 WORLD GP 2003 in LAS VEGAS」にタイソンを招待。サップの試合後、リングに乱入したタイソンに向かってサップが「タイソン、次はお前だ」と挑発し、タイソンは「契約書にサインしな」と返答。ややショー的な色合いが強かったが、タイソンのK-1参戦の下地は出来た。

この大会以降、本格的な交渉に入ったが、高額なファイトマネーが大きなネックとなった。ボクシング選手として晩年を迎えていたタイソンだったが、当時のファイトマネーは10億円を超えるとされ、主催者はこれを捻出出来ずに断念した。また、タイソンの犯罪歴による入国不可問題が生じたこともひとつの要因だった。

日本のボクシング界では、2009年5月の内藤大助VS熊朝忠(中国)の世界戦の「ドタキャン」が大きな話題を呼んだ。

中国全土から注目の一戦が...

当時、WBC世界フライ級王者だった内藤選手が、中国・上海で5度目の防衛戦を予定いていた。この世界戦は中国人ボクサーが初めて世界王座に挑戦するという歴史的一戦で、中国全土から注目を浴びていた。

ところが世界戦開催の3日前に致命的な落ち度が発覚。現地のプロモーターが試合に必要な書類手続きをしておらず、中国開催を中止せざるを得ない状況に追い込まれ、急遽日本開催が決まった。

この世界戦はTBSがゴールデンタイムで放送を予定していたため、日程をずらすことが出来なかった。中国開催中止と同時にプロモーターは日本の会場探し及び、熊朝忠選手の来日に必要なビザなどの手配に追われ、かろうじて世界戦が実施された。

RIZINの榊原信行・実行委員長によれば、大みそかの「RIZIN14」はライブ配信が予定されており、今回の騒動による影響が出るのは間違いないだろう。