米ラスベガスでロブ・ブラントとの戦いを控える村田諒太【写真:Getty Images】

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米大物プロモーターが語った夢対決実現の“条件”は…

 ボクシングのWBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)が米ラスベガスで同級2位ロブ・ブラント(米国)と2度目の防衛戦(日本時間21日午前11時、DAZN独占生中継)に挑む。米大物プロモーターは次戦以降の候補に挙がる、元WBA世界ミドル級スーパー王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との夢対決実現の“絶対条件”として「米視聴者の前で圧倒的な戦いを見せること」と語り、ブラント戦圧勝を挙げている。米メディアが伝えている。

「この日本人ファイターにとって、防衛戦での成功こそがGGGとの対決の道を切り開く」と特集したのは、米地元紙「マイアミ・ヘラルド」だった。WBA正規王者ながらも、猛者ひしめくミドル級で村田は世界トップへの道のりは半ばだという。特集では、村田よりも米国で評価が高い猛者は5人も存在すると指摘している。

「ミドル級の階層を分析した時、リョウタ・ムラタは最上段から離れている。ボクシング団体の1人が王者と認定しているが、ムラタは依然としてミドル級のサウル・カネロ・アルバレスとゲンナジー・ゴロフキンと同じレベルにまだ到達していない。元王者ビリー・ジョー・ソーンダース、ダニエル・ジェイコブス、ジャーモール・チャーロと同じ文脈で語られていない」

 村田にとってラスベガスで行われ、米国では大手スポーツ専門局、ESPNプラスで生中継される今回のブラント戦がミドル級格付けを駆け上がる大きなチャンスになるという。記事では、村田戦6試合に携わってきた大物プロモーターのフェリックス・ザバラ氏のコメントを紹介している。

「ミドル級はボクシング界最高の階級になっている。ムラタはブラント戦で圧倒的なパフォーマンスを見せれば、その価値を間違いなく高めることになるだろう」

GGG戦実現のカギはV2戦の内容「ESPNの聴衆の前で圧倒的な試合を見せること」

 12年ロンドン五輪金メダリストとなった村田は17年5月20日の元WBA世界同級暫定王者ハッサン・エンダム(フランス)とのタイトル戦でダウンを奪いながら、判定負け。この試合が大きな転機となったとプロモーターは分析しているという。

 記事では「ファイターは時に判定負けで犠牲者となった時に信奉者を増やすことになる。ハッサン・エンダム相手に物議を醸した判定負けで、彼は日本でさらに人気を高めた」と記し、ザバラ氏のコメントを再び紹介している。

 ザバラ氏は「日本でスーパースターたらしめる、そのクオリティはアメリカでも間違いなく役立つ。彼はすでに多くの広告契約を手にしている」と語り、ブラント戦の圧勝こそが念願のゴロフキン戦の扉を開くことになると力説したという。

「ゴロフキン―ムラタ戦は魅力的だ。特にカネロとの再戦を希望せず、別で利益を手にできる選択肢をゴロフキンが求めるとするならば、だ。ムラタにとってカギとなるのは、ESPNの聴衆の前で次の試合で圧倒的な試合を見せることだ。そうなれば、GGGとの戦いでより多くの興味を持たせることができる」

 両陣営で東京ドーム対決の交渉が進んでいたと報じられていた。ゴロフキンはカネロに敗れ、タイトルを失ったが、その知名度と強さは健在。メガファイトを求める村田にとってはブラント戦は目の肥えた本場・米国のボクシングファンに自身の強さと魅力をアピールする大事な舞台となりそうだ。(THE ANSWER編集部)