「Xperia XZ3」実機レビュー 新機能も細かくチェック

日本で11月上旬に発売予定の「Xperia XZ3」、この海外版を入手したので、一足早く実機レビューをお届けします。

液晶でも十分だったけど、有機ELはもっと綺麗

Xperia XZ3」を触って感じた一番の魅力は、やはり6.0インチ QHD+(解像度2880×1440)の有機ELディスプレイです。

有機ELのスマホは今や珍しくありませんが、Xperia XZ3では自社の4Kテレビ「BRAVIA」の画像処理技術を取り入れることで、他社との差別化を図っています。

従来の液晶ディスプレイでも十分に綺麗ですが、いざXperia XZ3の実機に触れてみると、さすが有機ELというべき画質。黒の沈みから明るい光を放つコントラストの高さ、広い色域など、美しさの恩恵をはっきりと感じることができます。

なお、有機ELということもあり「焼き付き現象」の心配が脳裏をよぎります。4K OLEDテレビの「BRAVIA」では、その対策として時間ごとに目に見えない程度に数ピクセル動かすことで焼き付きを回避する工夫が施されているのですが、スマホの場合はどうなのでしょうか、気になるところです。(問い合わせ中)

画面のアスペクト比は18 : 9となっており、シネスコサイズの映画コンテンツも広く表示できるという利点があります。(上記動画はサンプル動画です。)

また高画質エンジン「X-Reality® for mobile」の進化により、標準規格のSDR画像をHDRへとアップコンバートして自然な明暗差を再現してくれるおかげで、映像に奥行きを感じられるというメリットも。豊かなコントラストや鮮やかな色調で視聴できるというのは、同じ動画を観るにしても没入感が全然違ってきます。

映像やゲーム、ミュージックビデオの音をリアルタイムに解析して、ソニー独自のアルゴリズムとパワフルなアクチュエーターから、コンテンツに合わせて本体が振動する「ダイナミックバイブレーションシステム」も「Xperia XZ2シリーズ」から引き続き搭載。

正直、この機能はあまり必要ないんじゃないかと思っていましたが、使い慣れてきたせいか、映像やサウンドにあわせてズムズムと重低音のような振動が伝わる感覚はエンタメとして楽しめることもあって、迫力アップしたいぞ!と思った時にはオンにして使うようになりました。

新搭載のサイドセンス機能

ソフトウェア面の進化も魅力的です。「サイドセンス機能」は、ディスプレイ側面のエッジをダブルタップすることで、よく使うアプリを呼び出せる機能。時間や場所、使用頻度といったユーザーのライフスタイルに合わせて次に使いたいアプリを予測表示してくれます。


アプリは全部で9つ、その下にクイック設定、通知/詳細設定といった項目が現れます。

 

サイドセンスを呼び出すダブルタップにはちょっと慣れが必要で、最初はうまくタイミングがつかめず苦労しました。設定からダブルタップする速さのタイミングを3段階から選ぶこともできます。左右のベゼルのうち、両側もしくは左/右のいずれかなど、利き手や掴む好みによっての有効範囲を選ぶこともできます。

 

候補として出てくるアプリは、位置情報をもとにして"Xperiaインテリジェンスエンジン"が機器の使用状況からアプリを自動的に8つ候補を表示しているようです。

どれだけの精度かはまだ数日ではわかりませんが、そもそもサイドセンスに出てきてほしくないアプリなどはオンオフできるので、ある程度しぼっておくこともできます。

さらに言えば、そもそもインテリジェンス機能以前に自分で指定したアプリをサイドセンスに表示させることもでき、それが8コに満たない場合は、不足分に予測したアプリを表示するのでこのあたりは融通がきく仕様となっています。

サイドセンスを使ってみると、意外にクイック設定や詳細設定に飛べるボタンが便利でした。今までは画面の上からドロップしていたところ、画面がタテに大きくなって指がとどきにくくなったなと思った矢先だったので、かなり使い勝手がよくなりました。

画面端を上下にスライドで「バック」が可能

また、ディスプレイのエッジを指で上下にスライドすると、一つ前の画面に戻る「バック操作」のアクションとしても使えます。

これもスライドの長さを短く/標準/長くの3段階で選べて、掴んだままの姿勢から自然とバック操作が使えてなかなかに便利です。



また、Xperia XZ2やXperia XZ Premiumなどにも備わっている機能ですが、縦に画面が大きくなって、片手持ちで操作するには上のほうに指が届かないという場合に、画面の下を左右にスワイプして全体の画面が小さく表示して操作といったこともできます。

縮小した画面の大きさは自由に変更したり自由に配置できるので、好みのサイズに調整しておけば、危うく手から滑って落としそうになることも回避できます。


そしてもうひとつ、スリープ状態でも知りたい情報を表示する「アンビエント表示」も便利です。

「アンビエント表示」は、端末がスリープの状態でも、現在の時刻、SNSの通知、音楽を再生中などを表示できる機能。「Xperia XZ3」では新たに、待受状態でも常に表示させておいたり、機器を持ち上げた時など、表示タイミングを選べるようになっていました。

加えておもしろい機能が"ステッカー"と"フォト再生"です。

"ステッカー"は、「アンビエント表示」中に、お気に入りの画像を表示するというもので、aiboやスパイダーマンのロゴといったアイコンを選べるほか、スマホ内にある画像を指定して好みで表示させることもできます。

"フォト再生"は、今自分のいる場所と同じ場所で最近撮影した写真を表示したり、以前撮影した写真をアルバムアプリから自動的に抽出して表示するといったものです。

ちょっとしたオマケ機能ではあるものの、お気に入り画像を追加できるというのは嬉しいもの。


有機ELの綺麗さはすぐ目に飛び込んでくるところですが、使い勝手としてのUIに変化点もいくつかみられて、今までのXperiaシリーズと比べると意欲的なモデルであることがわかります。

次回の「Xperia XZ3」レビュー記事では、はたして買いのモデルなのか?既存Xperiaシリーズから買い替えるタイミングはいつなのか?そんな従来モデルとの比較などしてみたいと思います。