ショッピングセンター駐車場に着陸した警察ヘリ(画像は『Bill Harington 2018年10月27日付Facebook「South African Police Pilot made an “emergency” landing, to buy KFC - In Eastern Cape」』のスクリーンショット)

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10月23日ののどかな昼時、ある駐車場に南アフリカ警察のマークがついたヘリコプターが着陸した。事件なのかと動揺する人々をよそに、パイロットはケンタッキー・フライド・チキンへと入って行った。周囲が捜査なのかと不安になる中、パイロットは紙袋を片手にヘリに乗り込むと再び離陸した。警察のヘリコプターを民間の駐車場に着陸させ、昼食を購入したこのパイロットの行為がソーシャルメディアに投稿され、物議を醸している。『IOL』など複数のメディアが報じている。

10月23日午後2時ごろ、南アフリカ・東ケープ州のコマニ(Komani)にあるショッピングセンター駐車場に突然ヘリコプターが下降してきた。ヘリコプターから降りた男性警察官は颯爽とケンタッキーの店舗に入り、食べ物を購入すると再びヘリコプターで飛び去っていったという。

野党「Freedom Front Plus」の東ケープ州副代表であるビル・ハリントンさんは一部始終を目撃、フェイスブックに投稿した。「これは職務でも訓練中でもない。なのに警察のパイロットがヘリをショッピングモールの駐車場に着陸させ、平然とケンタッキーへと入って行った。かといって店内では犯罪捜査をしているわけでもない。パイロットはテイクアウトの列に並んだ」、さらに「食べ物をオーダーし商品の袋を手にすると、料金を払って店を出た。彼は警察のヘリに乗り込むとプロペラを回転させ、そのまま飛んで行った」とある。明らかに食べ物を買いにちょっと寄っただけのようだ。

一連の出来事にハリントンさんは、混んでいる駐車場に着陸する許可を取ったとは思えない点について「事故が起こればパイロットだけでなく、車も周りにいる人も非常に危険な状態だった」「私たちの税金が警察のパイロット訓練の補助金に使われているというのに、これでは燃料、時間、給料を悪用しているようなものだ。こんなことが公正と言えるだろうか」と指摘している。

ケンタッキー・フライド・チキンを買うためだけに、私有地になんの警告もなく警察のヘリコプターを着陸させるという行為は職務乱用であろう。しかしハリントンさんの怒りの投稿には、意外にもこのパイロットを擁護するコメントが寄せられた。

「ファストフード店は『フライスルー』が必要だっていう証拠ね」「お腹がすいたら食べないと」「空腹は空にいてても関係ない」などといったコメントが多い中、「たぶんパイロットはシフトが長くて次の仕事前に休憩が必要だったんじゃないかな。食べ物はちゃんと支払いをしているし、ルールも守っている。感謝されにくい仕事をしているよね」と同情的な声もあった。

国家警察のブリガディア・ナイドゥ氏は、現在この件について内部調査中であると発表している。

画像は『Bill Harington 2018年10月27日付Facebook「South African Police Pilot made an “emergency” landing, to buy KFC - In Eastern Cape」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)