最新年(2018年)と1988年との比較。特設ページからインタラクティブな地図を見ることができる。

昨日は「最新!地価上昇自治体トップ100ランキング」において昨年比、1988年比で全国市区町村の上昇率ランキングをお届けした。今度はワースト100ランキングをお届けする(次ページ以降参照)。

データは昨日の記事と同様、10月26日に一般財団法人土地情報センターが発表した7月1日時点の基準地価(都道府県地価調査)の集計結果を利用した。これは国土交通省が公開した基準地ごとの地価を集計したもので、市区町村別に平均価格や対前年の価格変動率が記載されている。これをもとに東洋経済が独自に作成した全国の市区町村別平均地価マップは特設ページを参照してほしい。

昨年比で最も地価が下落したのは?

昨年(2017年)との比較では、最も地価が下落したのは和歌山県の海草郡紀美野町。地価が1平米あたり3万2400円と周囲に比べて比較的高かった小畑字の基準地が今年は計算対象とならなかったことで、平均地価が下がった。

和歌山県からは日高郡の印南町、日高町もトップ3に入っている。マップを見ると、東京や福岡といった都市部では地価が上昇し、そこから離れるほど離れたエリアでは地価が下がっていることがわかる。5年前(2013年)との比較マップを見ても、同様の傾向がうかがえる。

次に30年前(1988年)との比較を見ていこう。バブル期ピークの直前である1988年は「土地の値段は必ず上がる」という土地神話が隆盛を極めていた時期。全国平均の基準地価は1986年から90年のわずか4年間で2.2倍にまで上昇した。最近は地価が「上昇した」というニュースが報じられることも多いが、それでも全国平均地価(全用途)は2018年に13万6800円と、1988年の30万9700円に比べると半分に満たない。当時の水準には遠く及ばないことがわかる。


2018年と1988年の比較。広い範囲で地価が下がっている

当然ながら、マップを見ても30年前と比べるとほとんどの市区町村で基準地価が下落していることがわかる。2018年と地価が比較可能な1507市区町村のうち、9割を超える1384市区町村で平均地価が下がっている。

中でも最も下落率が大きいのは、日本有数のスキーリゾート地として知られる新潟県の南魚沼郡湯沢町。1987年には原田知世主演の映画『私をスキーに連れてって』が公開されるなど、バブル期のスキーブームを背景にリゾートマンションが乱立。1988年の平均地価16万3500円から1993年には最高値19万0100円をつけたが、バブルの崩壊につれて暴落。2018年には2万1100円と30年前の7分の1以下となった。

次ページからは、1年前・30年前と比較した平均地価の下落率ランキングを掲載する。

【11月4日 8時48分追記】5ページ目の1988年比下落率ランキング51〜100位に不備があったため差し替えました。