駄菓子屋店内の様子(容疑者のツイッターより)

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 茨城県警日立署で容疑者になった息子と面会したという母親は、つらい胸の内を、こう吐露した。

【写真】店内に置かれているコスプレ衣装ほか

「洋服には触れたらしいんですけど、胸の中に手を入れたりとかそういうことはしていないと言ってました。私たちは親子2人ですし、私のたったひとりの身寄りなので頼りにしています。だからこそ、今回のことは悲しいし、つらいといえばつらいですね」

 強制わいせつの疑いで逮捕されたのは、同県日立市の自称・情報通信業、北浦亮容疑者(44)。副業の駄菓子屋を営む自宅兼店舗に警察がやって来たのは、10月18日午前11時過ぎだった。

「被害者のA子さんは県内居住の小学6年生、11歳の女子児童。容疑者は2018年8月下旬、容疑者が営む駄菓子屋店舗内において、A子さんが13歳未満であることを知りながら、わいせつ行為をしたものです」

 と捜査関係者。

店内ではコスプレができる

 逮捕のきっかけは、A子さんの訴えだった。

「担任の先生がA子さんの親に、“警察に届けたほうがいいんじゃないですか”と助言をして、A子さんの親御さんが9月26日に警察に被害届を出したということです。

 被害者は11歳ですけれど、しっかりしているし、克明ではないにしても被害の状況を話してくれます。供述があっちこっちにいくようなブレはなく一貫した内容でした。

 一緒に駄菓子屋に行った友達の証言も、A子さん本人の話と合致しています。保護者の話も聞くなど捜査を進め、逮捕に至りました」(前出・捜査関係者)

 北浦容疑者は4年前、埼玉県春日部市から引っ越してきた際、副業として駄菓子屋を始めた。開店のいきさつは、

「知り合いが誰もいないので、駄菓子屋をやることによって地域の人に知ってもらいたいなと思って始めたんですよ。小学校の目の前だから、子どもさんも集まってくれるかなって」(母親)

 幼稚園児の孫と一緒に駄菓子屋に行ったことがあるという年配の女性は、

「息子さんは、小学校高学年の子どもさんたちと楽しそうにお話ししていて、面倒見がいいような印象でしたね。ニコニコと笑っていましたよ」

 と好印象だ。さらに、

「保護者から聞いた話では、高学年の女の子がレジをやっていたり、駄菓子の袋詰めをしていたっていう話を聞いたことがあります。息子さんについては特に変なウワサはないですけど、コスプレができる店だって話は聞いたことがあります」

 と、店内でコスプレができることが近所に知られていたことを明かす。

 店の前をよく散歩で通るという女性は、

「このあたりで駄菓子屋は珍しいので、みんなワイワイ楽しそうでしたよ。駄菓子を買って近くの公園で食べる子もいましたね。店長! 店長! って子どもたちから慕われているような印象でしたけどねぇ」

 と、逮捕の報に驚くばかり。

「自分が中学生のとき、店に行った際の印象はないんですけど、母親と妹は、何か怪しかったみたいなことは言ってました」という男子高校生の声もあった。

息子は生き生きとしていた

 確かに駄菓子屋にコスプレ衣装があれば、それだけで怪しいには怪しい。

 ピンク色を基調にした駄菓子屋の店内の一角にはメイド服などのコスプレ衣装が用意されていて、駄菓子を買いに来た子が希望すれば自由に着用することができる仕組みになっていた。

「コスプレの衣装はもともと息子が持っていました。男の子のコスプレはないですね。3着くらいかなと思っていたんですが、警察が押収していくときに、なんか増えているなっていう印象を持ちました。ウイッグとかもありましたね」(母親)

 A子さんがコスプレ衣装に着替えた際のことを、北浦容疑者は次のように供述しているという。

「衣装を着たときに衣装をとめたり、引っかけたりする部分などがあると思いますが、それに関して服には触ったけれど、胸には触ってないと言っています。要するに衣装には触れたけれど身体には触れていないと否認しているんです」(前出・捜査関係者)

 母親は息子のアニメ、コスプレ好きの趣味について、

「確かにアニメとか好きでしたけど、今まで何か問題を起こしたことはないですし、趣味のことまで親がとやかくは言わないです。本人はかわいいキャラクターが好きみたいでしたけどね」

 と明かし、

「ただ、わいせつ目的で子どもたちを集めていたわけじゃないし、事件当日も子どもひとりじゃない。お子さんとはお友達みたいな感覚でいたみたいですね。

 だからなんですかね、子どもとしゃべっているときはうれしそうでしたよ。生き生きとしていました。男の子女の子の関係なくね」

 北浦容疑者がほぼ毎日、昼食を食べに行っていたという飲食店の店主は、

「顔つきもやさしいし、子ども好き。面倒見がよくて、東大出身で頭もキレる人です。事件を起こすような人じゃないと思いますよ」

 と北浦容疑者の普段の様子を伝える。

 この店主の妻は、容疑者が駄菓子屋を1度、閉店して再び開けた理由を聞いていた。

「本業のパソコン関係の仕事が忙しくて“やめるんだ”っていう話でした。でも、子どもたちが“おじちゃん、お店いつ開けてくれるの?”とか“いつ駄菓子屋やるの?”とか言われてまた始めたらしいです。

 もともと“子どもが好きだから駄菓子屋やってるんだ”って私たちに言ってましたからね」

 取り調べに対し、北浦容疑者は否認を続けているという。

「今後、勾留が長引きそうなら、また面会に行きます」

 という母親は、最初の面会の際、こう伝えたという。

「私は息子には、やっていないことは、どんなに言われてもやったなんて言っちゃいけないと言いました。逆に、やったのならばやったと正直に言えばいい」

 捜査の進展が待たれる。