「就活ルール廃止で悪影響」と6割の企業が(ディスコの発表資料より)

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 経団連は、現在の就職・採用活動のルール「採用選考に関する指針」を2021年入社の就職・採用活動から廃止することを決めたが、就職情報サイトを運営するディスコ(東京都文京区)は10日、6割を超える企業がルール廃止による悪影響を懸念し、7割以上の学生が「ルールは必要」だと考えているとする意識調査の結果を公表した。

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 調査結果によると、就活ルールが撤廃されたときの影響を企業に尋ねたところ、「採用しづらくなると思う」と答えた企業は64.7%にのぼり、「採用しやくなると思う」は5.2%、「変わらないと思う」が30.0%だった。また、「必要な採用数を確保できるか」との問いには、「確保しづらくなると思う」が65.0%で最も多く、「確保しやすくなると思う」は5.1%、「変わらないと思う」が30.0%だった。

 一方、来年春に卒業予定の大学生・大学院生にルールの必要性を尋ねたところ、「ルールは必要だが、今の日程でなくてもよい」が46.5%と最も多く、「今の日程がよい」の24.2%と合わせ、70.7%がルールは必要だと考えていることが分かった。「ルールは必要ない(廃止すべきだ)」は29.3%だった。さらに学生に、ルールがない場合に活動を開始したい時期と活動を終えたい時期を尋ねると、開始時期は「大学3年(修士1年)生の4月」が12.2%で最も多く、次いで「大学4年(修士2年)生の4月」が11.3%だった。終了時期については、「大学4年(修士2年)生の4月」が21.1%で最多となり、次いで「大学4年(修士2年)の6月」が19.9%という結果だった。

 企業に関する調査は9月26日から10月5日までインターネットで調査し、1302社から回答を得た。また、学生は2019年3月に卒業予定の大学4年生と理系大学院修士課程2年生で、就職サイトに登録しているモニターを対象にインターネットで調査。10月1日から9日までの間に1159人が回答した。

 就活ルールについては、経団連が9日に撤廃を正式に決定。これに対し、大学や中小企業団体の日本商工会議所などが反対しており、政府は今後、経団連や大学側と協議を行い、対応策について早期に結論を出す考えを示している。