南アフリカ与党ANC(アフリカ民族会議)のウェブサイト、閲覧不可に(画像は『anc.org.za』のスクリーンショット)

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南アフリカ与党ANC(アフリカ民族会議)のウェブサイトにアクセスすると、黄色をベースに、緑と黒のラインが入った華やかな背景が本来は出てくる。しかしこのサイトが「プロバイダーへの未払い」により2週間以上閲覧不可状態に陥った。このことにより「国を動かしている政党にお金がないのか?」と国民の間に不安が広がった。『News24』などのメディアが伝えている。

先月末より与党のウェブサイトを閲覧しようとすると、灰色一色のページに『このウェブサイトは、プロバイダーに支払いをしていないため、使用停止となりました』という文章が表示されている。『Business Day』紙によると、「プロバイダー『Unwembi Communications』の弁護士が、ANCが未払い料金を支払うまではサービスを保留にしている」との発言を載せており、これに対しANCは反論していた。ANCのスポークスマン、プレ・マベ(Pule Mabe)氏は「ウェブサイトが見られないのは、新規プロバイダーと契約してサイトをリニューアル中だからであり、そもそもUnwembiと契約をしたことはない」と述べていた。

同紙はさらに、与党のもとに2週間以上前に裁判所からUnwembiとANCとの間で交わされた契約の概要が書いてある書類が送られたことを明かし、ANCがプロバイダーに会員契約費2650万ランド、契約合意に関わる費用600万ランド、合計3250万ランド(約2億5千万円)も未払いであること、さらに契約を破棄する場合の契約違反46万7412ランド(約355万円)も払わなければならないと記載している。

この件に関し、ツイッター上には「プロバイダー料金も払えないANCがなぜ与党で政治活動ができるのか」という疑問が噴出した。さらに野党EFF(経済的解放の闘士)フロイド・シバンブ副委員長も「中小企業は政府がお金を払ってくれないから経営に苦しんだり破綻したりしている。ANCがどこに未払いなのかがこれではっきり分かった」とツイート。また当然のことながら「プロバイダーにそこまでお金を払わずに今まで閲覧できた理由が分からない」という声も多かった。ある人は「このプロバイダーは年間のサーバー等使用料がおよそ1130ランド(約8600円)と比較的安価な価格であるのに、なぜ3200万ランドもの値段が出てくるのか」と政府とプロバイダーの癒着を疑っていた。

こうしたなか今月8日、ANCは新しいウェブサイトの立ち上げに成功したようだ。現在もUnwembiによる与党のウェブサイトは閲覧不可、さらにUnwembiのウェブサイトもメンテナンス中となっているが、ANCはUnwembiに対し法的措置を検討しているという。

画像は『anc.org.za』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)