ともに乳がんと告知されたオハイオ州の夫婦(画像は『PEOPLE.com 2018年10月16日付「Ohio Couple Opens Up About Being Diagnosed with Same Type of Breast Cancer Six Months Apart」』のスクリーンショット)

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長年苦楽を共にしてきた夫婦が、半年差で乳がんを宣告された。現在は回復に向かっている2人だが、男性が罹る乳がん率が珍しいだけに夫婦で同じタイプの乳がんを患ったことに医師らも驚きを隠せなかったようだ。『PEOPLE.com』『Inside Edition』などが伝えた。

米オハイオ州に住むジェーン・グレミングさん(66歳)は、今年6月にステージ1の乳がんと宣告された。これまで30年間、定期検診を受けてきたが問題がなく突然のがん告知となったわけだが、幸か不幸かジェーンさんはさほど不安になることはなかった。というのも夫のケンさん(75歳)もジェーンさんが告知される半年前に、同じタイプの浸潤性乳管がんと告知されていたからだ。

結婚47年のこの夫婦は、偶然にも同じ胸の同じ位置に非常に似た大きさの腫瘍ができた。がんが発覚した当日、診察医に「知っている外科医はいるか」と尋ねられたジェーンさんは、夫の担当医の名を迷わず告げた。すると医師はクリーブラント・クリニックのザーラー・アルヒリ医師に連絡。ちょうどその日はケンさんがアルヒリ医師の診察を受ける日でもあり、ケンさんを診察室に迎えていたアルヒリ医師は患者の妻の知らせを聞いて大きなショックを受けた。ジェーンさんはそれから1週間後に手術を受け、今月末に乳房再建手術を行う予定になっている。幸い夫婦2人とも化学療法や放射線治療を受ける必要がなく、向こう5年間、同じ薬を飲んで治療を続けていくそうだ。

クリーブランド・クリニックの腫瘍内科医ジェイム・アブラハム氏は「16年医師をやっていますが、このような状況になったのはこの一組だけです」とあまりの偶然に驚きを隠せない。また、アルヒリ医師も「男性の乳がん羅患率は極めて稀です。毎年、乳がんと診断される患者の中でも男性の乳がん率は1%未満であり、最新の統計では男性が乳がんを発症しても命に関わるリスクを伴うのは833分の1となっています」と話している。

1971年に交際わずか3週間で結婚したジェーンさんとケンさんには41歳になる息子がいるが、息子の目から見ても両親の絆は強く、このような経験さえも一緒に乗り越え支え合っている姿が一目瞭然のようだ。互いの診察日には付き添い合うというジェーンさんとケンさん。2人は現在、世間の人々にがんの兆候を探すことに積極的になるよう提唱しており「男性の乳がんは稀だけど早期発見になれば辛い治療も避けられることもあるからね」とケンさんは言う。また、ジェーンさんはこれまでの結婚生活を振り返りこのように語った。

「山あり谷ありなのが人生ってものよね。だから一回ずつ乗り越えていかなくちゃ。結婚して47年という間にもいろんな困難があったわ。互いの親の死も乗り越えてきたし。5年間、夫の母親の介護をした時には、離婚してもおかしくないほどのストレスもたまったわ。だけど、なんとか一緒に乗り越えた。夫が私のことを親友だと思ってくれるように、私も夫を親友だと思っているわ。」

互いのユーモアのセンスもシェアしながら支え合い前向きに生きている夫妻だが、「いつもなんでも2人でシェアし合ってきたけど、まさかがんまでシェアすることになるとは」とジェーンさんは笑っている。

画像は『PEOPLE.com 2018年10月16日付「Ohio Couple Opens Up About Being Diagnosed with Same Type of Breast Cancer Six Months Apart」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)