イギリス・ロンドンを中心に活躍する覆面芸術家のバンクシーが描いた「Balloon Girl」がオークション会場で100万ポンド(約1億5000万円)超で落札された直後、シュレッダーで切り刻まれるという衝撃的な出来事が起きました。

An artwork by Banksy shredded itself after selling for $1.3 million at Sotheby’s.

https://www.artsy.net/news/artsy-editorial-artwork-banksy-shredded-selling-13-million-sothebys

ロンドンにあるサザビーズのオークションハウスで、オークションに出品されたバンクシーの「Balloon Girl」という作品が、100万ポンド(約1億5000万円)をわずかに越える価格で落札されました。会場は100万ポンド超という高額で落札された作品に歓声があがっていたのですが、その声はすぐに悲鳴に変わります。一体何が起きたのかは以下のムービーを見ればわかります。

Sotheby's, October 5th 2018 - YouTube

「数年前、私は秘密裏に絵画のケースにシュレッダーを取り付けました。これはそのままオークションに出品されました……」





という文字と共に、シュレッダーの刃を取り付けるところが映し出されます。





そのままケースは閉じられました。



そして2018年の10月。ロンドンにあるサザビーズのオークション会場。



ここで出品されていたのが……



バンクシーの「Balloon Girl」



ついにオークショニアがハンマーを叩き、最終的な落札価格が決定。会場からは大きな歓声が上がります。



その瞬間、「Balloon Girl」が……



ゆっくりシュレッダーにかけられていきます。この時点ではまだほとんどが何が起きているのか気づいていません。しかし、絵画のすぐ側にいたピンクの服を着た女性はものすごい表情で硬直しています。





「ヘイ!ヘイ!」という叫び声と共に会場の和やかな空気が一変。



何が起きているのか理解できずに固まる人から……



「オーマイガー」といった具合に頭を抱える人、さらにはなんだかよく分からないけど笑い出してしまう人まで反応はさまざま。



結局シュレッダーにかけられた「Balloon Girl」はスタッフが片付けてしまいました。



この売却された作品がすぐさまシュレッダーにかけられるというイタズラは、バンクシー自身が企画したものだそうです。バンクシー自身が作成した「妙に分厚い額縁」に入った「Balloon Girl」は、そのままオークションに出品され、バンクシーのスタッフが遠隔操作で落札された瞬間にシュレッダーを起動したようです。

View this post on Instagram Artist Banksy destroys his own painting after selling for over one million dollars with shredder built into the frame #banksy #girlwithballoon #sothebys #contemporartauction #eveningauction #shreddedpaintings #london @sothebys @banksy Casterline | Goodman Galleryさん(@casterlinegoodmangallery)がシェアした投稿 - 2018年10月月5日午後1時14分PDT


匿名を条件に話してくれたというサザビーズの関係者によると、絵画がシュレッダーにかけられたあと、会場の中にいた人物が遠隔装置を手に持っていたことが見つかり、セキュリティにより拘束されたとのことです。

サザビーズのヨーロッパ現代美術部門の責任者であるAlex Branczik氏は、記者会見で「絵画を100万ポンドで売却した後に、自発的に裁断処理するようなことはない」とコメントしており、シュレッダー事件とサザビーズは無関係であると主張しています。

なお、バンクシー自身が公式のInstagram上でシュレッダーにかけられる絵画のムービーを公開しており、「破壊衝動は創造的衝動でもある」というピカソの言葉を引用しています。

View this post on Instagram . "The urge to destroy is also a creative urge" - Picasso Banksyさん(@banksy)がシェアした投稿 - 2018年10月月6日午前10時09分PDT