中止を知らせるパチスロサミット2018 のサイト

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 2018年2月1日の遊技機規則等の改正により、6号機時代に突入したパチスロ。全国のホールでは「アメリカン番長HEY!鏡」(大都技研)が6号機第1弾として導入され、その稼働状況は多くのホール関係者の想定よりも良好だ。

 上々の滑り出しを見せた「パチスロ6号機」であるが、しかし一方で、穏やかでない話も出てきた。

 全国のパチンコホールが加盟している全日本遊技事業協同組合連合会(以下、全日遊連)が、10月12日、11月16日〜17日に予定していた「パチスロサミット2018」の中止を各都道府県の組合宛に通知した。

「パチスロサミット2018」とは、パチスロメーカー団体である日本電動式遊技機工業協同組合と販社団体である回胴式遊技機商業協同組合が主催者となり、全日遊連等のホール団体と協力し開催を目指していたイベントで、特にイベント2日目にあたる17日には、「6号機ウルトラ試打会」と銘打ち、一般ファンに向け、各メーカーが発売する6号機のお披露目を目玉コンテンツとしていた。パチンコ業界の今後を占う意味でも、業界関係者のみならず、一般ファンからも注目されていた同イベントの突然の中止発表にホール関係者は騒然としている。

 なぜならイベント中止の理由が、「展示可能な遊技機が6機種であることが判明した」(全日遊連通知文より)からだ。

◆6号機は6機種しか新基準に適合していない!?

 開発された遊技機がホールに設置されるまでには、いくつかのクリアすべき法的な問題がある。簡単に説明するならば、メーカーが法律で決められたスペックの範囲内で遊技機の製造を行い、完成した遊技機は、当該スペックが実際に法律によって定められた遊技性能であるのかのチェックを受けなくてはならない。

 そのチェックを請け負っているのが、一般財団法人保安通信協会(以下、保通協)と呼ばれる試験期間であり、まずこの試験をパスしなければならない。試験にパスした遊技機は次に、都道府県公安委員会の許可を得て、その後はれてパチンコホールに設置されることになる。

 本来であれば、「パチスロサミット2018」の開催が予定されていた11月迄には一定数の6号機が、この保通協の試験にパス(適合)している見込みであったが、現時点において、6機種しか保通協の試験にパスしていない(パスしていても、販売を目的とした本命スペックではない)という事だ。

 2月1日以降の遊技機規則等の改正後、この試験内容が以前に比べより厳しくなった。

 メーカー側も新しい規則に沿って、ギリギリのスペックを目指し試行錯誤を繰り返しているが、結果が伴わない。ちなみに、8月のパチスロの保通協試験のパス状況は、11.9%の5型式(≒機種)のみであった。

◆適合状況の悪さから導かれる最悪のシナリオ

 パチスロ6号機の適合状況が予測値を大きく下回った事により、「パチスロサミット2018」を中止せざるを得なかったという事は、実はより深刻な問題を内包している。

 遊技機規則等の改正により、全国のパチンコホールでは、現在設置されている高射幸性パチスロ遊技機を段階的に撤去していくことを決めており、2019年1月末までに、パチスロ層設置台数に対し、高射幸性パチスロ遊技機の設置比率を15%以下まで引き下げなくてはならない。

 ホールの立場から言えば、高射幸性パチスロ遊技機を撤去したとして、代わりに入れ替えるパチスロ遊技機は6号機になるのだが、その6号機が無いという事が最大の問題なのだ。

 高射幸性遊技機の設置比率15%を達成するためには、パチンコホールはいくつかの選択を迫られる事になる。

 数少ない6号機を、その人気やスペックを問わず強引に導入するか、高射幸性遊技機のリストには含まれない、不人気の5.5号機や5.9号機の中古機を導入するか。どちらにしてもホールとしては苦渋の選択となる。

 最悪のシナリオは、「導入できる遊技機が無い」という理由で、設置比率を15%まで引き下げないというホールが多く出てしまうこと。業界をあげて依存対策に取り組み、社会的な信頼の回復を図ろうとする意図とは真逆のベクトルだ。パチンコ業界としては絶対に避けたいシナリオではあるが、にわかに現実性をその最悪のシナリオが現実性を帯び始めた。

<取材・文/安達夕>