「俳句が上手くなるコツ」なんてなかった。岸本尚毅×夏井いつき

俳句の上達法を探る「俳句hike」。最終回は「NHK俳句」(NHK Eテレ)選者の岸本尚毅さんと、「俳句甲子園」「俳句甲子園」の創設に携わり、テレビ番組「プレバト!!」(TBS系)でも人気の夏井いつきさんが登場。

作る句のタイプもバックグラウンドも異なるふたりが、今回「『型』で学ぶ はじめての俳句ドリル」(祥伝社)を共著した理由は? それぞれの「俳句という山の高みの目指し方」とは? 2018年9月、紀伊國屋書店新宿本店で行われたトークイベントに潜入し、おふたりを質問攻めにしてきました。

「俳句ドリル」の本が生まれた経緯

「『型』で学ぶ はじめての俳句ドリル」(以下、「俳句ドリル」)を書かれたきっかけを教えてください。
岸本 初めに「ホトトギス雑詠選集」(高浜虚子/朝日文庫)というアンソロジーの存在がありました。明治から昭和初期にかけてのものですが、例えばこういう面白い句があります。
親芋の子芋にさとす章魚(たこ)のこと   フクスケ
岸本 親芋が小芋にタコの話をするなんて! わけが分からないけど、面白いでしょう? この本を素材に、俳句入門書を出したかった。せっかくですから夏井いつきさんというすごいエネルギーを持った人と組んで世間に打ち上げたいと思いました。
夏井 私、この本を作っている期間中ずーっと、キシモト博士の授業を受けてたの。ホテルの静かで薄暗いラウンジで。仕事帰りで空腹だからサンドイッチを取ったのに、話に集中するあまりパンがカピカピに乾いてしまって。そうやって私がキシモト博士の実験台になって、穴埋め問題をうんうん唸って考えた様子が本になりました。

俳句を穴埋め問題にするのは、いつ思いつかれたんですか?
岸本 「埋字」といって、高浜虚子(明治生まれの俳人。昭和34年没)が既に穴埋め問題をやっているんです。実際に俳句を作っているときって、みんな、この◯◯◯◯◯をどうしようかと頭を働かせている。そこを取り出してみたんでしょうね。
夏井 俳句ってパズルですもんね。言葉をどう入れていくかを考えるものなので。しかも穴埋め問題の場合、もともとある俳句を使ってやるから、当てっこゲームにもなってるんです。これがなかなか当たらないのよね! キシモト博士から「もっと発想を遠くへ飛ばしましょう」とか叱咤されながら考えるわけですよ(笑)。
今度は、本を読んでくださった方々が実験台になる番です(笑)。この本の穴埋めクイズドリルをやることで、どんな良いことがあるの?
岸本 俳句のメカニズムが分かります。俳句は「連想」と「型」の文芸なんです。
夏井 俳句にはいろんな型があることを、ドリルによって学ぶことができるんですね。「ホトトギス雑詠選集」から厳選した由緒正しい型がずらっと出てくる。さらにドリルをやるうちに、連想する頭の筋力がついてくる。

いざ、俳句ドリルを解いてみよう!


イベントでは、会場の参加者にキシモト博士の新しい問題が出題されました。

夏井 さあ、ドリルを体験しましょう!


出題1. ◯◯◯◯と◯◯◯◯と寝る布団かな

岸本 元の句は松根東洋城(まつね・とうようじょう)の「光氏(みつうじ)と紫と寝る蒲団かな」。光源氏と紫の上が寝ているんですね。これを穴埋めにしました。
夏井 さーいくよー? 布団は冬の季語ですから、◯◯◯◯には、4音の季語でないものを入れればいい。思い付いた言葉をばんばん言ってみましょう。

(会場より)はい!「新妻と飼い猫と寝る布団かな」はどうでしょう?
岸本 「新妻」と「飼い猫」って、ちょっと他人行儀なもの同士の雰囲気がありますね。それが句の味になっている。
夏井 まだ他人行儀な新妻、いいですね。「古妻と飼い猫と寝る布団かな」だと、いいところがなくなりますかね?
岸本 俳句としては良いんじゃないですかね。「しょうがないな〜」って感じがします(笑)。

「胃薬と空き瓶と寝る布団かな」
夏井 どんな生活してんの、君はー(笑)。
岸本 自分は寝ていて、お布団の中に「胃薬」と「空き瓶」がある。何の空き瓶か想像が膨らみますね。まあ、だらしないってことは確か(笑)。

「人形と親指と寝る布団かな」。
岸本 面白いね。
夏井 どんな感じなの?

小さい子が親指を吸いながら寝ている様子です。
岸本 「人形と人形と寝る布団かな」でも面白いかもしれない。
夏井 子どもなら可愛いけど、大人なら寂しい。布団って、温かくもあるし、寂しくもある。受け止めてくれるエリアが広い季語ですね。
岸本 人には言えないような句も作れるでしょうね(笑)。

その他、イベントでは下記3問が出題されました。
「◯◯◯◯の如きものにては候(そうら)へど」
渋柿の如きものには候へど

「◯◯◯◯を◯◯せよ草は芳しき」
松根東洋城「黛(まゆずみ)を濃うせよ草は芳しき」

「◯◯◯◯の日本に○○○○◯◯かな」
京極杞陽「春風の日本に源氏物語」「秋風の日本に平家物語」

推敲のしかた

夏井 実際に問題を解いてみて、「ドリルによって連想力をつける」という過程が実感できたでしょうか? この本を読めば、頭を柔らかくすることができるのね。
岸本 そうそう、連想に関してはね、推敲も大切ですね。だんだんと言葉を離していく。
夏井 「言葉を離す」という意味をもうちょっと教えてください。
岸本 例えば先ほど「◯◯◯◯の日本に○○○○◯◯かな」で、「炎天の日本に夏井いつきかな」という答えをいただきました。「夏井」という苗字の漢字には既に夏のイメージや暑さが含まれているから、「炎天」からもう少し離しても良いんですね。
何があるかな、と考えて、景色を細かくしてみる。日傘にして「日傘(ひからかさ)日本に夏井いつきかな」。色をつけてもいいですね。「白日傘日本に夏井いつきかな」。
夏井 そういう推敲は、俳句を作るときに無意識でやってることもあるだろうけど、意識的にその筋肉を鍛えるのがこの本です。
岸本 あと、ダメな句は作ってはいけないわけではなくて、どんどん作ってどんどん捨てる、と考えたほうが良いです。最初から作らないということはしない方がいい。
夏井 思い切ってダメな句を捨てられるようになるためには、いっぱい作らないとしょうがないってことですよね。ちょっとしか作らないと、貧乏性になっちゃうから。

俳句の扉が開く瞬間


推敲していて、連想でどんどんずらしていくときに、ここが正解だって、どうやって分かるようになりますか?
夏井 それ、聞きたいよねえ。
岸本 これは説明しづらいですね。感覚なんですけど、何となく俳句が自分の手から離れてひとりでに歩き出すのを感じたときですね。阿波野青畝(あわの・せいほ)は「俳句の扉が開く瞬間」と言っています。金庫破りが金庫のダイアルを1目盛りずつずらしていってカチっと開く瞬間があるように、俳句の扉が開く瞬間がある。
夏井 その感覚はやっているうちにスキルアップしていきますか?
岸本 そうだと思います。自分の句が他人の句のように見えて来るときがあるんです。「こんな良いものが僕の中から出たのか!」と思うときですね。
夏井 いま全員が苦笑いしましたね(笑)。「いつかそんな日が来ればいいな…」ってみんな思ったでしょ。でも最近、私の俳句仲間がね、1回だけその「ぴーんと来た感じ」を体験したらしいんですよ。「神様とチャンネルが合ったような気がする」って。キシモト博士ほどの俳句のプロでなくとも、そういう気持ち良い感じは訪れるものかも知れないですよ。

指導していて、この人うまくなったなって思う瞬間ってどういうときですか?
夏井 本の中でも書いていますが、作ることと読むことは両輪です。他の人の句をちゃんと鑑賞できるようになったなと思ったら、その当人の句がぐっと伸びるっていうのはありますね。

句会は本の10倍勉強になる

本を読むだけだとひとりよがりの鑑賞になってしまうことがあると思うんですね。句会で自分がスルーした句が褒められたときに「わかってなかったなー」と頭を抱えることがあります。鑑賞力はどうやって身につけていけますか?
夏井 まさに句会でしょう。句会は、自分で本を読むより10倍ぐらい勉強になると私は思います。自分とはまったく違う視点の読みがたくさん出てくることの面白さといったら。いま、私が指導している句会でも、参加者に教えてもらうことは多いです。
岸本 選句の上手な人と一緒に句会をするといいですね。野球でいうと、自分がうっかりトンネルしてしまったボールをね、後ろで拾ってもらえる(笑)。
それと、僕は句会で他の人が選句を読み上げるときに、一生懸命耳で聞いています。そうすると、文字で見たときにスルーしてしまったんだけど、音にすると「やっぱり良いな」って気づくことがありますね。

初めて一緒に仕事をしたのは「俳句甲子園」でした

岸本 会ったことはなかったけれど、夏井さんの存在は昔から知っていました。「俳句甲子園」の創設にかかわった人、というイメージが強いですね。直接お目にかかったのは、俳句甲子園の審査員として愛媛県の松山にお邪魔することになったとき。5、6年前でしょうか。
夏井 岸本さんは20代の頃から俳句界のホープで、愛媛に住んでた私でも知ってるぐらい有名でした。俳句の知識も豊富で尊敬していて、今じゃ「キシモト博士」って呼んでいるんですけど。
私は「岸本さんってどんなふうに句を判断するのかしら」「どんなジャッジをするんだろう」ってものすごく興味があって、「俳句甲子園」に来てほしかったんです。
でもあのころ、「俳句甲子園」はバッシングも受けていました。大会では赤チームと白チーム、どちらの句が優れているか、旗を上げて判定するので。「俳句のような、もともと勝敗のないもので競争をするのはよくない」と批判されて。
だから、岸本さんが審査員を引き受けてくれて嬉しかったです。旗を上げることに抵抗はなかったですか?
岸本 まったくないですよ。面白いですよね。「赤勝て」「白勝て」って旗を上げるのがね。

夏井 「旗を上げるなんて無理だ、二度と呼ばないでくれ」って言ってきた方もいるんです。でも岸本さんは、最初から、ニヤニヤしながら上げていて(笑)。面白がってくださってるな、という空気は感じていました。
岸本 ひとりなら責任が重いですけれど、5人とか10人でやりますからね。審査員のメンバーに「銀化」主宰の中原道夫さんがいるときは、僕と中原さんでプラマイゼロになるんですよ。お互い絶対に違う色の旗を上げるから(笑)。
夏井 セットになると無になっちゃうんですね(笑)。
岸本 偶然、中原さんと僕とが同じ色の旗を上げると、中原・岸本が推したチームは負けちゃったりね(笑)。
夏井 岸本さんの評価した理由を聞くのも興味津々ですよ。判定のあとに何人か、司会に指名された審査員が講評をするんですが、毎回、岸本尚毅にやってほしいと思うぐらい。
岸本 いやー、最近はね、関悦史さん(「豈」同人、俳句甲子園審査員のひとり)のほうが面白くなってきて(笑)。
夏井 関さんね。あれは、おっもしろいですよねえ〜。関さんと岸本さんが同じ旗を上げているときでも、理由がぜんぜん違うんですよ。

一句を過剰に解釈しないことも大切

夏井 今年の大会の、最後に総評でお話しされたことが強く心に残っているんです。「俳句を過剰に読まないことも大事なことではないか」。あれはどういう意図で仰ったんですか?
岸本 まず、「虚子は戦後俳句をどう読んだか」(筑紫磐井 編著/深夜叢書社)という素晴らしい本があって、そこで筑紫さんが戦後俳句の読みの貧困を嘆いていたんです。語ってもいいですか?
夏井 どうぞ。
岸本 戦後の昭和20年代、30年代は、花が咲くようにいろんなタイプの俳句が出てきました。社会性俳句や前衛俳句、新興俳句、人間探求派などです。それを一句一句、高浜虚子が読んだのを整理したのがその本です。当時の風潮として、皆さん、イデオロギーを背負って俳句を詠んでましたので、どうしても過剰な読みになっちゃうんですね。
冷されて牛の貫禄しづかなり 秋元不死男

岸本 これはけっこう人気のある句なんだけど、高浜虚子は「貫禄とまで言わなくていいんじゃないの」という身も蓋もない批評をしています。一句一句素朴に読む姿勢を虚子から学ぶことができる。俳句甲子園で思うことがあったので、筑紫さんの言葉を大会の最後に使わせていただきました。
夏井 高校生たちって、「俳句甲子園」の2日半の間に恐ろしい勢いで成長していきますもんね。最初はディベートでぜんぜん喋れなかったチームが、一戦一戦、審査員の言ったことをここまで吸収するかっていうぐらい血肉にして、化けていく。でも真剣に、自分たちのできうる限りの読みを展開した結果、五七五の字面から遠くに行ってしまう、という傾向もありました。
岸本 そうですね。だから、俳句って、書いてないことを読み取り過ぎるのはだめなんだと、ちょっと釘を刺してやろうと思って。あとで関さんから「私は公衆の面前で批判されました」とぼやかれましたけど、関さんの講評ってすばらしいの。彼はちゃんと分かった上で、独特の大げさな言葉で語っている。でも、彼の表現を若者がうっかり真似すると、過剰な読みになっちゃう場合があるんですね。
夏井 精一杯読もうとするからこそ遠ざかってしまう。それに対する「過剰に読まないことも大事だ」という言葉は、高校生にとって大事な示唆になったでしょう。関さんがぼやいていたのは知らなかったです(笑)。

「過剰に読まないのも大事」というのは、鑑賞時のことだけでなく、作るときも言外の意味を込めすぎない方が良い、ということでしょうか?
岸本 筑紫磐井さんは、解釈の問題として言っています。でも、作るときもあまり過剰な解釈や鑑賞は期待せずに作ったほうがいいよ、という教訓もあると思います。

読む人を信用してください

俳句を作るとき、「自分が感じたことを素直に読者に伝えたい」という気持ちと、「みんなに共感されたい・モテたい」という気持ちがあります。それって相反することもあって悩むんですけど、そのバランスはどう取ったらいいですか?
岸本 なるべく、読者の方に、判断とか感想の余地を取っておいてあげるのがよいと思います。「美しい」と作者が言っちゃうんじゃなくて、「ああ、それならきっと美しいですよね」と読者に言ってもらう。そういう了見でいると、言葉も少なくなって楽になります。読む人を信用してください。意外と伝わります。
まあ、現実には多少、“読めない人”もいるけど(笑)。ものすごく極端なことを言うと、理想の読者に向けて俳句を作るのが正しい道です。さきほど「過剰な鑑賞」の問題を言いましたが、深い読みと過剰な読みとの線引きはものすごく難しいんです。

具体的に誰か、あの人に分かってもらいたい、と意識をして作るということですか?
岸本 そうです。私自身は、極論を言ってしまうと、高浜虚子に取られるような句を作りたい。虚子を勝手に意識しているわけです。
夏井 「モテたい」もさ、相手の問題もあると思うの。悪い男に合わせて自分を変えていくと不幸な人生が待っているように、あんまりうまくない読者にモテようとしたら曲がっていっちゃう。理想的な読者を見つけて、そこに向けて作るのがおすすめです。
岸本 僕は、徹底的に露悪であったりね、なにか突き抜けてるような句って、饒舌な句であっても取っちゃいますね。そこまでやるのかっていう句は、取らされます。
夏井 徹底するのだ! 徹底してモテたい句っていうのも見てみたい(笑)。

研究者と種を蒔く者

岸本 俳句のために尽くしているというのが我々の最大の共通点ですね。
夏井 そのためのアプローチは相当違う。理論的な研究者として俳句に迫っていく岸本さんに対して、私は俳句を始めたばかりの人や、これから始めたいと思っている人…「チーム裾野」って呼んでいるんですけど。初心者に種を蒔いているの。岸本さんには体系だった膨大な俳句の知識があって、私は初心者がつまづくポイントをよく知っている。タイプが違いますから、「俳句ドリル」では、いい化学変化が起きたのではないでしょうか。

キシモト博士のライブドアニュース専用問題

今回の企画用に、新たな俳句ドリルを出題いただきました。
1.秋晴の○○○に○○を忘れけり
2.○○○○の日々の○○○や秋の風
3.秋の暮○○のようなる○○○○○

それぞれ、優秀句を発表してもらいましょう。第1回に登場した海城高校俳句班のみなさんも考えてくれました。
1.秋晴の○○○に○○を忘れけり
元の句:秋晴のどこかに杖を忘れけり/松本たかし

選1:
秋晴の逢瀬に母を忘れけり 松本翔玄
■岸本コメント:
昼の逢瀬。「母であることを忘れて」と読むか。それとも「介護中の老母のことを忘れて」と読むのか…。


選2:
秋晴の馬上に恋を忘れけり 枝白紙
■岸本コメント:
恋を忘れようと乗馬に熱中する人(女性?)を想像しました。「秋晴」と「馬上」が響き合います。


選3:
秋晴のベンチに影を忘れけり 武智しのぶ
■岸本コメント:
自分の去った後に、いつまでも自分の影だけが残っているような不思議な感じ。


◆特選
秋晴のイオンに芋を忘れけり 泉かなえ
■岸本コメント:
買った芋を置き忘れた。「イオン」という店名がリアル。「芋」も秋の季語ですが、この季の重なりは問題ありません。

2.○○○○の日々の○○○や秋の風
元の句:老僧の日々の昼寝や秋の風/田中王城


選1:
流水の日々の惰性や秋の風 山本遼太郎
■岸本コメント:
流れ続ける水を「惰性」と感じた。秋風が寂しげです。「惰性」という言葉をどう味わうかは読者次第です。


選2:
病室の日々のアニメや秋の風 松永肇一
■岸本コメント:
入院中の人(大人?子供?)が日々アニメで気を紛らわせている。秋風が物寂しい。


選3:
快速の日々の通過や秋の風 内山佑樹
■岸本コメント:
快速の止まらない駅。ただ「秋の風」が吹いている。

◆特選
豆腐屋の日々の稼ぎや秋の風 pha
■岸本コメント:
日々の地道な稼ぎでしょう。秋風にラッパの音が響きます。


3.秋の暮○○のようなる○○○○○
元の句:秋の暮水のやうなる酒二合/村上鬼城


選1:
秋の暮愛のようなる砂時計 青木暢也
■岸本コメント:
「秋の暮」はすぐ日が暮れる。「愛のようなる砂時計」とは、実は「砂時計のような愛」なのかも。


選2:
秋の暮兄のようなる人攫ひ	クロエ
■岸本コメント:
兄のように優しげで、親しげな「人攫ひ」。秋の暮のふとした怖さ。


選3:
秋の暮墓のようなる電波塔	細村星一郎
■岸本コメント:
日暮の街。電波塔がふと墓標のように。


◆特選
秋の暮川のやうなる神楽坂	高垣恵禾
■岸本コメント:
夕暮れの神楽坂を眺めている。ぼんやりと見る道筋は、何となく川の流れのような。

※特選の3名様には「『型』で学ぶ はじめての俳句ドリル」をお送りします!



「型の習得」「連想力のアップデート」「句会の場数を踏むこと」を繰り返し、自身の句に磨きをかけてきたお二人のトークからは、日々の鍛錬の大切さがひしひしと伝わってきました。

全5回にわたって「俳句という山脈の登り方」を様々な角度から特集してきた「俳句hike」、いかがでしたか? 読んでくださったあなたの句作のヒントになる内容が、ひとつでもあれば幸いです。そして、今後も俳句に興味を持つ方の輪が広がっていくことを願います。

ライブドアニュースでは今後も様々なジャンルで活躍中の方々を取り上げて行きます。ご意見・ご感想はこちらからお寄せください。


出典:「ホトトギス雑詠選集」高浜虚子

撮影/尾藤能暢 取材・文/与儀明子 監修/佐藤文香 デザイン/桜庭侑紀

ロケーション協力/紀伊國屋書店 新宿本店

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