取り調べ後に殺人罪で送検された容疑者の男(画像は『聯合新聞網 2018年10月29日付「成大女研究生命案 明天解剖」(記者周宗禎攝影)』のスクリーンショット)

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台湾・台南市にある国立台湾大学の教育研究所で10月28日夜、女性の遺体が見つかった。女性は口に雑巾を詰められ、ソファーの下に押し込められていたという。研究所に荷物を置いて出たまま戻らない女性を心配した友人らが校内を探して発見した。警察は防犯カメラの映像から、研究所の清掃員の男(42歳)を逮捕。男は容疑を認めている。『中央社』『聯合新聞網』『蘋果日報』など複数のメディアが報じた。

殺害されたのは教育研究所の女子大学院生、陳さん(24歳)。友人と昼食をとり一旦は研究所に戻ったものの、荷物を置いて出て行ったきり帰らぬ人となった。この日は日曜日だったが、陳さんは論文の相談をするため研究所の友人らと集まっていたという。

研究所の友人らは陳さんが午後3時を過ぎても戻らないため心配になり、キャンパス内を捜し回ったそうだ。しかし見つからないため教員にも知らせ、研究所に隣接する社会科学院に捜しに行った。そして夜8時半頃、2階のカウンセリングルームでソファーの下にうつ伏せの状態で押し込められている陳さんを発見したという。通報を受けた救急隊が駆けつけた時には、すでに死後数時間が経過していた。

警察は防犯カメラの映像から、陳さんは昼過ぎに教育研究所4階から渡り廊下を通って社会科学院へ向かい、ある男とエレベーターに乗ったことを確認。男はその後午後1時半頃に社会科学院を出ており、その際に何かを袋に入れてゴミ置き場に捨てた。警察が調べたところ、袋には陳さんがこの日履いていたピンクのサンダルと、陳さんのものではないデニムジャケットが入っていた。学校側の証言で、男は長年研究所で働いている清掃員だと判明。警察は夜を徹して捜索し翌日の早朝、男が元義父の家にやってきたところを取り押さえた。

調べに対し、男は「2000元(約7200円)を借りようとしたが断られ、カッとなって首を絞めた」と供述した。男は以前にも陳さんから1000元を借りたが返しておらず、別の借り主から返済を催促されたので、再度陳さんに借りようとしたという。警察は男を殺人罪で送検したが、なぜ口に雑巾を詰めたのか、陳さんとどのような交流があったのかなど不明な点も多く、詳しい死因とともにさらに調べを進めるとしている。

陳さんを指導していた教員は「真面目で努力家で優しい子だった。その優しさが事件を引き起こしてしまった」と話し、突然の別れを悲しんだ。

画像は『聯合新聞網 2018年10月29日付「成大女研究生命案 明天解剖」(記者周宗禎攝影)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)