[10日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る交渉に対する期待からポンドが上昇し、国際的に事業を展開する大手銘柄の重しとなった。

ブレグジット交渉で主要な障壁となってきたアイルランド国境問題で進展があったとの報道で、ポンドは3カ月半ぶりの高値を付けた。複数のアナリストは、英国とEUが離脱条件で合意に至るとみている。ポンドは一段と値を上げ、FTSE100種の重しとなる可能性がある。

今年の夏は暑かったため個人消費と住宅建設が好調で6─8月の英国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったが、国内銘柄以外への影響はあまりなかった。

ブレグジットを巡る期待が高まる中でも、ロンドンを中心とする住宅建設のテルフォード・ホームズ<TELF.L>は7.0%下落した。ブレグジットを控え先行き不透明感があると警告したことが嫌気された。

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。国債利回りの上昇が株式相場を押し下げたほか、テクノロジー銘柄の低迷も重しとなった。

STOXX欧州600種指数<.STOXX>は6月25日以来の大幅下落となった。

米国債利回りが7年ぶりの高水準に上昇し、株式相場の重しとなった。ゴールドマン・サックスのストラジストらは「利回りは急速に上昇した。急激な動きはいつも、株式相場にとって調整が難しい」と指摘する。

テクノロジー株指数<.SX8P>は4.30%低下し、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票以来の大幅安となった。半導体に使われるチップの需要が減っている兆しが不安視された。半導体製造装置向けの真空バルブメーカー、VATグループ<VACN.S>は10.3%急落。供給先の半導体メーカーにおけるチップ需要が減少していることから、ハーグにある工場の労働時間を削減するとの発表が材料視された。オーストリアに拠点を置く半導体メーカーのAMS<AMS.S>は5.9%、STマイクロエレクトロニクス<STM.MI>は5.8%それぞれ下落した。

中国経済の鈍化への懸念から高級品銘柄も落ち込んだ。モルガン・スタンレーは同部門の投資判断を「アンダーウェート」に引き下げた。フランスの高級ブランドのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)<LVMH.PA>は7.1%下落。イタリアのモンクレール<MONC.MI>は10.9%、フランスのケリング<PRTP.PA>は9.6%、同エルメス<HRMS.PA>は5.1%値を下げた。

<ユーロ圏債券> イタリア国債利回りが小幅低下。トリア経済・財務相が市場の信認回復に向けあらゆる手段を取ると強調したことが相場の下支えとなった。

トリア氏は、ドイツ国債との利回り格差拡大は、債務の持続性の観点から経済ファンダメンタルズに影響を及ぼすものではないとした上で「今回の予算案で債務の持続性が議論されるのはおかしい。政府として信認の回復に努めるのは当然であって、当該目標に向かって最大限尽力する」と述べた。

発言を受け、イタリア2年債利回り<IT2YT=TWEB>は8ベーシスポイント(bp)低下し1.64%。その後1.68%近辺で推移。10年債利回り<IT10YT=TWEB>は2bp低下し3.51%。ドイツ国債との利回り格差拡大は296bpに縮小した。利回り格差が300bpを超える状態が続けば、政府は市場沈静化に向け何らかの対策を取る可能性が高いとみられる。

ムーディーズ・アナリティックスのエコノミストが政府の予算案について「過ちだ」と述べたという伊紙の報道を受け、利回りは上昇する場面も見られた。ムーディーズとS&Pグローバルは現在、投資不適格級(ジャンク級)を2段階上回る格付けを付与している。両社とも今月後半に格付けに関する新たな見解を表明する予定だが、市場では1段階程度の格下げはすでに織り込み済みという。

他の域内国債利回りは小幅上昇。ドイツ10年債利回り<DE10YT=TWEB>は0.55%。