工藤公康

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5日放送、テレビ朝日「報道ステーション」に、福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督が出演。広島東洋カープを下した日本シリーズについて語った。

広島を下して2年連続9度目の日本一に輝いた工藤監督は、「接戦になるかなと。広島さんも強かったので」と、4勝3敗といったギリギリの勝負になることを予想していたとコメント。「1年間本当に支えてくれてありがとう」と、選手やコーチに感謝した。

4年間で3度の日本一と圧倒的な強さの工藤政権だが、「もともと強いチームを引き受けて監督をやらせていただいた」と謙遜。そのうえで、「選手の能力をもっと引き出したい」という想いから、ユーティリティープレーヤーをつくることを意識してきたと話す。

その結果、選手層の厚みも増した。「強いのは選手たちの日ごろの努力」としたうえで、工藤監督は全員が日本一になるという難しい目標を持つことが大事とし、「2位でいいとは思ってほしくない」「つねに頂点を目指してもらいたい。そういうマインドを持ってほしい」と述べた。

工藤監督は「直接言うとそこばかりが気になってしまう」と、あまりアドバイスをしないようにしており、何かあるときはコーチを通して選手に伝えるという。ただ、8月には選手たちと焼き肉に行き、いろいろ話したと明かした。選手たちに理想の打順を尋ね、取り入れたこともあるという。

6連続盗塁阻止のシリーズ記録をつくり、育成出身初のMVPとなった甲斐拓也については、「もともと肩が強くて動きが良い」としたうえで、「本当にまじめな青年で、必ず反省と次に向けてっていうことをしっかりやる選手」と称賛。日々コーチと反省し、次に生かしてきたことが生きたとたたえた。

シリーズの流れを引き寄せた瞬間を問われると、第4戦の初回に見事な中継で菊池涼介を本塁で刺した場面を挙げた。「『よし、これでいけるぞ』という直感めいたもの」があったという。

普段から「キャッチボールを大事にしよう」と話しているという工藤監督は、日ごろから選手たちがそういった点を意識してきたことが発揮されたと喜んだ。

5年目となる来季も大きく変えることは考えていないという工藤監督だが、「次の世代の選手たちのこともしっかり考えていかなきゃいけない」とコメント。負傷者が多かった今季を反省し、故障しないための方法を勉強し、選手たちに伝えていきたいと述べた。