日本にもだんだん定着しつつあるハロウィン。死者が帰ってくるという、日本でいうお盆に似た風習(ただのコスプレ祭りじゃないんですよ)ですが、各地で様々なイベントが行われています。そのうちのひとつ、青森県営浅虫水族館のハロウィン特別展示がブラックユーモアたっぷりで話題になっています。浅虫水族館にこの展示についてうかがってみました。

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 水族館好きのツイッターユーザー、鱗さん(@rainy_bluemoon)が2018年10月5日にツイートした「何てこった…。」という投稿に添えられた写真。青森県営浅虫水族館の水槽に、人間のガイコツが入っているのですが、周りを泳いでいるのは肉食魚で知られるピラニア(ピラニア・ナッテリー)。水槽の解説パネルを見ると、「飼育員を探しています!」という告知が。

 なんでも、ピラニア担当の飼育員さんが行方不明になっているそうで、「先日ピラニア水槽の掃除に行ったあと行方がわかっていません。あぁ、彼は最近恋人ができたと言っていたのに…」と書かれています。水槽の中には人間の骨。え、まさか……。

 ちょっと心配になったので、青森県営浅虫水族館にお話をうかがってみました。

――ピラニアの水槽に人間の骨が浮いている展示をTwitterで拝見したのですが、本当に飼育員さんが行方不明なんでしょうか?解説パネルの装飾を見ると、ハロウィン関連のジョーク展示だと思いたいんですが……。

 現在展示中の「ハロウィン水槽」という季節限定展示の一部です。メインの水槽(クラゲ)の他に館内のいくつかの水槽をハロウィン仕様としたもので、10月31日までの展示となります。

――よかった、飼育員さんは無事なんですね。このような「飼育員が行方不明で、水槽にガイコツが」というパターンの展示は、今回が初めてなんでしょうか?

  初めてとなります。

――この展示は、どなたが考案されたんでしょうか?

 飼育展示部の魚類グループリーダーがポロッと会議中に話して、それはいいとなって、細かいことは魚類グループで詰めた感じとなります。解説のパネルはピラニア担当飼育員が作成しました。

――来館したお客様の反応はどんな感じでしょうか?

 お子様は「ガイコツだー」と言って面白がっているように思います。大人の方に関しては、ネット上の反応のとおりかと思います。一緒にガイコツと写真を撮るお客様も多いです。現在のところ苦情はありません。


 あぁ、よかった。ピラニアに食べられた飼育員さんはいなかったんだ……。なかなかブラックジョークが効いた展示で、しかもピラニアが肉食魚だということがよく判ります。臆病で警戒心が強い魚なので、水槽に人間が入ると逃げて隅っこに固まってしまうんだとか。

 1983年7月23日にオープンした青森県営浅虫水族館は、今年で開館35周年。ピラニアの他にクラゲの展示にも力を入れており、時期によっては非常に珍しいクラゲを見ることもできます。また、両生類の展示コーナーは生息している環境を模した「アクアテラリウム」という形で水槽が作られており、野生ではどんな感じのところに住んでいるのかといったことも判るようになっています。10月からは1階の「海の生き物」コーナーで、水族館スタッフが陸奥湾で釣り採集したアオリイカの展示も始まっています。暖かい海に暮らすイカなので、青森では夏から秋の季節にだけ見られるんだとか。

 10月は毎週土曜日に「夜の水族館ハロウィンナイト」(17時〜19時。最終入館18時30分)を開催中。仮装で来館した方にはオリジナルの記念品がプレゼントされるほか、館内のカフェ「マリンテリア」では、ハロウィンナイト限定メニューのピラニアプリン(350円)も販売されています。

 浅虫水族館は青い森鉄道(旧JR東北本線)の浅虫温泉駅から徒歩10分。駅前には日帰り温泉を併設した道の駅もあり、水族館の帰りに温泉も楽しめるのが魅力です。浅虫はもちろん海の幸も豊富で、陸奥湾(平内)産のホタテは特に有名。また郷土菓子の「久慈良餅(くじらもち)」や「板かりんとう」も美味しいので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

<記事化協力>
鱗さん(@rainy_bluemoon)
青森県営浅虫水族館

(咲村珠樹)