中国メディアは、日本の新しい潜水艦に世界で初めてリチウムイオン電池が搭載されたことについて、「リチウムイオン電池を搭載した日本の潜水艦には利点が多いのに、なぜ中国では採用しないのか」と題した記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 三菱重工神戸造船所で10月4日、新規建造された潜水艦の命名式および進水式が行われた。この潜水艦は「おうりゅう」と命名され、そうりゅう型潜水艦11番艦にあたるが、世界で初めてリチウムイオン電池が搭載された軍用潜水艦だという。中国メディアの今日頭条は19日、このおうりゅうについて、「リチウムイオン電池を搭載した日本の潜水艦には利点が多いのに、なぜ中国では採用しないのか」と題した記事を掲載した。

 これまでのそうりゅう型では、鉛電池とスウェーデンのスターリングエンジンが採用されてきたが、それに代わって新たにリチウムイオン電池を搭載することで、水中持続力などが向上しているという。記事は、日本は近年軍事拡張を続けていると指摘。いまだに米国の制限を受け平和憲法のもとにあるが、存在感を示していると伝えた。

 記事はおうりゅうの使用しているリチウムイオン電池について、多くの電気自動車にも使われている電池で、普通の電池の3倍の蓄電量を誇り、潜水艦に使用することで潜水可能時間が長くなると指摘。さらに、静かでより効率であるため、「なぜ中国で採用しないのか」という疑問が出ると指摘した。記事はこの理由について「発火しやすいという致命的な欠点」があるからだと説明している。

 確かに、スマートフォンやノートパソコンにも使用されているリチウムイオン電池は発火事故が少なくない。潜水艦で火災は致命的な事故となるため、発火の恐れのある電池の使用を避けるというのは理解できることだ。しかし、この潜水艦用リチウムイオン電池については、予算などの問題から長らく搭載が見送られてきたものの、発火や爆発といったリスクについて、安全性は早くから確認されていたと報じられている。やはり中国製のリチウムイオン電池では、日本製と違って信用性に欠けるということなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)