10日、テレビ朝日「報道ステーション」では、ともに日本代表を率いる野球の稲葉篤紀監督とサッカーの森保一監督が対談した。

じつは、両監督はそれぞれお互いのスポーツに対する想いがあるという。稲葉監督はキャプテン翼から始まり、小学生の時にサッカー部で「サッカーは好き」だったと明かし、森保監督は小さいころに父親とキャッチボールなどをして「プロ野球選手になるのが夢」だったそうだ。

互いの印象について、森保監督は稲葉監督が「若い選手を育てていきたい、さらに良くしていきたいという情熱が湧き上がっている」とコメント。「自分もその情熱を持っていたい」と話す。

一方、稲葉監督は森保監督が「経験もあって、選手とコミュニケーションをとるのが上手」で「選手にしっかり自分の意思を伝えていこう」という姿勢が「画面を通じて伝わってくる」とコメント。森保監督は「上辺だけで心のこもっていない言葉を投げかけても、選手たちは分かると思う」「自分が思っていることを選手に伝えていけるようにしていきたい」と続けた。

稲葉監督は現在のサッカー界を見ていて、サイズが大きくなくても強くなったと分析する。「なかなか倒れなかったり、ボールをすぐ渡さなかったり、粘りが見える」という。ただ、森保監督は大谷翔平の名前を挙げ、「サイズ感のある選手がサッカー界にもっと来てもらえたら、より世界と戦える日本代表になるのかな」と述べている。

ロシア・ワールドカップのグループステージ最終戦で、日本がボールを回して時間をやり過ごした場面について、稲葉監督は「局面の判断を監督は瞬時にしなきゃいけない」と思ったそうだ。

稲葉監督は「1点負けても次のステージに進めるときに(打たれて)2点取られるのであれば、わざとフォアボールを出して1点取られて負けて次のステージに進む」といったケースを想定し、自分ならどうするかを考えたという。

森保監督は「時間稼ぎとか、本当に色んな見られ方がある」としたうえで、「日本代表がW杯でより高みを目指して戦ううえで必要な戦い方の選択肢だった」とコメント。全選手が理解していたかは不明としたうえで「少し混乱していたところをまとめた監督の采配があった」との見解を示した。

「勝ち上がることでまた次の素晴らしい戦いができるので、みんな納得しているという声が多かった。日本代表として誇りを持って戦うところに勝つためのサッカーがミックスされて、日本サッカーの成長がそこにあった」

2020年の東京五輪に向け、森保監督は選手たちが金メダルを目標にしているとコメント。「選手にそれだけの目標があるなら、より厳しくよりクオリティーの高い要求をしていきたい」「メダルを獲るためにすべてをささげていきたい」と意気込む。

稲葉監督も「若い選手にもどんどん日の丸をつけて戦うことを経験してもらった中で、経験のある選手と融合して金メダルを目指せるチームをつくっていきたい」と続くと、森保監督は「ビジョンがはっきりしているので必ずうまくいく」とエールを送った。

「長くしゃべりたい」と話が尽きない様子の森保監督は、対談が終わっても稲葉監督と話し込んでいたという。SNSでは、「アツい」「興味深かった」など、視聴者から大きな反響が寄せられた。