存在感を示してパチューカ時代同様にデビュー戦ゴール(写真)を決めた本田。フル出場と奮闘したものの、今回は白星デビューはならなかった。 (C) Getty Images

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 オーストラリアのトップリーグ「Aリーグ」の14回目のシーズンが開幕し、10月20日にメルボルンではビクトリーとシティによるダービーマッチが行なわれ、ビクトリーは1-2で敗れた。

 今夏、ビクトリーに加入した本田圭佑。年俸制限のないマーキープレーヤーであり、「クラブ史上最大の契約」と報じられるなど、大きな注目を集めていた元日本代表は、キャプテンマークを左腕に巻き、先頭でデビュー戦のピッチに登場した。

 ボランチでの起用も噂されていた彼は、2列目の右サイドに位置取りながらも、全体のバランスを見て、時には中盤の底に下がったり、最後尾でも守備をするなど、精力的な動きを見せる。

 昨シーズン、リーグ戦は4位に終わるも、プレーオフで優勝を飾ったビクトリーが、5万6千人収容の「マーベル・スタジアム」に、ライバルのシティ(こちらはリーグ戦3位もプレーオフでは準決勝敗退)を迎えた一戦は、ビクトリーがボールポゼッションで上回るが、攻撃時にスピードに乗れず、シティの敷いた守備ブロックを崩すことはできない。

 ホームチームの最初のチャンスは10分、左サイドのアントニスがタッチライン際から思い切って放ったシュートがゴール右隅に飛び、GKガレコビッチを慌てさせた。

 20分、シティはFWフォルナロリが抜け出して決定機を得るも、シュートは飛び出したGKトーマスの好反応に阻まれる。一方、ビクトリーはここからのカウンターで、初めて速い攻めを見せてトロイージがペナルティーエリアに侵入するが、フィニッシュまでは持ち込めない。

 本田は攻撃では、クロスやCK、FKを、主に身体能力の高いFWアテューに合わせるなどチャンスメイクに集中していたが、28分、この試合で始めて前を向いてドリブルを開始。右サイドの味方にボールを預けてゴール前に走り込むと、ルクスのクロスを頭で合わせてゴールネットを揺らした。

 強烈なミドルからいきなりゴールを決めたパチューカ時代に続いて、またもデビュー戦得点を記録した本田。「持ってる男」の本領発揮によりビクトリーは先制したが、37分に追いつかれてしまう。

 再三、相手の侵攻を許していた左サイドで、DFがフォルナロリを倒す。VARによってエリア内でのファウルと判定され、アウェーチームにPKが与えられ、べレンガーのシュートはトーマスが見事に防ぐも、こぼれ球をキャプテンのデ・レートが詰められた。

 後半、一進一退の攻防が続くなか、本田は右サイド、中央でプレーに絡み、58分にはバーバルセスに決定的なスルーパスを通すも、シュートは決まらない。65分にもトロイージに好パスを通し、彼の左ポストを叩く強烈な一撃を引き出した。

 本田が次々に効果的なパスで相手守備陣を脅かす一方で、ビクトリーは、守備では再三左サイドを破られてクロスを入れられるなど、危険な場面も迎える。そして69分、カウンターからブラッタンに見事なスルーパスをマッグリーに通され、ゴール左隅に逆転ゴールを決められた。本田はマッグリーを追走していたが、シュートは防げなかった。

 リードされたビクトリーは直後、アテューが左からのクロスを受けて決定機を得るも、シュートはクロスバーを越える。77分には本田がカットインから左足を振り抜くが、これはガレコビッチによってCKに逃げられた。

 終盤に入り、さらに攻勢を強めたビクトリーだが、最後まで同点のゴールは生まれず、王者は黒星発進。守備の穴と決定力不足に泣く結果となった。一方で、唯一ゴールを奪い、パスで決定的場面を創出した本田は、初戦にしてその価値を高めたと言えるだろう。

 ビクトリーは次節、28日にもうひとつのホームスタジアムである「AAMIパーク」にパース・グローリーを迎える。

 なお最後に、来年5月19日まで続く今シーズンのAリーグについて説明しておくと、10チームによる総当たり3回戦のリーグ戦(レギュラーシーズン)を戦った後、上位6チームによるトーナメントでのプレーオフ(ファイナルシリーズ)で王者を決する。