中国メディアは、反日感情の強い中国人であっても、訪日すると「日本人は自分たちが想像していたような、恐ろしく粗暴な人びとではなかった」、「日本人のサービスは偽善的ではなかった」と思いを改めると指摘した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れる中国人旅行客の数が増加しているが、そのすべてが親日家というわけではない。なぜなら、中国人の大半は歴史的な背景ゆえに、日本に対して複雑な感情を持っているためだ。しかし、中国メディアの捜狐は14日、日本へ旅行する前、激しい反日感情から痛烈な批判しか語らなかった中国人も「日本人の仕事に対する態度を目にすると、日本への見方が一変する」と論じる記事を掲載した。

 記事は、反日感情の強い中国人であっても、訪日すると「日本人は自分たちが想像していたような、恐ろしく粗暴な人びとではなかった」、「日本人のサービスは偽善的ではなかった」と思いを改めると指摘した。これほど中国人の見方が大きく変化する理由は興味深い点だが、その大きな要因となるのが「日本人の仕事に対する態度」であると紹介した。

 例として記事は、「日本の空港で見られる従業員の態度」を挙げた。通常、空港内ではフライトが近づいた搭乗者に対して、搭乗開始を促すアナウンスが流れている。しかし、日本では「搭乗ゲートへ来ない乗客の氏名を大声で呼びながら、付近の免税店を探し回る女性職員の姿」を見ることがあるとし、こうした親切な対応は中国人の心に深い印象を与え、「真面目で責任感のある態度に感動を覚える」と論じた。

 旅行を楽しんだ後の空港で過ごすわずかな時間に、財布に残る日本円を使い切ろうと買い物に夢中になって搭乗時間を忘れてしまう中国人は少なくないようだ。世界各地の空港でもこうした状況は頻繁に起きているが、「世界各国ではアナウンスで喚起した後、乗客が来なければ自己責任ということになるのが普通だ」と指摘する一方、日本の空港で女性職員が必死に乗客を探す姿は「客の立場になって尽力する態度であり、これが日本のサービスの基本となっている」と主張した。

 中国国内の公的機関では毎回処理の仕方が異なり、何度も様々な窓口をたらい回しにされ、最後になって処理できないと言われるということは頻繁に生じることだ。こうした事務的な対応を受けると、「なぜこちらの身になって説明したり、調べてくれないのだろうか」と感じることがある。中国国内で日常受けるサービスの質を考えれば、日本でたった1つの仕事の態度を見ただけで中国人がそれまで抱いていた日本に対する偏見が消えてしまうというのも理解できないことではない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)