NMB48・山本彩の卒業公演「目撃者」が11月4日に大阪・難波のNMB48劇場で開催された。

山本彩による影アナで「今日で山本彩が完結します。皆さんは、その最後の“目撃者”です」とコメントが添えられ、来場者の期待を煽ります。

 

「overture」で幕開けすると、“さやかコール”が吹き荒れる中、「目撃者」「前人未踏」「いびつな真珠」「憧れのポップスター」まで、ポップなナンバーで一気に駆け抜ける。

 

大興奮の中、メンバーによる自己紹介へと移り、山本彩は「みんながコールしてくれて、ほんとうれしいです。最後までよろしくお願いいたします!」と呼びかけると、客席からは力強い“さやかコール”が送られた。

 

山本彩、山尾梨奈、日下このみ、堀詩音、東由樹による「10クローネとパン」でユニットコーナーにと突入。愛らしいフリルの衣装をまとった山本彩加、泉彩乃、本郷柚巴による「おNEWの上履き」、谷川愛梨、古賀成美によるロックな「スキャンダラスに行こう!」、内木志、梅山恋和、河野奈々帆でフリがキュートな「フィンランド・ミラクル」、林萌々香、小嶋花梨、三田麻央でセクシーな曲調の「抱きしめられたら」を披露した。

 

そして、三田麻央、林萌々香、古賀成美がステージに登場し、くじ引きで決定した林をMCに、観客からの質問に答えるコーナーがスタート。「さや姉に一つおねだりできるとしたら、何がしたい?」の問いでは三田が「私だけのためにギターライヴしてほしい」とリクエスト。古賀は「体幹がすごいんで、その体幹を分けてほしい」とユニークな回答で会場の笑いを誘った。「アジアツアーで行ってみたい国は?」では、古賀は行ったことのあるタイを挙げ「めっちゃモテモテだったんですよ」と理由を明かし、三田は「料理が好きなので韓国」、林は「台湾に行きたい」とそれぞれの希望を語り合った。

 

後半戦では、メンバーが真紅の衣装に身を包んで登場。「美しき者」「アイヲクレ」「摩天楼の距離」とアップテンポなナンバーで盛り上げた。

 

トークパートでは、山本の8年間の活動に敬意を払いつつ、メンバーが8年で成し遂げてきたエピソードをそれぞれ披露。小嶋花梨から「これからもファンとして応援したい」と素直な気持ちを聞いた山本。小嶋の部屋のグッズ置き場のスペースを確認して、「まだまだやな。部屋が私一面になるくらいにしたい」と、これからの活動に向けて気合を入れた。そして、8年前の山本のステージを見て「NMB48に入りたいと思った」という河野奈々帆のエピソードに、山本は「もっと言って、もっと言って」と感激の様子を見せた。

 

「集中!集中!」と少し緊張していると明かした山本。立ち位置へと向かい、最後の曲「命の意味」が始まると、歌詞の重厚さも加わり、劇場の空気がグッと引き締まった。

 

アンコールは「I’m crying」から「ずっと ずっと」へ。山本は「皆さん、たっく“た”ん声を出してください!」とかみながらも観客をあおると、最新シングル「僕だって泣いちゃうよ」、ステージ初披露の「嘘つきマシーン」と「僕がもう少し大胆なら」をメドレーでパフォーマンスした。

 

続いて「次が本当に最後です」と「Pioneer」を披露。止まらない“さやかコール”の中、深々と一礼してメンバーはステージを去った。

 

そして、スクリーンが下りてきて、2010年のオーディション風景からこれまでのMV撮影風景など、山本の華々しい活動歴を振り返るメモリアル映像が映し出される。劇場が少ししんみりした空気に包まれる中、オレンジ色のスポットライトが輝き出すと「さやかコール、いくぞ!」とWアンコールリクエストの勇ましい声が。

 

その声を受け、舞台には真白なドレス姿の山本を中心にメンバーらが再び登場。チームNメンバー、研究生ら合計32名によるパフォーマンスが繰り広げられた。山本が「本当に今の自分にはピッタリ」という「約束」に続いて、「NMB48の代名詞と言っても過言ではない。NMB48と私自身と共に大きくなってくれた曲ですし、皆さんの“告白”が聞ける大事な1曲」と山本が言う「青春ラップ」で締めくくった。

 

最後に山本彩卒業公演のセレモニーを実施。ステージには、NMB48メンバー71名が勢ぞろい。ファンからプレゼントされた花冠と花束、感謝状の盾を手にして満面の笑顔を浮かべる山本。メンバーからは寄せ書きの色紙、思い出の場面が詰まったアルバムが送られた。

 

さらに、今後劇場に飾られる金のネームプレートが渡されると「このプレートを見て、一気に実感が」とあらためて最後の日をかみしめる山本。そして「本当に私の最後の姿を見届けてくれてありがとうございます」と感謝。卒業を発表してから3か月間は「あっと言う間だった」と語り「8年間通い続けてきた劇場に来なくなる寂しい気持ちもあります。NMB48が身体の一部のような存在だった。まだ、なくなるのが正直想像がつかない」と素直な感情を明かした。

 

「8年前の初めて劇場に立った時の景色も忘れてないです。今は毎晩、それを青春と呼ぶのかなと思っています。胸を張ってアイドル人生は楽しかったと言えます。グループに入って夢を追いかけるのが楽しいんだっていうことをNMB48と、今日まで支えてくださった皆さんが教えてくれたからです。メンバーに、そして皆さんに会えて本当によかったです。皆さんへの恩返しは、これから先続ける音楽へ情熱を注ぎ、そして成功することだと思っています。決して簡単な道ではないことは分かってます。でも諦めるつもりもありません。次皆さんに会う時は、今以上の私で皆さんの前に帰ってこれるように、これからも自分に厳しくやっていきたいと思います。なので、私のこと忘れないでください。『忘れてほしい』という曲歌ってたんですけど、“そんなことない、みんな忘れないで”と心の中は思ってました。私も皆さんのことを、培ってきた8年間のことを忘れません。時間は掛かるかもしれません。また皆さんの前に堂々と胸を張って出られるように、卒業後も、今以上に頑張っていきます。8年間、私をアイドルにしてくれて、本当にありがとうございました」と感謝の思いを伝えた。

 

そして山本は「一つ、私の最後の役目が残っているので、ここで務めさせていただきます。次のグループキャプテンは、こじりん」と告げ、会場からは「おお」とどよめきが起こった。

 

「人として成長できたし、やり甲斐のある役目」と山本から指名を受けた小嶋花梨は、5期生として加入としてNMB48に2年半在籍。「先輩方が見て来た景色を私は見ていないので、そんな私がキャプテンとしてできることがあるのかなと考えたんですけど、日に日に大好きになるNMB48のためなら、何でもできると思いました。私にだけしかできないキャプテンになります」と、山本からのバトンをしっかり受け取った。そんな小嶋に山本は「NMB48を愛してくれてるし、NMB48中心に生きてくれている」と。最後に手をつなぎ、全メンバーで「ありがとうございました」と深々とあいさつした。

 

ステージに残った山本は「私の人生、まだまだこれからだなって思っています。皆さんを、素晴らしい世界に連れ出していきますので。これからの人生を、皆さん末永くよろしくお願いします!」とメッセージを送った。沸き上がる“さやかコール”の中、山本は「私のことばっかりになったんですけれども、NMB48の子供たちのことも、皆さんどうぞこれからもよろしくお願いします。ずーっと、ずーっとNMB48も、みんなのことも大好きです!」と、ステージを後にした。

 

終演後、山本は「やり切ったな」と満足げな表情を浮かべ「曲が今の自分と重なっていたので、自然と涙が出ました」と振り返った。今後については「まずはシングル発売。一つずつライヴを重ねて。今考えている大きな目標は、アリーナでソロでライヴをやることです」と語り「区切りではあるけれど、ここが終わりじゃなくてむしろスタート」と気持ちを新たにした。「8年を振り返って点数を付けるなら?」と聞かれると「1億点!」と晴れやかな笑顔で語った。

<セットリスト>
00.overture
01.目撃者
02.前人未踏
03.いびつな真珠
04.憧れのポップスター
05.10クローネとパン
06.おNEWの上履き
07.スキャンダラスに行こう
08.フィンランド・ミラクル
09.抱きしめられたら
10.美しき者
11.アイヲクレ
12.摩天楼の距離
13.命の意味

【アンコール】
14. I’m crying
15.ずっと ずっと
16.僕だって泣いちゃうよ
17.嘘つきマシーン(1half)
18.僕がもう少し大胆なら(1half)
19.Pioneer

【Wアンコール】
20.約束よ(1half)
21.青春のラップタイム(1half)

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