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「お金が貯まらない、増えない、老後資金が不安」。お金の心配が尽きない今日このごろ。メガバンクの定期預金は軒並み金利が0・01%/年。300万円預けても1年で300円しか増えないうえ、そこから税金が引かれてしまいます。とはいえ、投資は大損しそうで怖い。そんな人におすすめなのが、「おつり貯金&投資」です。

 これは、クレジットカードや電子マネーの買い物で出たおつりを、自動的に貯めてくれるもの。また、そのおつりで比較的リスクが低い投資をすることができるサービスも続々登場。

「今は、退職金がない会社も増えています。できることを、できるタイミングで始めることが、老後の生活を守ることにもつながるはず」と、おつり投資サービスのひとつ、「マメタス」を運営する「ウェルスナビ」広報の佐藤文康さん。では、“おつり貯金”の仕組みや、なぜ低リスクであるのかを説明していきましょう。

最先端の「おつり貯金・投資」とは?

 どうしてもお金が貯められない人におすすめなのが、クレジットカードや電子マネーを使った「おつり貯金」。とはいえ、カード払いにおつりは出ないはずでは?

「最初に100円、500円、1000円などの金額を設定しておくと、買い物のさい、その金額に対する“おつり”にあたる金額がアプリ上に貯まっていき、1か月単位でまとめて、登録口座から引き落とされます」

 と、佐藤さん。「貯めよう!」と思わなくても、ショッピングのたび、少額ずつ確実に積み立てができるというわけです。また、どのサービスでも、スマートフォンのアプリでお金が貯まっていく様子を好きなときに確認できるので、ゲーム感覚で続けられます。

「ネットとスマホが普及しているから実現したサービスなんです。テクノロジーと金融サービスが融合した、いわゆる『フィンテック』のひとつ。現代ならではのお金の貯め方ですね」(佐藤さん)

 おつりで投資ができるサービスもあります。「『10万円で投資を始める』と聞くと抵抗がある人は多いでしょうが、『おつりで貯めたお金で試しに投資をやってみる』なら、ハードルが下がるはず」(佐藤さん)

 おつり投資の運用方法は、比較的リスクが低いものが採用されています。しかも、開始前、「どこまでリスクを許容するか」の設定ができます。そして、運用はプロや、最適な投資先の組み合わせを選んでくれるプログラム「ロボアドバイザー」にお任せ。ほったらかしでOKなので、ズボラな人も安心。

「おつりで貯めたお金が、ちょっと増えている!」という小さな成功を体験すると、今まで遠いものに感じていた投資も、怖くなくなります。おつり投資は、初心者の味方。

「僕自身もおつり投資をしています。クレジットカードの明細を見るのは怖いですが、アプリでおつり投資の貯まり具合をチェックするのは楽しいものですよ」(佐藤さん)

自分に合ったサービス選びを

 現在、おつり投資ができるサービスは、「マメタス」「THEO+docomo」「トラノコ」など。基本的には、「おつり貯金」と同じ仕組みでお金を貯め、それを投資に回します。「マメタス」では、約10万人が使っている投資サービス「ウェルスナビ」のシステムを、おつり投資という形で手軽に使えます。

 ドコモ口座との連携など、docomoユーザーにとって魅力満載なのが、「THEO+docomo」。「トラノコ」には毎月、提携ポイントやマイルが貯まるなど、特典が用意されています。それぞれ特徴が違うので、好みやライフスタイルに合ったサービスを選びましょう。

低リスクの秘訣は「長期分散投資」

 それぞれ、投資なので当然、リスクはある。ただ、株やFXに比べれば、ずっと低いリスクです。これは、おつりという少額の資金を、長期にわたり、多くの投資先に分散しているから。

「どこかの国の経済が一時的に落ち込んでも、長期的に見れば、世界全体としては経済が発展し続けています。そのため、長期間、さまざまな金融商品を買い続けていれば、資産は少しずつでも増えていくと考えられているのです。

 また、日本で株価が下がっても、他の国では上がっていることもありますし、株が下がっても国債は上がるなど、金融商品によって、動きはバラバラ。多くの金融商品に少しずつ投資することで、リスクが分散できるのです」(佐藤さん)

 個人で多くの金融商品を少しずつ買うのは、手間や売買手数料を考えると、難しいもの。「おつり投資」なら、それをプロの目利きで実現できるのです。

 堅実にお金を増やすことを目指せる「おつり投資」、あなたも試してみては?

(取材・文/仲川僚子)

〈PROFILE〉
佐藤文康さん ◎外資系保険会社などを経て、「ウェルスナビ」に入社し広報を担当。おつりを使って資産運用ができるスマホ向けアプリ「マメタス」の広報に関わっている。