昔と違い「普通」の定義が難しくなっている昨今。先日のはてな匿名ダイアリーに、「女性の言う『普通の男でいいのに』の『普通の男』の婚活」とのエントリーに大きな反響があった。

投稿者が明かした自身の"スペック"は、婚活を始めた3年前の29歳で年収550万円。関東出身の次男で都内で一人暮らしをしており、そこそこの私大を出たという。容姿は「身長と雰囲気でごまかしたちょいブサ」だというが、身長は高いのだろう。

一方、相手に求めるのは年齢プラスマイナス5歳などを挙げたが、譲れないらしいのが

「年収350万以上(将来の見込み含む)、正社員で働き続ける意思がある」

という条件だ。(文:okei)

「男性一人が家族を養える」と思っている女性はまだまだ多い

国税庁の調査による20代後半の平均年収は、男性が413万円で女性が311万円だ。投稿者は少なくとも「普通以上」で、婚活パーティー等で「相手には困らなかった」としているのも頷ける。

結論から言うと、この男性は育休・産休制度がしっかりしている転職先で理想の相手と社内結婚になったとのこと。しかし、アプリやパーティーで婚活していたころは、上記の条件に合う相手はなかなかいなかったという。

専業主婦やパート希望で「子ども2人、旅行は年1回くらい」と謙虚っぽく話す女性たちに、「オ、オレだけの給料で??甲斐性がないのも悪いけど、金回りの計算どうなってんだ?」と首をひねる投稿者。今どき男性の収入だけでは、とてもそんな「普通」の生活は賄えないという認識だ。

「『普通』を求めて安心したいのはよくわかる。でももう『普通の男性』が都会で『普通に』余裕をもって妻と子供を養える時代じゃないのがいまいちわかってなさそうだった」

と、女性の見通しの甘さを突いていた。

なるほどこれは、いよいよ男性も女性に年収や就労意識を求め、それを明言する時代になったわけだ。確かに現在は男性の雇用も非正規が多く不安定化し、専業主婦の世帯よりも共働き世帯の方が多い。「夫一人が家族を養う」という形態は、とっくに「普通」ではなくなっている。

「女性にも働いてほしい」は「自分が家事を半分負担する」と同義だが……

この投稿にはてなブックマークが800以上つき、様々な意見が相次いだ。まず、男性が自らのスペックを「普通」とする点について、

「29で年収550万、普通か?」
「やはり普通の男ってのは総合的に見ればハイスペックなんやな」
「ハードル高すぎてワロタ」

と、衝撃ともやっかみともとれるつぶやきが多数上がった。また、「女性に求めるスペックが高すぎる」という声も多い。

前述の国税庁のデータを見ると、男性の給与が54歳まで上がり続ける(最高737万円)のに対し、女性は29歳が最高値で、35歳からはずっと200万円台だ。女性は非正規雇用が6割と多いためだが、この中で「年収350万円の正社員女性」を見つけるのは難しいだろう。

コメントのいくつかに、

「子供産んだらどれだけかは仕事休むし、復職できる保証も無いんだから女性が男性側の収入を当てにするのは大変よくわかる」
「女性にも働いてほしいと条件に上げる人は、自分が家事を半分負担するって意味と同等ってわかってるのかなあ…と思うことは結構ある」

などとあったように、構造が共働きに変わっても、子持ち女性が稼ぎ続けるシステムにはなっていない。家事・育児と仕事の負担を思い、専業主婦に賛成する妻はむしろ増えているのだ(2010年の国立保障・人口問題研究所の調査より)。投稿者の「女性も正社員で働き続けるべき」という希望は、今後は実現していくかもしれないが、専業主婦希望の女性はまだまだ多い

しかし、投稿者自身は、同棲を始めた婚約者と家事分担もきっちり決め、料理は自分のほうが上手いくらい、相手が働けなくなれば支える覚悟はあるし、それはお互い様だというからツッコミどころが見当たらない。最後に「彼女ガッキー似」とかましたため、コメントは妬みそねみの声であふれていた。