庶民の生活こそ、ポップカルチャーだ。BEAMSが「縄文時代」をセレクトした理由。

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BEAMS(ビームス)といえば、言わずと知れた感度が高いセレクトショップ。そんなビームスが、この度「縄文」をテーマにした「TATEANA展」を行なっているという。

ビームスと縄文…意外な組み合わせだ。

展示が行われているのは、新宿の「BEAMS JAPAN」4階。アート、デザイン、カルチャーなど現代の日本文化を世界に発信するレーベル「トーキョー カルチャート by ビームス」と「縄文時代」が融合した形で、11/11まで開催されている。

なぜ今、ビームスが縄文を取り上げたのか? いったい何がセレクトされているの? 話を聞きに行った。

新宿のど真ん中に、本物の土器が置いてあった。
 
土器だって、縄文時代からはるか数千年の時を経て、大都会のおしゃれなセレクトショップに置かれる日が来るとは思わなかっただろう。
 
ど迫力の文様。福島県の西会津から借りてきた、もちろん本物の土器だ。
 
土器2点が置かれているのは博物館ではない。新宿にある「BEAMS JAPAN」だ。
新宿三丁目に位置するビームスの旗艦店。「日本」をキーワードに、幅広いカテゴリーのコンテンツをキュレーションするプロジェクト、BEAMS “TEAM JAPAN” の発信拠点だ。地下1階から5階までの全6層。
4階の「日本のポップカルチャー」フロアにて、11月11日(日)までの期間限定で、縄文時代を垣間見ることができるイベント「TATEANA展」を開催している。
「TATEANA展」の様子。
縄文をモチーフにした、総勢15組のアーティストの作品を集め、販売している。
そんな「TATEANA展」を企画したのは、この3人。
左から、ビームスの担当高野開登(たかのかいと)さん、フリーペーパー「縄文ZINE」の編集長である望月昭秀(もちづきあきひで)さん、「縄文ZINE」の制作にも関わるカメラマンかつライターの松岡宏大(まつおかこうだい)さん。
なぜ、ビームスが「縄文」をテーマに展示を行うのか? それもなぜ、「ポップカルチャー」のゾーンに置かれているのか?

11月3日、「TATEANA展」のキュレーションを担当した望月昭秀さんと、松岡宏大さんのトークイベントが行われるというので、話を聞きに行った。
盛況だ。
 
“庶民の生活”こそ、ポップカルチャーだ。
縄文について満面の笑みで語り合う、「縄文ZINE」編集長の望月さん(左)と、カメラマンでありライターの松岡さん(右)。縄文が大好きなふたりだ。
望月
 僕らふたりは普段、友人であり、「縄文ZINE」というフリーペーパーを一緒に作っている仲でもあります。そもそも「縄文ZINE」は、松岡さんと「フリーペーパーを作ろう」って話が盛り上がったのが始まりで。
 
松岡
 あの時は、他に誰も付いて来なかったですよね。
 
望月
 「縄文とか古くない?」って言われたりして。
 
松岡
 そりゃ間違いなく古いよね(笑)。
2015年に創刊し、これまでに全8号を無料配布してきた「縄文ZINE」。特に三内丸山遺跡を村上春樹風に紹介した5号は名作との呼び声が高い。アーティスト・藤岡みなみさんのインタビュー、漫画家・小山健さんの漫画など、中身も充実。1〜4号をまとめた合本「縄文ZINE(土)」が、全国書店にて販売中。
松岡
 たぶん皆さん腑に落ちていないと思うんですよ。「縄文」と「ビームス」っていう、本来なら一生、平行線をたどるはずの線がなぜ交わったのかという。しかもよりによって、「ポップカルチャー」を扱うフロアで。
 
望月
 それは不思議に思ってる人もきっと多いですよね。僕が今日、本当に伝えたいのはそこのところで。日本の歴史って、振り返ってみると基本的に重視されるのは、権力者の歴史なんですよ。事件や戦争を起こしたとか、目立った人たちの歴史で。
 
松岡
 そうですね。
 
望月
 それに比べて「縄文時代」っていうのはそういう固有名詞が一切分からない。土の中から出てくるのは、庶民の、普通の人の歴史なんです。普通の人が作る文化っていうのはつまり、「ポップカルチャー」なんです。だから縄文っていうのは完全にポップカルチャーだと僕は思っています。
 
松岡
 俺も思うね、それは。だから古墳にはもう興味が湧かないもん。
 
望月
 でかい墓を作ろうとするやつは信用できない(笑)。それはさておき。だからむしろビームスは、縄文に気付いたのが遅いと思う
 
松岡
 ビームスさんとのつながりで言えば、もともとは「縄文ZINE」を知ってくれたあるレコード店の女性から「会わせたい人がいるんです」って紹介されたのが、今回のビームスの担当高野さんで。
 
望月
 高野さんに会ったときすぐ「ビームスの場所と日程はもう押さえました」って言われて、驚きましたね。それが今年の8月半ばくらい。うれしい話だなって思ったけど、時間ないなって。
 
松岡
 でも集まったよね、良い作品が。
 
望月
 まず西会津からお借りしてきた土器ね。
 
松岡
 でかいよね。よく貸してくれたなって思って。
 
望月
 展示の2日前に、ハイエースで取りに行きました。ちゃんとこう…安全運転で(笑)。ビームスのエレベーターにもギリ入りました。この土器は、東北のほうでよくある土器で大木8a式というタイプなんですけど、この前の東京国立博物館の「縄文展」では一個も展示されてなかったんですよね。
 
松岡
 「大木式」の土器ってけっこうメインストリームだと思うんだけどな。
 
望月
 残念ながら候補から外れたみたいです。西会津は新潟県に近いので、有名な火焔型土器の影響もすごく受けていて。いろんな文化が混ざっている。それを新宿のど真ん中で見られるっていうのはまたとないチャンスだと思いますね。
 
縄文リスペクトな、個性的なアーティスト作品を多数販売。
 
望月
 「TATEANA展」のために、いろんなアーティストさんが出品してくれました。その一部を見ていきましょうか。
山内祟嗣さんによる現代アート、ミニチュアの土器や土偶。よく見ると、現代では見慣れたアイコンが土で表現されている。ひとつ1,000円。
展内に飾られているWi-Fiマークの土器も、山内祟嗣さんによるもの。3,000円。
アーティスト大森準平さんによる重厚感ある土偶。ひとつ18,600円。
手に持ち、「この大きさは、ペンダントトップにしたらブリンブリン感があってヒップホップ的だよね」と望月さん。
「うるし劇場」の漆器やお箸も。実はうるしの技術は縄文時代から存在している。
中央は美術家・松山賢さんによる火焔土器の土器怪人「ウマタカエン」。今回最高額の16万円。
同じく松山賢さんによる小さな土器シリーズ。ひとつ数千円から。
木彫り土偶作家、福田康史さんによる木彫りの土偶も。
アーティストD[di:]さんによる、遮光器土偶をモチーフにした作品。一点物で、すでに売約済み。展示されている作品は、どれも数に限りがあるので気になる方はお早めに。
太鼓演奏家・茂呂剛伸さんによる、土器を使った「縄文太鼓」。いい音が鳴る。5,000円代のものから10万円以上するものまで種類が豊富。
「縄文ZINE」編集長の望月さん、実は本職はデザイナー。「加曽利E式」「大洞BC式」など、土器の種類名をデザインしたトートバッグなどオリジナルグッズも。
松岡さんいわく、「見ているうちにだんだん超おしゃれに見えてくる」Tシャツも多数。
「縄文」ロゴが入ったロンTは、ビームスの中のレーベル「トーキョー カルチャート by ビームス」と、「縄文ZINE」がコラボしたTシャツで、この「TATEANA展」でしか買うことができない。6,400円。
 
ビームスに来て縄文を体感してほしい。ただし、今は貨幣経済なので万引きはダメよ。
 
望月
 今回、これだけたくさんの良い作品がそろっているので、ぜひ皆さんには会期中に見に来ていただきたいですね。
 
松岡
 ただし万引きはダメですよ!皆さん!(笑)。
 
望月
 そう、縄文好きな方の中には、貨幣経済に疑問を持ってらっしゃる方がいるかもしれないんですけど、このビームスに限っては万引きは絶対ダメです!(笑)。
 
松岡
 縄文、もっと盛り上げていきたいので。
 
望月
 ぜひ、気に入ったものがあれば買ってください。
イベント後に、作品を楽しむ人々。
こうしてトークイベントは、盛況のうちに終了。「TATEANA展」に込めた思いと、作品の充実ぶりは確かに伝わったようだ。
 
ビームス・高野さんにも聞く、「縄文」をセレクトして、本当に大丈夫?
 
とはいえ、トークイベントは「縄文大好きおじさん」ふたりの独壇場。片付けが終わったところで、ビームスの担当、高野さんをこっそり呼び出し、本音を聞くことに。
 
大丈夫ですか、「縄文大好きおじさん」に脅されてないですか?
レーベル「トーキョー カルチャート by ビームス」を担当している高野さん。
―ビームスで縄文の企画をすると知って、二度見しました。
 
高野
 確かに、このスペースではひとりのアーティストを紹介する展示が多いので、「縄文」というテーマは珍しいかもしれないですね。実は僕自身、「縄文」にかなり興味があって。

―なるほど、ご自身も縄文がお好きなんですね。

高野
 きっかけは、今着ているTシャツでした。これ、ロックバンド「ゆらゆら帝国」の坂本慎太郎さんが描いた土偶がプリントしてあるんです。もともと彼の絵と音楽がすごく好きで。このTシャツを見たときに、僕の中で縄文が「イケてるもの」にガラっと切り替わったんです
縄文のヴィーナスが描かれたTシャツ。
高野
 そこから、「縄文ZINE」というフリーペーパーに坂本慎太郎さんが出ていることを知って。

―それで編集長の望月さんを知ったわけですね。
「縄文ZINE」6号の、坂本慎太郎さんのインタビューページ。坂本さんのアルバム「まともがわからない」をオマージュしたタイトルになっている。
高野
 そうやって調べていったら、縄文って、オリジナリティの高い、日本が誇る文化のひとつで。と同時に、単純に見た目がポップでキャッチーで良いなと。うちは海外のお客さんも多いので、そういった意味でも、縄文はテーマとしてありだと感じました。
 
―すぐに企画案は通ったんですか?
 
高野
 ディレクターは「土偶っていいよね。やれよ」ってすぐOK出してくれて(笑)。
 
―皆さん、縄文が面白いという肌感覚があったんですね。
 
高野
 縄文とか遺跡巡りって、ちょっとお固いイメージがあったじゃないですか。でも、9月始めまで東京国立博物館で開催されていた「縄文展」に行ってみたら若い人も多くて、これはもう狭い範囲のムーブメントじゃなくて、感度が高い人は縄文というものに対して何かしらの感情を抱いてるんだなと。実際「TATEANA展」をやってみて、女子高生がひとりで見ていたりとか、40〜50代くらいの団体の方が来てくださったりとか。普段のお客さんとはまた違う層の方々に来ていただくことができたかなと思います

―確かに 「TATEANA展」をきっかけに、他のフロアも巡ってみたいという気持ちになりました。今回の商品のセレクトは、「縄文ZINE」の望月さんが担当しているんですよね。
 
高野
 はい、セレクトはほぼお任せしています。ただ「トーキョー カルチャート by ビームス」とのコラボ商品として、Tシャツとトートバッグを1点ずつ作っているので、注目していただければうれしいです。
「TATEANA展」に行けば、こんなふうに全身を縄文ファッションで固めることもできる。
「縄文はポップカルチャーだ」という新たな価値観が得られた今回の展示。11月11日(日)までの会期中にぜひ足を運んでみてほしい。
 
「縄文ZINE」オリジナルグッズのプレゼントについて
 
「TATEANA展」でも販売されている、「縄文ZINE」オリジナルのTシャツとキャップを、それぞれ1名様にプレゼント。「縄文ZINE」のステッカーとマッチをセットにしてお届けします。

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●受付期間
2018年11月8日14:00〜11月11日23:59

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イラスト/谷端実
写真/森山祐子
編集・文/武藤寛奈
デザイン/桜庭侑紀