試合後は敗因を気丈に語った村田諒太【写真:荒川祐史】

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ブラントに敗れ王座陥落、村田は完敗を認め、気丈に心境吐露

 ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチが20日(日本時間21日)、米ラスベガスのパークシアターで行われた。正規王者・村田諒太(帝拳)は指名挑戦者で同級3位ロブ・ブラント(米国)と2度目の防衛戦に臨み、フルラウンド戦い抜いた末、0-3の判定負け。自身のキャリア2敗目を喫した。

 試合後、村田は完敗に認め、8分20秒に渡って気丈に心境を語った。一問一答は以下の通り。

――今の心境は?

「右も読まれてたし、自分のボクシングの幅も狭くて『あ、負けたな』という感じです」

――何ラウンドぐらいから思うようにいかないと感じたのか。

「(5回の)倒せるチャンスで倒せなかったのがすべてかなと」

――開き直って勝負に行った?

「流れも良くなかった。バランスも良くなかったので、今日はもう完敗ですね」

――採点の差については?

「もうちょっとくれてもいいかなと思いましたけど、116-114、116-112だろうが、負けは負けなんで、そこは気にならないですね。そう、つけられてもおかしくない試合内容だった」

――ブラントの予想と違ったところは?

「速かったですね。よく動くし、もっと落ちてくれるかなと思ったら落ちなかったので、よく練習してるんだろうなと思いました」

――左ボディーはよく当たっていた。

「ボディーは当たって効いているときもあったと思いますけど、それ以上に相手の方がインテリジェンスという面で上だったかな。右をしっかり見切って、左右に動いて、打ち終わりをジャブ突いてという感じ。コントロールされたな、よく研究されたなという印象です」

――村田選手の右の調子がいつもと違った?

「うーん。相手あってのもので、相手が速くて、当たらなかったのが一番じゃないですか」

――ラスベガスで自身初の世界戦。

「やっぱり、自分のボクシングの幅の狭さを感じましたし…ベストは尽くしましたけど、自分の実力が届かなかった。ただ、多くの日本人の方が来てくれていたので、すごくうれしかったですね。入場の時に、あんなに多くの日本人が来てくれたのは嬉しかった」

――判定の後は拍手をしていたが。

「もう完全に負けたと思っていたんで、負けたなと」

プロモーターは再戦示唆も「ちょっと今は考えられないですね」

――過程の話だが、(プロモーターの)ボブ・アラム氏は日本で再戦させたいと話していた。

「再戦を要求するような内容じゃなかったと思いますし、完敗だったので、それはボクの都合で言えることじゃない。そこは言及する必要はないかなと」

――アラム氏はブラント陣営から再戦OKの返事を受けたと話していた。

「ちょっと今はあまり考えられないですね」

――心の中で一番占めている感情は。

「負けたなと。完全に負けたなと。実力不足だったなと、そういう気持ちですかね」

――相手のパンチは? 効いたパンチは?

「一発で効いたというより、蓄積していったので、11ラウンドとかはふらつきましたし、蓄積の面ではありました」

――距離感は?

「距離がどうより、右を完全に読まれていたので、うまく戦われたという印象ですね」

――初回から感じた?

「思ったより(ブラントが)速かったというのが正直なところ。もうちょっと遅いかなとか、スタミナ切れるのが早いかなと思ってたんですけど、自分の消耗もあったし、パンチがいくら相手が疲れてても読まれていたら効かないし、自分もワンツーからボディーしか打てない選手だし、自分のボクシングの幅のなさを痛感した試合になりました」

――これから試してみたいスタイルはありますか?ワンツーからボディー以外で

「これだけ大きな舞台を作ってもらって、負けて、じゃあ次は、という気持ちにはなれないですね」

――調整の過程は?

「非常にいいコンディションでできてましたし、練習自体も100%やってきたんで、追い込みもしっかりやってきた。今までで一番いい追い込みができたと思ってますし、その過程においては何の後悔もない。内面と向き合う時間がいっぱいあって、その過程が非常に大事だった。それがいい時間だった」

――エンダムとの初戦での負けと違う意味を持つ?

「そうですね。完全に今日は負けたんで、それは全く違う感じですね」

――今後についてはしばらく休んでから考える?

「そうですね。そんなすぐに答えが出ることじゃないと思います」(THE ANSWER編集部)