内田有紀振り返るアイドル時代…朝ドラ再注目で語った転機

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「無我夢中で駆け抜けてた時期ですね」

取材現場に置かれた20歳時の自分の写真を見るなり、そう笑う内田有紀(42)。放送中のNHK連続テレビ小説『まんぷく』出演で、いま改めて注目が集まる彼女に話を聞いた。

――トップアイドルとして活躍していた90年代。そのころを振り返っていま思うことはありますか?

「当時は、休みはほとんどなかったような……。今思えば、忙しさに心と体を追いつかせるのに必死でした(笑)。今は穏やかに規則正しく過ごせていて、ナチュラルにいられている気がします」

――42歳になっても変わらぬ若々しさにも注目が集まっています。学生時代の同級生の方といまも仲良くされていると聞きましたが、「若い!」と言われませんか?

「あまり自分だとわからないんですが……。でも、周りの同い年の友達、みんな若いかもしれません。肉体的には、多少歳を重ねたので、老いというものとは切っても切り離せませんが、みんな気持ちが若い。それはたぶん私たちより上の世代の先輩の女性たちがみなさん、輝いているから。素敵なお手本がいるから、歳を重ねることにあまり不安を抱いていないんだと思います」

――その先輩の女性というのは、親交の深い加賀まり子さんや天海祐希さん?

「そうですね。よく話に出させていただいているんですけど(笑)。2人とも、私より若いところがある方です。考え方でも、好奇心でも、人との接し方でも。すごくパワフルで、優しくて、柔軟性があって。心の豊かな方々で、尊敬できる先輩です」

――年齢を重ねて、10代や20代のころと内面的に変わったことはありますか?

「明るく清潔感のある人でいたいと思うようになりました。若いときは、ちょっと影のある感じがかっこいいって思いがちでした。でも、年を重ねた今は、わかりやすくて明るくて爽やかなほうがどれだけ素敵かと思います」

――でも、明るくいられないときもありますよね? どうやって明るさを維持させていますか?

「それが、歳を重ねてからはちょっと落ち込むことがあっても、立ち直りが早くなりました。落ち込みから抜け出す方法は、ためないですぐに話すこと。1人で抱えない。すごく変わりましたね。自分でも昔は悩むことの方が大事なんじゃないか、人は悩むものなんだ、って思ってたけど、今は、違うかな……、と。早く抜け出したほうが人生は豊かになるって思います」

――転機はあったのでしょうか?

「ここ数年なんですが、自分を見つめ直してみて、悩みに気持ちが奪われてる時間がもったいないと思うようになって。たぶん素直になったんですよね。歳を重ねてよかったのは、素直になれたことですね。これからもっともっと歳を重ねるけれど、さらに素直になっていって、灰汁がどんどん抜けていけばいい、真白になるくらい突き進めたらと(笑)。

一方で、濁った感情は、女優として必要なものだと思うところもあるので、感情の引き出しとして、自分の中にしまっておいて、必要なときに、衣替えのときにでも出すような気分で、役に準じて引き出せていけたらと思っています」

――素敵に年齢を重ねる方法ってなんだと思いますか?

「少なくとも楽に生きる方法は、1人で抱え込まないことだと思っています。何でも言える家族や友達を作ることが大事。いろんな話ができるお茶のみ友達を探すことが素敵な生き方じゃないかな、と」

――そういうお友達、いっぱいいそうですよね?

「いえ、とんでもないです。いっぱいはいないんです。今は3人くらい。昔は交友関係を広げてみんなで遊んでいた時期もありましたが、徐々に疲れていてしまって……。仕事で全力を出し切るために、プライベートと仕事を切り離して、自分の時間で自分らしくいようと、より濃厚な時間を作るようになりました。

自分の心をさらけ出せる友達と運よく出会えているのは、幸せなことだとこの年齢になるとより身にしみます。高校の同級生ですが、その子がいてくれるから頑張れるという存在ですし、お互いにいろいろ叱咤激励しています。演技のことなど気持ちいいくらいズバズバ言ってくれるので、身を引き締められます。だから、やっぱり正しいことを教えてくれる人がいないと。本当の言葉は友達から聞きますね」