4日放送、毎日放送「ちちんぷいぷい」では、事件から5カ月を迎える悪質タックル問題について取材。被害側である関西学院大学アメリカンフットボール部の鳥内秀晃監督や選手たちにインタビューし、改めて事件について振り返った。

日本大学の宮川泰介選手が関学選手に悪質タックルを見舞ったのをきっかけに、社会的問題に発展した今回の騒動。宮川泰介選手は3日、部に復帰することを明らかにしている。

宮川選手と個人的な友人という寺岡芳樹選手は、当時を「そういうヤツじゃないというのは僕自身分かっていたので、非常に残念な気持ちだった」と振り返った。

一方で、「上からそういう指示が出てやってしまったのは悪いこと」としつつ、宮川選手が謝罪会見で「しっかり自分の言葉で謝罪している姿を見て、人間的に強い人間と思った」と述べている。

また、関学の光藤航哉主将は「ルールの範ちゅうで相手を圧倒するというのが自分たちのやりたいフットボールなので、ルールをしっかり守ったうえで日本一になりたい」と、騒動をきっかけに、改めて自分たちの目標を見つめ直したと明かした。

会見以降、騒動について公に発言していなかった関学の鳥内監督は「スポーツの範ちゅうを超えた事件なので、フットボールじゃない」とコメント。「本人はちゃんと自分の言葉で語ってくれましたけど、指導者の方はいまだに認めていない形なので」と、納得できていない様子をうかがわせる。

鳥内監督は「学生を守ってあげるというのが指導者の立場」「ああいうことをさせたというのが本当にかわいそう」と、謝罪会見に臨んだ宮川選手をおもんぱかり、「昔から(日大が)厳しいのは分かっていましたけど、コーチ・監督と話ができないということを聞いて非常に驚いている」と続けた。

騒動から学んだことについて問われた鳥内監督は、選手と大人がミーティングをする中でも、「ざっくばらんに何でもフランクにしゃべれる。自分たちの主義主張をちゃんと言える。そのための準備をする。その繰り返しで成長できていく」ことが、学生スポーツの本分ではないかと答えた。

自身が現役の時に甲子園ボウルで日大に負けたことで、「後輩たちを甲子園ボウルで勝たせたいと考えて指導者の道を選んだ」という鳥内監督は、来年でも再来年でも「やりたい」と、将来的な日大との再戦を望んでいる。

最後に、どう生まれ変わってもらいたいかとの質問に、鳥内監督は「上から目線でやる競技っていうのは、本当はおかしい」と返答。「(選手が)自分らで考えて行動してやるのがスポーツが本来持っている姿。それを大人である指導者が助けてあげる、手伝ってあげるというパターンでいくのが普通。そういうチーム同士で試合をやっていけば、もっとハイレベルな面白いゲームができるんじゃないか」と呼びかけた。