パナソニック「LUMIX LX100 II」は究極の趣味のカメラに進化!  4年ぶりモデルチェンジの実力

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パナソニックは10月18日、コンパクトデジタルカメラ「LUMIX LX100 II(DC-LX100M2)」を発売した。
販売価格はオープンプライスであるが、店頭予想価格は11万5千円前後(税抜)だ。

いまではスマートフォンで写真や動画を撮ることが当たり前となり、コンパクトデジカメの需要が激減している。しかしながら、コンパクトデジカメは絶滅したわけではない。

家電量販店の店頭よく見かけた横並びの性能で価格競争していた時代は終わり、以前より個性的で利用者のニーズに合わせたオンリーワンな機能を持つものが多くなったのである。

・3000mm相当など、超望遠撮影が可能なモデル
・1インチセンサーを搭載しながらポケットサイズのコンパクトなモデル
・大型イメージセンサーを搭載したモデル
・防水・タフネス、シンプルにライフログ撮影に特化したモデル

こうした個性的なコンパクトデジカメは、スマートフォンとの差別化がメインだったように思えたのだが、最近は事情が異なるようだ。

というのもスマートフォンの多機能化や、本格的な一眼レフカメラやミラーレス一眼のようなカメラシステムでも“撮りにくい”と感じる被写体がある。
例えば

・荷物を極力減らしたい登山で本格的な望遠撮影をしたい
・スナップ撮影を高画質で楽しみたい
・威圧しないカメラで気軽に撮影したい
・オールドカメラのような撮る楽しみを味わいたい

そんな“写真”を楽しみたいニーズに応えるカメラが最近のコンパクトデジカメのトレンドだ。




パナソニックの新製品LX100 IIは、アナログの操作感と最新のデジタル技術が詰まった「LUMIX DMC-LX100」の後継で、実に4年ぶりのモデルチェンジとなる。

写真が趣味、マニュアル操作を楽しみたい、そしてどこかレトロなデザインは40代以上の男性をターゲットにした硬派なカメラがLX100シリーズである。

コンパクトデジカメながらイメージセンサーは、ミラーレス一眼のひとつであるマイクロフォーサーズシリーズと同じ4/3型の大きなイメージセンサーを搭載する。

縦横比4:3で1700万画素イメージセンサーだ。
しかし実は、ミラーレス一眼の「LUMIX DC-GX3MK3」と同じ2177万画素のものを、縦横比に合わせて切り出して使用しているのだ。

このこだわりの機能を詳しく説明しておこう。




スマートフォンのカメラと同じ縦横比4:3の場合は4736×3552ドットである。
縦横比をテレビなどと同じ16:9に変更した場合、
通常は4:3の写真の上下をカットして16:9にする
このため、写る範囲が狭くなってしまう。
つまり、画角も狭くなり広角レンズが少し望遠側によってしまうのである。

一方、LX100 IIの場合は、
16:9の撮影時に5152×2904ドットと、4:3のときよりさらに横が広くなっているのだ。




こうすることで、広角端の24mmの画角は変えずに縦横比が変更できると言うわけだ。
一眼レフカメラなどでお馴染みの3:2の縦横比の場合は、4928×3288ドットになる。

スクエアフォーマットの1:1だけは縦の最大解像度に合わせた3552×3552ドットとなるため、やや望遠よりとなる。




こうした切替は、メニューから設定を・・・というのではなく、
レンズの根元のスイッチで簡単に変更できるのも特徴のひとつだ。
被写体を見てフォーマットを変更するというかなりマニアックな楽しみ方、そして独自の表現方法ができるのである。

マニュアル操作に関しても、レンズには絞りをコントロールする絞りリングがあり、本体上面にはシャッタースピードダイヤルがある。

一方で、カメラでお馴染みの
・露出オートの「P」モード
・絞り優先オートの「A」
・シャッタースピード優先オート「S」
これらのダイヤルがない。
では、常に絞りとシャッタースピードの2つをコントロールするマニュアル露出「M」モード固定なのか?
というとそういうわけではない。




Pモードは、
絞りリングおよびシャッタースピードダイヤルを赤文字の「A(オート)」にすればよい。上に掲載した写真の設定は絞りF1.7、シャッタースピード1/250秒のマニュアル設定となる。

絞り優先オートのAモードは、
絞りリングをA以外にする。

シャッタースピード優先オートのSモードは、
絞りリングをAに戻して、シャッタースピードダイヤルを変更すればよい。




これは実に直感的でわかりやすい。
またカメラをコントロールしながら撮影しているという実感があるため、撮影が楽しくなるという効果もある。

LX100 IIの進化ポイントで良いと感じたのは、背面のモニターがタッチパネルになったことである。
背面モニターで、オートフォーカスの指定やメニュー操作が直感的におこなえるようになった。
これは、ピント合わせや拡大表示など非常に役立つ機能だ。

さらに、本体のバッファメモリーが増設された。
・JPEG撮影時には100コマ以上の連写
・ピント固定なら秒間約11コマ
・被写体を追い続けるAFCモードでも秒間約5.5コマの連写
これらが可能となり、連続して撮影し続けられるのだ。

さらに、ファイルサイズが大きいがイメージセンサーの生のデータを記録するRAW形式の撮影でも約33コマの連続撮影が可能であるため、高画質をキープしながらシャッターチャンスを逃さず、ストレスのない撮影が楽しめるのである。

ハイエンドコンパクトデジカメで広く普及している1インチセンサーより大きい3/4型センサーの画質は、まさに写真画質というべき階調とダイナミックレンジを実現する。
また24-75mm F1.7 - 2.8の明るいレンズは、暗所にも強く程よいボケ効果をも実現する。













LX100 IIは、こうした高画質とレスポンスのよさから、一眼レフカメラやミラーレスカメラのサブにも最適で、写真を撮る楽しみとカメラを操作する喜びが味わえる、まさに究極の趣味のカメラと言える。


執筆  mi2_303