Xperia XZ3はスマホトレンドのど真ん中に切り込んだ! 独自進化かトレンドか、ソニーはどこに向かう?

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ソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニー)は、NTTドコモ、au、ソフトバンク向けの最新スマートフォン「Xperia XZ3」を11月上旬に発売することを発表した。

Xperiaは、前モデルの「Xperia XZ2」が2018年夏モデルとして5月に発売したばかり。
およそ半年でモデルチェンジとなったことで、Xperia XZ2を購入したユーザーは複雑な心境だろうか。

とはいえ、Xperiaのハイエンドモデルでは、小さなハードウェア更新を早いペースで行うことがある。
そのため最新のモデルだけが最高のモデルではないこともある。

例えば、
・ウォークマンに搭載するサウンドエンジン
・ソニーの最新CMOSイメージセンサーの採用
など、製品のシリーズ熟成より、最新機能のリファレンス(標準的な機能を実装した)モデルを提供する傾向が強いようにも思う。

機能的には新しい、コンセプトもユニーク。
しかし、果たして万人がそれを必要としていたのか?

そうではないケースも多々あると思う。
例えば、
CMOSセンサーにメモリーを搭載し、読み出しを早くすることで画像の歪みが少ないことをアピールするため、扇風機の回る羽根を撮影して紹介していた。
しかし、そこまで歪みに対して一般のユーザーがシビアに観ていたのかというと、必ずしもそうではない。

もちろん、これはCMOSイメージセンサーとして素晴らしい改善だ。
ミラーレスカメラでも、まだ1機種にしかこのイメージセンサーを搭載していないほどの大きな進化なのである。

ただ、一般のユーザーから見れば、
Xperiaは更新が早い、多いわりに
・スマホ本体の進化
・外観の進化
これが独自すぎて、トレンドのキャッチアップが十分にできていないのでは? 
という思いが長く続いていた。

2018年夏モデルのXperia XZ2では、やっとトレンドの縦長ディスプレイを採用した。
しかし、既に他社では格安のエントリーモデルですらこのコンセプトが当たり前となっているため、今更感もあった。

とはいえXperiaには、他社にはない魅力もある。
単体での「4K HDR」動画撮影など、最新のCMOSセンサーを使った革新的な機能を盛り込んでいるのは流石Xperiaと言いたいところだ。

しかしながら、この機能が一般のユーザーに対して訴求力となりえるか? といえば、到底、思えないのだ。
そここそが、現在のXperiaでのプロモーションが弱いところなのではないだろうか。

「4K HDR」という難しいことばではなく、J-PHONE時代の「写メ」のような流行を作り出すプロモーションをXperiaやテレビ業界、ビデオカメラなどを巻き込んで起こして欲しいと思うのだ。


さて、話しを最新のXperia XZ3に戻そう。




Xperia XZ3の進化ポイントは、「有機EL」パネルの採用だ。
これまで、Xperiaシリーズは独自の液晶パネルと映像エンジンによる「トリルミナスディスプレイ」を採用してきた。
色の再現性と広い色域の再現ができることを特徴としており、過去にはソニー製液晶テレビも同じエンジンを特徴としていた。

しかしながら液晶パネルはパネルの周りの配線やバックライトなど多きや厚みが増す。
そのため、コストを高目に設定できる最近のハイエンド機は、薄くて曲げ加工ができるフィルム状の「有機EL」を採用することが多くなっている。その中心となっているのが、サムスン電子やLGだ。




Xperia XZ3は、Xperia初の有機ELの採用で、Xperia XZ2より薄く、さらに前面のガラス面をラウンドさせるなど、これまでよりもデザインの自由度が上がっていることがわかる。

さらに、黒が締まって見える有機ELは表示の綺麗さを重点としてきたXperiaとの相性も良い。
とくに、今回は有機ELテレビ「ブラビア」の技術を盛り込んで、最新のテレビと同じ映像美を実現している。

前述した4K HDR映像の再現も素晴らしい。
従来のテレビでは暗いところの黒から、明るい所の白までの階調を再現していたのだが、HDR技術によって暗いところから明るい所までの階調に加えて、明るい所の先、光を再現できるようになった。




こうした表現力の向上とデザインの自由度、そして最新のCMOSセンサーの組み合わせが、Xperia XZ3の進化のポイントで、ここ数年のなかで一番革新的なモデルになったように思う。


Xperiaとしてみれば革新的なのだが、
現在のユーザーには他機種で既に盛り込まれている機能がやっと実装された感も否めない。
また、デザイン面も、これまでの独自なXperiaらしさがなくなり、他社製品に近いものになっている、そんな印象を持つユーザーもいるだろう。




いままでかたくなにトレンドを追っていなかったXperiaが急にトレンドの中心に寄せすぎた違和感を待たれるかもしれない。

とはいえ、スマートフォンを購入するユーザーは幅広い。
こうした進化ポイントを新しいと感じるユーザーも多いはずだ。

Xperia XZ3は、今後のXperiaシリーズにとって大きな分岐点、試金石となるモデルだ、
今後。
・独自性を追求するのか?
・親しみやすさを追求するのか?

新しいXperiaの方向性に注目したい。


執筆  mi2_303