レストランにいた観光客に差別発言をした白人女性(画像は『NBC Washington 2018年10月23日付「Woman Harasses Family for Speaking Spanish in Virginia Restaurant」』のスクリーンショット)

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近年、アメリカでは人種差別が激化しているといっても過言ではないだろう。今月だけでも、白人の子供のベビーシッターをしている黒人男性が白人女性に通報されたり、自分のアパートに帰ろうとしていた黒人男性の行く手を白人女性が遮り、挙句通報するなど、人種差別ともいえる嫌がらせ行為は耐えることがない。そしてこのほどバージニア州で、白人女性が中央アメリカからやってきた観光客にとんでもない差別的な発言をしたことが『NBC Washington』『indy100』などで報じられた。

バージニア州ロベッツビルにあるレストラン「Andy’s(アンディーズ)」で、グアテマラから訪れた身内と一緒に食事を楽しんでいた女性(名前は本人の意思で公表されず)が、同レストランの客だった白人女性から思わぬ嫌がらせ行為を受けた。

女性は、食事の席で身内とスペイン語で話をしていた。グアテマラから訪れていた身内は、言語がスペイン語ということもあり英語では会話ができなかった。するとその会話を聞きつけた白人女性が、「英語で話しなさいよ!」と攻撃してきたのである。

白人女性は立ち上がり、スペイン語で話す女性とその身内に向かって指さしながら「パスポートを見せなさいよ。図々しくこの国に居座るんじゃないわよ! 違法滞在者はとっとと自分の国に帰れ! アメリカから出て行きなさいよ! ラウドン郡に住む人みんなが、あんたたちをここから追い出したがっているんだからね!」などと大声で喚いた。

突然激しい攻撃を受けた女性は、「でも私たちはあなたに話しかけているわけではないでしょう?」と思い、一気に不快な気持ちになったという。その後の米メディアの取材に対してこの女性は「身内はここに観光で来ていただけで、英語が話せないのです。英語圏に住んでおらず、ただ訪れているだけの人に英語で会話しろというのは無理な話です」と語っている。

白人女性が叫ぶ姿は動画に収められており、警察にも通報があったようだが結局、白人女性は逮捕されていない。レストランのオーナーは「今後、この白人女性の来店はお断りする」と話している。

女性は「あの白人女性の言動はあまりにも不公平です。しかも7歳の娘がいる前であのような暴言を吐き続けたんですよ。これは許し難いことです」と怒りを露わにしている。このニュースを知った人からは「この白人女に言いたい。『お前こそ違う言語の国に一切行くな。一生アメリカにいろ!』」「この白人女、きっと海外でいろんな国の言葉を話せるのよ。すごいわね」「ここにもまたトランプ支持者が…恥を知れ」「トランプ政権がアメリカをダメにしているのは明らかだよ」「こんなバカバカしいことがアメリカで起こっているなんて信じられない」「もういい加減、こういう差別や嫌がらせは止めるべきだ」といった非難の声が相次いでいる。

画像は『NBC Washington 2018年10月23日付「Woman Harasses Family for Speaking Spanish in Virginia Restaurant」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)