黄金井氏が購入したオロチ。車高はわずか1m18僉車幅は2m以上ある

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注文から納車まで8ヵ月。生産中止の「幻のスーパーカー」がミュージシャンの自宅に届いて…


黄金井氏が購入したオロチ。車高はわずか1m18僉車幅は2m以上ある

 なめらかな流線形のボディ。丸目4灯の特徴的なフロントマスク――。

 上の写真は「幻のスーパーカー」と呼ばれる国産の名車、オロチだ。しかも最後の新車である。9月11日に、ミュージシャンの黄金井脩(こがねいおさむ)氏(54)の自宅に届いたばかり。黄金井氏が話す。

「もともとスーパーカーが好きで、若い頃からフェラーリ365BBやアストンマーティンなどを乗り継いできました。オロチに出会ったのは昨年末です。たまたまネットで見て、フォルムデザインの美しさに一目ぼれ。ただ現在は製造されておらず、中古車しかありません。どうしても新車がほしくて販売元の光岡自動車に問い合わせると、『マカオのショールームに1台だけある』とのこと。現地から取り寄せ、ドアをガルウィング(跳ね上げ式)に変えるなどの改造を重ね、8ヵ月後にようやく納車されました。費用は改造費込みで1500万円ほどです」

 オロチは、’01年の東京モーターショーに初めて出展された。’07年4月から市販開始(生産台数わずか130台ほど)。エンジンは、レクサスRX330と同じ「V6エンジン」とアイシンAW製の「5速オートマ」を採用。ブレーキはホンダ、内装の一部はマツダと多くの自動車メーカーの協力を得て作られた。モータージャーナリストの清水草一氏が語る。

「最大の魅力はヘビのようなデザインです。初めて見た時は、奇抜さに驚きました。ただ、その後のスーパーカーは生物を連想させるようなデザインが流行していて、オロチが世界に先がけていたといえます。マセラティ社が’07年に出したグラントゥーリズモは魚のようですし、フェラーリ社が昨年から販売開始したポルトフィーノも爬虫類(はちゅうるい)のようですから」

 黄金井氏が入手した新車オロチについて、光岡自動車の担当者が答える。

「黄金井さんのオロチは、市場に出回る最後の1台であることは間違いありません。莫大な開発費用がかかり生産中止になりましたが、お客様からは電気自動車として作ってほしいという意見を多数もらっています」(販売企画課・笠原勝義氏)

 最近のクルマは実用性ばかり求められるが、芸術性も必要なのだ。

後部ライト上部の突起物など爬虫類をイメージしたデコレーションが多数

ハンドルもシートも触り心地の良いレザー製だ。内装の色はレッドで統一

エンジン出力はスーパーカーにしては小さい233馬力。燃費は8.6km/箸

ハンドルの前方に設置された丸いメーターパネル。速度リミットは280km

PHOTO:坂口靖子