『adidas Yeezy Boost 350 “Pirate Black”』定価約3万円だが、サイトによっては36万円で売られている

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 世界的なブームに引っ張られ“プレミア化”したスニーカーが各種中古品取り扱いサービスで高騰中だ。もはや投資対象となった「スニーカー転売」の極意を伝授!

◆adidasのレアモノが3万円→36万円に

 現在、密かに「スニーカー投資」が世界的なブームになり、アメリカでは億万長者まで誕生している。“投資”だと聞き慣れない言葉だが、「スニーカー転売」と言い換えればわかるだろう。アメリカではスニーカーを人気具合によって価格変動させて売買するプラットフォーム「ストックX」まで存在。その年間流通総額は4億ドルを超えるとか。

「日本でも同様に、愛好家を中心にかなり盛り上がっています」と、語るのはスニーカーのバイヤー兼投資家の、転売するよクン氏だ。

「古くは’90年代からスニーカー投資は行われていて、ナイキの『エアマックス95』の人気から、『エアマックス狩り』なんて現象もありましたよね。それが’00年代以降は落ち着いていたのですが、ここ2、3年で状況が激変しました。中国人をはじめとしたアジア系外国人の購入が増加しているため、人気スニーカーが品薄になりやすく、価格が高騰傾向にあるのです」

 プレミア化したスニーカーの“爆発力”はすさまじいという。

「昨年発売されたナイキの『Tom Sachs × NikeCraft Mars Yard 2.0』というモデルは、定価約2万円が現在20万円の相場で売買されています。また、僕が’16年に定価約3万円で購入した『adidas Yeezy Boost 350“Pirate Black”』は、半年後に12万円で売ったのですが、今はさらに中古品が高騰。サイトによっては約36万円と、元値の12倍で売られていますよ」

◆ガッツリ投資すれば月100万円超も可能

 また、これほど高騰する裏には「メーカーの戦略があるのでは」と、転売するよクン氏は推測する。

「需要と供給が合わないよう意図的に仕組んでいるのではないか、と思いますね。販売数を絞ることで消費者の物欲を煽り、次の商品に繫げたいのだと思います」

 では実際、スニーカー投資はどれほど儲かるのか。アマゾンを中心に、年間約4000万円超を稼ぐ転売コンサルタントの佐野宗吾朗氏は「スニーカーはほかに比べて収益率がいい」と語る。

「スニーカーの利益率は40%と、かなり高いですね。単月の最高売り上げは300万円。このときは200足ほど売り、約150万円の利益になりました。梱包などで手間がかかる商材ではあるのですが、この収益率は魅力」

 転売するよクン氏もこれに同意。

「商品の出品や落札後の取引連絡、そして梱包や発送が面倒で在庫が溜まるのはスニーカー投資“あるある”ですね。ただ、副業的に始めても数足をうまく転売すれば月5万円はコンスタントに稼げます」

 スニーカーに限らないが、転売益を出すには、大きく「調査」「仕入れ」「販売」という3つのフェーズが存在する。スニーカーの場合、まずは売れる商品を調査。スニーカー系のアンテナサイトや転売ブログから、限定販売の最新スニーカー情報のなかでもプレミア化しやすい商品を見極めるのだ。

「人気モデルを確認したら海外オークションサイト『eBay』などで相場を確認します。限定スニーカーは海外で先行発売されている場合もあり、それがプレミア化しているなら日本発売後も同調しやすいので」(転売するよクン氏)

 次にメルカリやヤフオクなど中古売買サービスでの実績を調べる。

「過去にプレミア化したモデルは再度プレミア化しやすいですし、逆もまた然りです。例えばナイキの人気モデル『エアマックス』で新色カラーが出る場合、ヤフオクの相場を確認します。確認するポイントは、新カラーが出る前のカラーがどうだったのかということ。前回のカラーがダメだった場合、新カラーはよほどいいものか限定コラボでない限り、プレミアになることはまずないです」(同)

 では、「仕入れ」はどうするべきか? 佐野氏が解説する。

「仕入れには大きく2ルートあります。抽選の限定モデルに申し込むか、中古の人気モデルを購入するか。ただ、抽選は転売屋がBOT(自動購入ツール)を使い激戦になるので、なかなか当たりません。一方で中古品は偽物を見分ける目利き力も必要になる。なので、スニーカー投資初心者は『当たったらラッキー』くらいの感覚で抽選に申し込むといいでしょうね」

 抽選に当たり限定モデルが購入できたら、いよいよ「販売」だ。

「メルカリとヤフオクで並行して販売することがオススメです。ただ、『どこで売る』より『いつ売る』かが重要。寝かす期間により、価格が10万円以上変わる場合もあります。オススメの売却タイミングは抽選が当たった直後。外れて商品を欲しがっているユーザーが多いこのとき、ニーズが一番高まっています。ただ、長く寝かせたほうが高値になる場合もあるので、過去の販売実績を見て傾向を探ってください」(佐野氏)

《スニーカー投資の流れ》
スニーカー投資をするうえでは3つのフェーズが存在する。なかでも重要なのは「調査」。各サービスで人気トレンドを念入りに調べよう

1.調査
海外のオークションサイト「eBay」の販売状況、ヤフオクやメルカリなどで国内の販売実績を調査。プレミア化するモデルを絞る

2.仕入れ
中古orレアモノ抽選

3.販売
過去のデータからどのくらいの期間寝かせれば高値になるかを調査。メルカリやヤフオクなど複数の売買サービスに同時出品してみよう

 では、現在“激アツ”なのはどれなのか――

◆識者が選ぶ激熱スニーカー

 佐野氏は前出の3万円から36万円と高騰した例もある、「アディダスのYeezy Boostシリーズがオススメ」だと話す。

「人気ラッパー、カニエ・ウェストとアディダスがコラボしたシリーズなのですが、1年に何回か新作が出ると激戦になる大人気ぶり。’15年の誕生時に比べれば少し落ち着きましたが、それでも高く売り抜けられる確率は高いです」

 続いて、転売するよクン氏が注目の2つのスニーカーを紹介。

「まずは『NIKE AIR JORDAN 1 RETRO HI』シリーズ。すべてのカラーにおいて上昇傾向にあります。次がストリートブランド『Off-White』とナイキのコラボ・シリーズ。これはほぼ100%の確率で値上がりするので要チェックです」

 毎日目にするスニーカーが大量の札束に化ける可能性があるのだ。

【転売するよクン氏】
バイヤー兼アフィリエイター。’10年からスニーカー投資を開始。転売コミュニティ「するよコミュ^^」は会員数220人を超える

【佐野宗吾朗氏】
転売コンサルタント。約2年前からスニーカー投資を開始。今年だけですでに純利益4000万円を突破。ブログ「PC1台で仕事の提案をするシュアーズ」

取材・文/田中一成