「エクストリーム自撮り」による死亡者は7年で259人。男性の比率が女性の約3倍との研究結果が発表
Nolwen Cifuentes

2011年から2017年にかけて、危険な場所での自撮り写真により命を落とした死者が全世界で259人に上るとの調査結果が、学術誌に発表されました。

インドの研究団体がニュース報道からまとめた報告によると、溺死や輸送事故、落下が死因ランクの上位だったとのこと。報告書では死亡率を減らすために、山頂や高層ビルなど観光地での「自撮り禁止ゾーン」を設置する必要が呼びかけられています。自撮りによる死亡者数は2013年に2人、2014年に13人、2015年に50人で2016年には98人と、年々増える傾向にあるとか。SNSの普及に伴い、危険な状況のもとでの自撮りが、自己表現の方法になりつつあることと関連があるようです。

平均年齢は22.94歳で、犠牲者と事件の総数は、10〜19歳と20〜29歳が最も多いとのこと。それ以上は年齢が上がるとともに減少の傾向があり、年をとるに連れて冒険的な行動をしなくなる傾向が窺えます。

男女比を見てみると、全死亡者数の約72.5%が男性、27.5%が女性と、男女で3倍近い差がつくことに。一般的に女性の方が自撮りする傾向が強いものの、男性の方が危険な行動を取りやすいと分析されています。



死因のトップ3は溺死と輸送事故と落下。このうち溺死は、漕いでいるボートの転覆、海岸での警告を無視した自撮りなど。輸送事故は、主に走行中の列車の前でシャッターを押すといった状況が原因だそう。また、銃器を持った自撮りによる死亡事故はアメリカが最も多いとのことです。

今回の研究ではニュース記事を様々な情報と照らし合わせ、厳密に自撮りが原因の死亡に絞り込んだとされています。もっとも、259人という数字は過小評価であるとも認めています。

その理由は、1つには情報源となったのが英語での報道のみで、各国の現地語によるニュースは欠落しているから。そしてもう1つは、自動車を運転中の自撮り事故は単なる交通事故として報道される可能性があるということです。

危険な場所での自撮りをする、いわゆる「エクストリーム自撮り」はSNSや写真撮影を伴うARソーシャルゲームでも流行りやすく、参加者が互いに競い合ううちに過激さが加速しがちです。一時の自己顕示欲を満たすために一生を台無しにする、ときには他人を巻き込む危険行為は慎みたいところです。