野崎幸助さんの著書

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「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県の資産家・野崎幸助さん(享年77)が2018年5月24日に怪死してから5ヶ月弱。遺体から致死量の覚せい剤が検出され、殺人事件であることが疑われたことが報じられたため、世間では「遺産目当てで何者かに殺害されたのではないか」などの憶測が飛んだが、いまだ容疑者の検挙には至っていない。

そんな中、事件直後に報道陣の前に姿を現して第1発見者として証言するも、その後はすっかり露出が無くなった、野崎さんの家政婦・Aさんが、ワイドショー「ゴゴスマ」(CBC)にVTR出演。野崎さんとの出会いや、家政婦として何を手伝ったかなどについてカメラの前で明らかにした。

顔にはボカシがかかるも、生々しい状況を雄弁に説明

スタジオではAさんと野崎さんの出会いについて、この日発売の「週刊朝日」(10月26日号)の記事を引用しつつ説明。それによると、Aさんと野崎さんが出会ったのは30年ほど前で、きっかけは、Aさんが友人の借金の保証人となり、数百万円の債務を背負うことになり、その借金の相手が野崎さんだったという。

その後、番組は独自取材のAさんへのVTRへと切り替わる。VTRでAさんは野崎さんに借金返済の繰り延べの相談をしたところ、野崎さんから食事に誘われ、料亭に呼び出されたことを明かした上で、以下のように語った。

「(料亭に行って)ふすまを開けたら布団が敷いてあったんですよ。ヤバい男だなーって思って。で、(料理を)食べて『ありがとうございました』と言ったら『僕と付き合ってよ』と言われたんです。(その際に抱きつかれたので)『申し訳ないけど無理です。やめてください』と言って振り払ったら(野崎さんの)眼鏡が飛んで、怒られるかと思いました」

と、現場の生々しい様子を語った。ただ、Aさんが怒られることはなく、翌日に野崎さんの会社に連絡すると事務員から、「ゆっくり毎月返済してくれればいいですよ」と言われたという。

VTRはいったんここで終わり、再び週刊朝日の記事を引用しての説明に移行。Aさんは野崎さんから「東京で金融業をやるので手伝ってくれませんか」と誘われ、東京で借金の取り立てを行っていたというが、それと併せて、野崎さんが女遊びに行く際の車の運転手も務めていたという。Aさんは再びVTRで、

「社長(野崎さん)は女がいないとすごく怒るので私が浅草の方に(野崎さんを)連れてって、(遊びが終わるのを)待っていたんです。すると、(戻ってきた野崎さんが)『いい子がいたからもう1人ともした』と(言っていた)。とにかく若い子が好きでしたから......」

と、再び生々しい話を披露した。

小出しに新情報は出るも、謎だらけの「ドン・ファン事件」

この後、番組は野崎さんの自宅前からの中継を織り交ぜつつ、覚せい剤を野崎さんに服用させる際に使われた可能性があるとして、野崎さんの自宅にあったビール瓶の鑑定が進められているなどの捜査の進捗状況を解説した。とはいえ、報道が過熱していた時期から、状況はそれほど進んでいないようだ。

野崎さんの怪死をめぐっては5月末に第1報が報じられ、和歌山の自宅にはマスコミが詰めかけメディアスクラム状態に。第1発見者としてAさんのほか、遺体発見時に同じく野崎さんの自宅にいた野崎さんの55歳年下の妻がマスコミに応対するなどしたため、その姿が世間の耳目を引いた。

捜査は当初、Aさんと野崎さんの妻を主軸に進んだとされたが、6月になると、それとは別に3人の女性が捜査線上に浮かんだとの情報が出た。その後、捜査対象が野崎さんの会社の従業員にまで拡大したとする報道がなされ、捜査が難航していることがうかがわれたほか、7月には野崎さんの金庫から3億円が消えていたとのスクープも飛び出した。

8月には野崎さんの「遺産は和歌山県田辺市に寄付する」とする遺言状が見つかるなど小出しに情報は出てくるものの、事件の全貌はいまだわからないままだ。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)