表側に大きく刻まれたボブ・マーリーの顔。このインパクトのあるデザインのユニホームは、サッカーファンだけでなくレゲエ好きの間でも密かな人気を集めているようだ。 ※写真はクラブの公式ツイッターより

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 アイルランドでユニークなユニホームが誕生し、密かな人気を博している。

 斬新なユニホームをデザインすることで、世界にクラブの存在をPRするクラブは少なくない。とくにここ数年はSNSでの拡散を意識し、よりユニークかつインパクトのあるユニホームを作成するチームが多いが、アイルランド1部リーグの古豪ボヘミアンFCは、なんと伝説的なレゲエシンガー、ボブ・マーリーの顔をプリントしたアウェーユニホームをオフィシャル販売した。

 現在のレゲエミュージックに多大なる影響をもたらし、『レゲエの神』とも称される偉人であるボブ・マーリーを一体なぜ、ユニホームのデザインにアイルランドのクラブが採用する運びになったのか。同クラブはオフィシャルショップにおいて次のような説明文を掲載している。

「1970年代、アイルランドのスタジアムでは、シン・リジィ(アイルランド出身のロック・バンド)やブームタウン・ラッツ(アイルランド出身のパンク・バンド)の音楽が流れていた。そして、1980年代にはボブ・マーリー、ミートローフ、ブラックサバス、1990年代にはフェイス・ノー・モア、ソニックユース、アイスキューブ、レッド・ホット・チリペッパーズが人気を博した。

 我々のスタジアムはフットボールファンと音楽ファンにとって特別な場所。だからこそ我々は新しいユニホームを作製するにあたり、キットサプライヤーの『O'Neills』と歴史的なデザインにしようと考えた」

 ちなみにボブ・マーリーは、「サッカーは全宇宙であり、全てに通ずるものがある。サッカーは自由だ」という言葉を残していることからも分かる通り、無類のサッカー好きとしても知られている。その想いを継いでかは分からないが、実娘であるステファニー・マーリーは、女子ジャマイカ代表としても活躍した。

 ただ、そのデザインは不評を買っているようで、英大衆紙『The Sun』のアイルランド版によれば、ユニホームのモデルを務めたアイルランド人コメディアンのP.J.キャラガーは、「正直言って、オレはジョニー・ローガン(アイルランド人テノール歌手)の方が良かったんだよ……。来シーズンはジョニーにしてほしいな。来年は誰になるの?」と、冗談交じりに不満を漏らしていたようである。