任天堂の人気キャラクターで、世界で一番有名なゲームキャラクターといっても過言ではないあの「マリオ」には、名前の由来となった人物が存在します。そのマリオの名前の由来となった人物であるマリオ・セガールさんが、2018年10月27日に亡くなったことが明らかになっています。84歳でした。

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任天堂の看板キャラクターであるマリオが初めて登場したのは、ゲームタイトルに「マリオ」とつく、いわゆるマリオシリーズではなく、1981年に任天堂がリリースしたアーケードゲームの「ドンキーコング」でした。この中に登場する「ジャンプマン」と呼ばれる主人公が、1982年に稼働したアーケードゲーム「ドンキーコングJR.」からマリオと呼ばれるようになり、後にマリオシリーズの主人公として世界的に知名度を広めていきます。

以下の写真はまだ「ジャンプマン」と呼ばれていた頃のマリオの姿。あのドンキーコングの方が先に名前を与えられていたというわけ。



そんなマリオの名前の由来となった人物が、アメリカのワシントン州でオフィスビルやモール開発に携わり不動産業を営んでいたマリオ・セガールさん。

マリオの名前の由来となったマリオ・セガールさん。「物理的な類似点がある」とのこと。



1981年、セガールさんは自身の会社が所有していたタックウィラの倉庫を任天堂のアメリカ法人であるNintendo of Americaに賃貸していたそうです。その時、マリオの生みの親である宮本茂さんはゲーム「ドンキーコング」用に主人公となるキャラクターを作成しており、当初は主人公を「ジャンプマン」、ヒロインを「ガールフレンドレディ」と呼んでいました。しかし、任天堂はこの呼び方を気に入っておらず、何か適した名前をつけたいと考えていたそうです。その時、当時のNintendo of Americaで働いていた荒川實さんが、賃貸主のセガールさんとジャンプマンの間に物理的な類似点があることに気づき、ジャンプマンの名前を「マリオ」に変更することが決まったとのこと。なお、同じように、当初はガールフレンドレディと呼ばれていたキャラクターは、他の従業員の妻の名前から「ポリーン」と名付けられました。

マリオと同じタイミングで名前をもらったポリーンは、最新作の「スーパーマリオ オデッセイ」にも登場しています。



1991年に行われた世論調査では、アメリカにおいてもマリオの方があのミッキーマウスよりも子どもたちに人気が高いことが明らかになっています。また、PCWorldの調査によると、セガールさんは過去30年間にわたり、マリオの名前の由来となったということが自身のビジネスベンチャーに悪評を立てるのではないかと考え、関係を否定し続けてきたそうです。1993年にはSeattle Times Newspaperがセガールさんにインタビューを行っており、「私はまだロイヤリティ支払いの小切手が届くのを待っています」と冗談めかして答えたと報じられています。