「体が硬い」のと同じくらい、「軟かい」のも危ない?

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「体が軟らかい」のが危険!そのワケは?

180度開脚をはじめとする「体の柔軟性をアップする」エクササイズは、最近のブームの一つ。下半身痩せやヒップアップ、血流アップとさまざまなメリットが紹介されています。体の軟らかい人がうらやましい!でも、柔軟性がありすぎるのも、実は問題なんです。

 

【柔軟性を知る関節チェック】

手首、足首の関節がぐにゃぐにゃ曲がる手の親指が大きく反る両手を伸ばすと反る「猿手」ヒザを伸ばすと後ろに強く反る

 

上記の項目に当てはまるかチェック!これらの該当する人は「生まれつき体が軟らかい人」に該当します。

体の柔軟性は、筋肉や運動能力よりも遺伝の影響を受けやすいと言われています。その理由は、体が軟らかさ=関節の軟らかさだから。手首や指は、動きに影響を与えるような大きな筋肉がないため、関節の軟らかさが一目瞭然なのです。

 

体が軟らかい人のデメリット

体が軟らかい人は骨の可動域が広いため、比較的すぐに体が動かせるようになります。ヨガのポーズが思いの外うまくできたり、軽々と柔軟運動ができたとしたら、逆に注意して!人が訓練してやっとできることを、トレーニングもせずにできてしまうということは、ケガしやすいということでもあります。

特に女性は、もともと男性より筋力が弱いため「できる!」と思って、過度なトレーニングをすると、体が悲鳴を上げるのです。また、デスクワークなどで同じ姿勢を保つためにパワーが必要なので、体が疲れやすくなります。関節が軟らかい人は肩コリが多いのも特徴です。

体を支える筋肉強化が必須

体が軟らかい人は、普段の運動に関節まわりの筋肉を鍛える筋肉トレーニングを合わせて行うのがオススメ。骨格がズレないように整え、筋肉への意識を培うことで、ケガのリスクが回避できます。柔軟に見えるバレリーナも、トレーニングで培った伸びやかな靭帯と体を纏う筋肉があってこそ、あの美しいポーズを取れるのです。

 

「体が硬い」でよいこともある!?

逆に、体が硬いことのメリットはあるのでしょうか?体が硬いこと=健康に悪いことと思いがちですが、体が安定しているというメリットもあります。体が硬い人が訓練を重ねることで柔軟性を手に入れたら、強さとしなやかさを兼ね備えた体に仕上がります。もちろん、体が硬いと、血流が悪くなって冷えやむくみ、太りやすかったり、疲れが取れにくいというデメリットもたくさんあるので、放置していていいということではないのでご注意を!

大切なのは、自分の体の遺伝的要素をきちんと知って意識を持っておくこと。日々のトレーニングの質を上げて効率アップを目指しましょう。

 

ライター:佐倉ひかる

出典:『美魔女を作る美姿勢レッスン』

監修:中村尚人/タクトエイト代表。理学療法士として臨床を経験後、独立。ヨガ、ピラティスのライセンスを持ち、医療視点からの歩行指導や解剖学などの講義を担当。