ロボットは一人一台! 生活をアシストする持ち運べるハコ型ロボット「PLEN Cube」が変える日常生活
2018年の今年は手塚治虫氏の生誕 90周年にあたる。
手塚作品に登場する「鉄腕アトム」のように自分で考えて、自分で行動するロボットがいる社会は、まだ実現していない。
しかし、ロボット技術は着実に進化している。またロボットの頭脳となるAIも急速に進化を始めている。
現在、世界をあげて取り組んでいる自動車の自動運転などの開発、活用などは、まさにロボットとAIの技術を融合したものと言ってよいだろう。
PLEN Roboticsのお助けロボット「PLEN Cube」も、そうした生活や社会に入り込むロボットだ。
■快適な生活をサポートする、お助けロボ「PLEN Cube」
「PLEN Cube」は、パーソナル・アシスタント・ロボットである。
聞き慣れないパーソナル・アシスタント・ロボットの意味だが、「日常生活をお助けするロボット」と言えば、わかりやすいかもしれない。
PLEN Cubeは、
・音声認識(AIを含む)
・カメラ
・インターネットへのアクセス
このような機能を備えている箱型のロボットだ。
お助けロボット「PLEN Cube」
人の声やジェスチャーによって、Webサービスや SNSにアクセスして利用できる。
IFTTT(イフト)を介せば、様々な Web サービスを連結させて、相互に情報をやり取りすることもできる。
Tech in Asia 2018に出典された同社のブースでは、PLEN Cubeに話かけて、内蔵カメラで撮った写真を、iPadに表示するデモンストレーションを実演していた。
PLEN Cubeは、顔認識を搭載しており、セキュリティーチェック用にも利用することができる。
例えば、顔認証で家や部屋のドアを開けるといった、鍵のように使うこともできるという、
またWi-Fi、Bluetooth、赤外線通信を備えており、対応するIoT家電を操作することも可能だという。
IoT家電と組み合わせれば、帰宅時間に合わせて外出先からエアコンのオンオフ、就寝時にテレビやライトの電源をオフにすることもできる。
「PLEN Cube」の内蔵カメラで撮った写真
■一人が一台のロボットをもつ日常を実現したい
PLEN Robotics株式会社代表取締役赤澤夏郎氏
PLEN Robotics株式会社 代表取締役 赤澤夏郎氏
「10年以上、ロボットを自社開発し、販売もしてきました。
我々の最終的な目標は一人が一台のロボットを持つことです。
それらを早く実現するために、広いマーケットに訴求するアシスタントデバイスとしてPLEN Cubeを開発しようと考えました。
また今である理由ですが、商用利用可能な先進的なオープンテクノロジーはどんどん増えて、ハードウェアの開発スピードは14年前に開発し始めた頃に比べて格段に早くなりました。
2020年には次世代通信5Gの時代となり、ネットワークインフラも強固になり、時期的にも本当の意味でサービスアシスタントとしてのロボットが、人の生活に深く関わる環境が整いつつあると考えたからです。」
PLEN Cubeは、赤澤氏が最初のアイデアを出して、コンセプトモデルを作った。
社員も含め、様々な人からの支持を得て自信を持てた。
クラウドファンディング「Kickstarter」で目標額5万ドルを3日で達成できたことも、PLEN Cubがアーリアダプターやテクノロジー好きな人たちコンセプトと想いのメッセージが届いたと感じたという。
PLEN Cubeの魅力について赤澤氏は、
「持ち運びができるほど小型で、シンプルなデザインでありながら、人が親しみや、やり取りのしやすさを感じるためのインタラクション(ロボットの動きや反応)を持つところです。
また、センシングデバイスとして利用者の行動データをセンシング、蓄積することにより、より良いインタラクションができるよう成長することを想定して開発しています。」と、語る。
利用が予想されるシーンについて赤澤氏は、
「宿泊施設やマンションでのAIコンシェルジュ、商業施設の受付、遠隔医療の支援ツール、見守り・セキュリティなどです。」
と、パソコン不要で、様々な分野での応用が可能と説明する。
PLEN Cube開発では「統合技術開発」が難しかったという。
ハードウェア面では、
カメラ、スピーカーのほかに、上部を動かすために複数のアクチュエータ(モーター)を必要となる。
すべてを74mm四方の小さなボディに収める必要があった。
この設計が非常に難しかったという。
またソフトウェア面では、
・音源方向推定
・音声認識
・音声合成
・画像認識
など、アシスタントデバイスとして必要な要素をすべて実装したという。
上部を動かすためのアクチュエータ(モーター)が内蔵されている
赤澤氏はPLEN Cubeの用途について、
「基本的にPLEN Cubeで提供するサービスは、様々なサービスプロバイダと連携し展開することが前提です。
その上で現在ある具体的なニーズと顧客像としては、
1:宿泊業・賃貸住宅フロント(コンシェルジェ機能の自動化)
インバウンド(マルチ言語、文化)顧客増加への対応、低生産性(17業種中最下位)、高離職率(2年離職率50%超)など課題が多い。
2:飲食業(ホール業務の自動化)
予約、注文、決済を顔認証で行うことによりオペレーションは効率化し、ホール担当者は高度な接客業務に注力できる。(2018年10月より都内カフェにてサブスクリプションサービスの実証実験開始予定2:
3:医療機関(受付、問診など定型業務の自動化)
患者病院内で過ごす時間が最も長いのは待機時間。定型業務の自動化により、待ち時間を減少させ、医療機関は対応できる患者数が増加する。(2019年第1四半期に神奈川県内医療機関で実証実験開始予定)
などがあげられます。」と語る。
赤澤氏
「短期的に目標とするビジネスモデルは、ハードウェア販売とクラウドサービスの月額課金で、顧客は主としてサービス業を運営する法人をターゲットとしています。
中期的にはサービス収入を増やしていくことを目指しており、ストレージから始め、決済、予約、感情認識(開発中)、健康情報認識、へと接続サービスの増加と共に成長することを見込んでいます。
長期的にはハードウェアに関して、コア技術(画像・音声情報の入力から個人認証、適切なサービスとインタラクションの出力のアルゴリズム)をライセンス化することを目標としています。」
「PLEN Cube」は小さなロボットだ。
しかし、この小さなロボットが実現する便利さと生活の変革、そこから広がる市場とビジネスの大きさ、可能性は計り知れない。
ロボットのある生活は、人の生き方を豊かにしてくれる、そう思える取材だった。
ITライフハック 関口哲司
手塚作品に登場する「鉄腕アトム」のように自分で考えて、自分で行動するロボットがいる社会は、まだ実現していない。
しかし、ロボット技術は着実に進化している。またロボットの頭脳となるAIも急速に進化を始めている。
現在、世界をあげて取り組んでいる自動車の自動運転などの開発、活用などは、まさにロボットとAIの技術を融合したものと言ってよいだろう。
PLEN Roboticsのお助けロボット「PLEN Cube」も、そうした生活や社会に入り込むロボットだ。
■快適な生活をサポートする、お助けロボ「PLEN Cube」
「PLEN Cube」は、パーソナル・アシスタント・ロボットである。
聞き慣れないパーソナル・アシスタント・ロボットの意味だが、「日常生活をお助けするロボット」と言えば、わかりやすいかもしれない。
PLEN Cubeは、
・音声認識(AIを含む)
・カメラ
・インターネットへのアクセス
このような機能を備えている箱型のロボットだ。
お助けロボット「PLEN Cube」
人の声やジェスチャーによって、Webサービスや SNSにアクセスして利用できる。
IFTTT(イフト)を介せば、様々な Web サービスを連結させて、相互に情報をやり取りすることもできる。
Tech in Asia 2018に出典された同社のブースでは、PLEN Cubeに話かけて、内蔵カメラで撮った写真を、iPadに表示するデモンストレーションを実演していた。
PLEN Cubeは、顔認識を搭載しており、セキュリティーチェック用にも利用することができる。
例えば、顔認証で家や部屋のドアを開けるといった、鍵のように使うこともできるという、
またWi-Fi、Bluetooth、赤外線通信を備えており、対応するIoT家電を操作することも可能だという。
IoT家電と組み合わせれば、帰宅時間に合わせて外出先からエアコンのオンオフ、就寝時にテレビやライトの電源をオフにすることもできる。
「PLEN Cube」の内蔵カメラで撮った写真
■一人が一台のロボットをもつ日常を実現したい
PLEN Robotics株式会社代表取締役赤澤夏郎氏
PLEN Robotics株式会社 代表取締役 赤澤夏郎氏
「10年以上、ロボットを自社開発し、販売もしてきました。
我々の最終的な目標は一人が一台のロボットを持つことです。
それらを早く実現するために、広いマーケットに訴求するアシスタントデバイスとしてPLEN Cubeを開発しようと考えました。
また今である理由ですが、商用利用可能な先進的なオープンテクノロジーはどんどん増えて、ハードウェアの開発スピードは14年前に開発し始めた頃に比べて格段に早くなりました。
2020年には次世代通信5Gの時代となり、ネットワークインフラも強固になり、時期的にも本当の意味でサービスアシスタントとしてのロボットが、人の生活に深く関わる環境が整いつつあると考えたからです。」
PLEN Cubeは、赤澤氏が最初のアイデアを出して、コンセプトモデルを作った。
社員も含め、様々な人からの支持を得て自信を持てた。
クラウドファンディング「Kickstarter」で目標額5万ドルを3日で達成できたことも、PLEN Cubがアーリアダプターやテクノロジー好きな人たちコンセプトと想いのメッセージが届いたと感じたという。
PLEN Cubeの魅力について赤澤氏は、
「持ち運びができるほど小型で、シンプルなデザインでありながら、人が親しみや、やり取りのしやすさを感じるためのインタラクション(ロボットの動きや反応)を持つところです。
また、センシングデバイスとして利用者の行動データをセンシング、蓄積することにより、より良いインタラクションができるよう成長することを想定して開発しています。」と、語る。
利用が予想されるシーンについて赤澤氏は、
「宿泊施設やマンションでのAIコンシェルジュ、商業施設の受付、遠隔医療の支援ツール、見守り・セキュリティなどです。」
と、パソコン不要で、様々な分野での応用が可能と説明する。
PLEN Cube開発では「統合技術開発」が難しかったという。
ハードウェア面では、
カメラ、スピーカーのほかに、上部を動かすために複数のアクチュエータ(モーター)を必要となる。
すべてを74mm四方の小さなボディに収める必要があった。
この設計が非常に難しかったという。
またソフトウェア面では、
・音源方向推定
・音声認識
・音声合成
・画像認識
など、アシスタントデバイスとして必要な要素をすべて実装したという。
上部を動かすためのアクチュエータ(モーター)が内蔵されている
赤澤氏はPLEN Cubeの用途について、
「基本的にPLEN Cubeで提供するサービスは、様々なサービスプロバイダと連携し展開することが前提です。
その上で現在ある具体的なニーズと顧客像としては、
1:宿泊業・賃貸住宅フロント(コンシェルジェ機能の自動化)
インバウンド(マルチ言語、文化)顧客増加への対応、低生産性(17業種中最下位)、高離職率(2年離職率50%超)など課題が多い。
2:飲食業(ホール業務の自動化)
予約、注文、決済を顔認証で行うことによりオペレーションは効率化し、ホール担当者は高度な接客業務に注力できる。(2018年10月より都内カフェにてサブスクリプションサービスの実証実験開始予定2:
3:医療機関(受付、問診など定型業務の自動化)
患者病院内で過ごす時間が最も長いのは待機時間。定型業務の自動化により、待ち時間を減少させ、医療機関は対応できる患者数が増加する。(2019年第1四半期に神奈川県内医療機関で実証実験開始予定)
などがあげられます。」と語る。
赤澤氏
「短期的に目標とするビジネスモデルは、ハードウェア販売とクラウドサービスの月額課金で、顧客は主としてサービス業を運営する法人をターゲットとしています。
中期的にはサービス収入を増やしていくことを目指しており、ストレージから始め、決済、予約、感情認識(開発中)、健康情報認識、へと接続サービスの増加と共に成長することを見込んでいます。
長期的にはハードウェアに関して、コア技術(画像・音声情報の入力から個人認証、適切なサービスとインタラクションの出力のアルゴリズム)をライセンス化することを目標としています。」
「PLEN Cube」は小さなロボットだ。
しかし、この小さなロボットが実現する便利さと生活の変革、そこから広がる市場とビジネスの大きさ、可能性は計り知れない。
ロボットのある生活は、人の生き方を豊かにしてくれる、そう思える取材だった。
ITライフハック 関口哲司