看板を悪用されたのか(C)日刊ゲンダイ

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 24日から始まった臨時国会で、“大炎上”必至なのが、国税庁への口利き疑惑の片山さつき地方創生相だ。疑惑報道は「事実誤認」として、版元の提訴に踏み切ったが、追及姿勢を強める野党は「あっせん利得処罰法に当たるのでは」と息巻いている。しかし、事はその程度では済まない恐れがある。片山事務所が犯した罪は口利きどころか、「詐欺」にまで“発展”する可能性があるのだ。

臨時国会直前に 片山大臣スピード訴訟の狙いは“答弁逃れ”

■否定すればするほど強まる疑い

 週刊文春の報道によると、3年前に税制面でメリットを受けられる青色申告が取り消されそうになった会社経営者が、片山事務所に相談。話を受けた税理士の資格を持つ私設秘書は「全然大丈夫ですから安心してください」と要望を了承し、100万円の着手金を受け取ったが、結局、経営者が要望した青色申告の取り消しはかなわずじまい。つまり、秘書はカネだけ受け取って、頼まれた“仕事”は一切果たしていないということだ。

「国税庁は青色申告の取り消しについて、一定の指針に基づき機械的に処理するとのことで、外部からの干渉が入る余地はないそうです。そんな国税庁のルールを税理士である秘書が把握していないというのはいかにも不自然。本当に口利きをする気があったのか疑問です」(霞が関関係者)

 片山大臣は口利き疑惑について、「事実誤認」と主張。国税庁は、野党合同ヒアリングで「個別の税務調査に関わることでありコメントは差し控える」と否定も肯定もしていない。秘書は受け取った100万円について、「税理士の業務として受け取った」と説明しているというが、経営者にカネを請求した際の書面には片山大臣本人の名前も明記されていた。個人的な「税理士の業務として」という言い訳は成立しない。

 いずれにせよ、口利きの事実を否定するのなら、そもそも100万円を受け取った目的は何だったのか。もしや、国税庁への口利きなど秘書の頭にはなく、相談を受けた当初から「安心して下さい」と言葉巧みに経営者をダマし、100万円を懐に入れることが目的だったのではないか。

 経営者は、秘書に依頼した約3カ月後、片山大臣本人に進捗状況を確認。すると、片山大臣は血相を変えて激怒し、秘書への連絡を試みたというから、片山大臣は秘書の所業を当初、把握していなかったのかも知れない。秘書が片山大臣の「財務省OB」という“看板”を利用して「詐欺」を働いた可能性だって考えられる。

「状況から見て、詐欺の疑いが生じる可能性はゼロではないでしょう。しかし、秘書は経営者の要望を受け、共に経営者の地元税務署に行き、担当者と面会している。ダマすことが前提で、経営者を信用させるために同行したというなら、詐欺の可能性は高まります。ただ、意図的にダマそうとしたか否かは、秘書の『内心』に関わる問題です。立証するのは困難でしょう」(元検事の落合洋司弁護士)

 あっせん利得処罰法違反の刑罰は懲役3年以下だが、詐欺罪は懲役10年以下と、より重い処分が下される。「事実誤認」とはそういうことなのか――。片山大臣は秘書の監督責任を問われても仕方があるまい。