フェデラーが錦織に対して敬意を払っている【写真:Getty Images】

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ストレートで圧倒のフェデラー「彼の調子がいいのは分かっていた」

 男子テニスのパリ・マスターズは2日、シングルス準々決勝で世界ランク11位・錦織圭(日清食品)は同3位ロジャー・フェデラー(スイス)に4-6、4-6で敗れ、4強進出はならず。一方、フェデラーは第1セットで圧巻のアングルボレーを炸裂。錦織も思わず天を仰いだ超絶ショットをATP公式中継サイト「テニスTV」が「魔法の杖からなる純粋なマジック」と動画付きで公開し、絶賛の嵐となっていたが、フェデラーは直近6連勝で下した錦織に対し「ケイはベストのリターナーだ」と敬意を払っている。

 日本のエースに対し、歴戦の王者が“魔法”を炸裂させた。第1セット、5-4とリードしたフェデラーは自身のサービスから一気にネットプレーに出た。リターンをボレーでいなし、錦織がスライスで揺さぶってきた次の瞬間だ。フェデラーはバックハンドでボールの勢いを殺すように優しく当てた。

 ボールはギリギリでネットを越えてポトリ。しかも、クロスに角度が付けられており、ネット際へ。一瞬、反応しようとした錦織もすぐに諦め、無情にボールはコート上を弾んだ。これぞ王者の技術ともいうべき一打が炸裂し、錦織も悔しそうに天を仰ぎ、会場からは割れんばかりの喝采が起きた。

テニスTV」公式インスタグラムは「ロジャー・フェデラーのウィルソン、魔法の杖からなる純粋なマジック」とつづり、動画を公開。フェデラーのラケットを魔法の杖に例えたスーパーショットを目の当たりにした海外ファンも大興奮で絶賛の嵐となり、見事にストレート勝ちしたフェデラー。しかし、試合後は錦織に対して敬意を示している。

錦織に払った敬意「ケイはベストのリターナーの一人だ」

 ATP公式サイトは「自身100回目のツアー優勝を狙っているロジャー・フェデラーが活気あるケイ・ニシコリに対して、6-4、6-4で鮮やかな勝利を挙げた」と好調な錦織を破ったことを伝えた上で、フェデラーのコメントを紹介している。

「今日は素晴らしいプレーができた。勝ちたかった。彼(錦織)の調子がいいのは分かっていて、タフな展開になると思っていたけど、負けることは考えてなかった」とした上で「ケイはベストのリターナーの一人だ。彼にサービスゲームを頻繁にキープされると苦しくなることは分かっていた。僕はそれを回避することができた」と語ったという。

 シーズン終盤に調子を上げてきた錦織を王者の貫禄で退けたフェデラー。これで直近の錦織戦6連勝と強さを発揮している。準決勝はノバク・ジョコビッチ(セルビア)とのBIG4対決。ツアー100勝へ向け、エンジンを加速させていく。(THE ANSWER編集部)